投資の世界ではよく「ファンダメンタルズ」という言葉が使われます。インターネットで調べると、以下のような説明にたどり着きます。
ファンダメンタルズとは、国や企業などの経済状態などを表す指標のことで、「経済の基礎的条件」と訳されます。
国や地域の場合、経済成長率、物価上昇率、財政収支などがこれに当たり、企業の場合は、売上高や利益といった業績や資産、負債などの財務状況が挙げられます。
ファンダメンタルズをもとに株価や為替の値動きを予測することをファンダメンタルズ分析といいます。(SMBC日興証券)
バリュー株投資は、ファンダメンタルズを前提として投資する手法です。そのため、世界の経済情勢や企業業績の分析は欠かせません。
しかし、一般の投資家がこの言葉を使うとき、その使い方や考え方に違和感を覚えます。特に企業業績についてそう感じます。
単に業績ではなく、会社が置かれているあらゆる環境を知る
株式投資手法の分類でよく用いられるのが「ファンダ(メンタルズ)派」と「テクニカル派」という言葉です。ファンダ派は、企業の業績やPERなどの業績指標を重視するやり方、テクニカル派はチャートを重視するやり方です。
私はチャート分析を使用しないため、テクニカル派の議論には深く立ち入りませんが、まずチャートに飛びつこうとする人ほど、物事を短絡的に考える傾向があると感じることがあります。(もちろん、全ての人がそうであると言っている訳ではありません。)
一方で、ファンダ派を自称してもテクニカル派と大差がないほど短絡的な人が少なくありません。例えば、発表された決算が少し増益だったら「良い」、減益だったら「悪い」と考える人です。
このような考え方をしていては、本当の意味でのファンダメンタルズを見失うでしょう。なぜなら、企業の価値はすでに終わった期の決算ではなく、これから先の利益によって決まるからです。
すでに過去のものとなっている業績数値をいじくりまわすだけでは何も生まれません。そこから、将来どれだけ利益を出せるのかを知ることです。過去の業績は、未来を知るための手がかりの一つでしかないのです。
未来を知るためは、会社が置かれているあらゆる環境を知らなければなりません。事業内容に始まり、どのような歴史を辿ってきたか、どんなリスクを負っているかなど、その会社全体のことを言います。そこまで知って、初めて未来を知るスタートラインに立てます。
会社が置かれている環境の結果として出てくるのが業績です。しかし、業績は揺れ動くあらゆる要素が絡み合って、たまたま出てきたものにすぎません。来期以降もそれと同じかそれ以上の業績を出せる保証はどこにもないのです。
ファンダメンタルズ分析とは「知」を増やし続けること
それでも私たちは業績の分析をしなければなりません。それは単に上がったか下がったかを見るためではなく、「なぜその業績が出たのか」を知るためです。業績は、内部要因だけではなく、外部要因にも大きく左右されます。
数期分の業績とその要因を分析すれば、利益が何によって大きく左右されるのかを知ることができます。業績が伸びているならば、ライバルよりもいい商品を提供しているのか、あるいは単に景気がいいだけなのかという具合です。そこまでわかれば、漠然と業績を見た場合に比べて圧倒的に未来を見通しやすくなっているはずです。
それでも、未来を完璧に予測することはできません。これまで経験したことのないようなリスクが急に出現することも少なくないでしょう。
予測できないことはいくら頑張ってもゼロにはできませんが、減らすことはできます。過去の歴史や同業他社で起きていることを知れば、分析対象に起こりうることに応用できるでしょう。
このように、ファンダメンタル分析とは、その企業のみならず、そこをとりまくあらゆる「知」を増やすことに他なりません。私は、常識や既定概念にとらわれず幅広い知識を獲得することでバリュー株投資を進化させていきたいと思います。
※本記事は会員向けレポートの一部を抜粋したものです。
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個別の会社の業績も、何らかの形で
日本経済の成長とつながりは有ると思います。
低成長時代の日本と、経済成長が目覚ましい
周辺国も自社のマーケットに取り込んだ、
潜在成長力のある、ところがバリュー株企業
と思います。バイオ、医薬、遺伝子治療や
遺伝子操作の農産品、介護ロボットなどで
注目させているところを、教えて下さい。
中村様
コメントありがとうございます。様々な業界から、価値のある銘柄を探して参ります。引き続き、よろしくお願い申し上げます。