超割安のテレビ局。上昇はあるか?

今回はテレビ局についてです。

持っている資産を考えると超割安と言えるテレビ局株ですが、なかなか株価が上がりません。

その理由の解説と、もしそこに投資するならどういう考えで行えばよいかお示しします。

超割安!テレビ局

テレビ局の株価は直近で上がっています。

上昇の理由としては、業績が良かったわけではなく、市場全体として割安銘柄に期待が集まっているという背景があります。

各テレビ局の指標は以下のようになっています。

資本収益性(ROE)が8%あればまあ優秀と言われる水準ですが、いずれも下回っています。

どのテレビ局も株価は低くなっています。

指標に大差はないものの、指標に表れない部分で私が特に割安だと思っているのがTBSです。

その根拠となるものがこちらです。

バランスシートに手を加えて、現金・賃貸不動産(赤坂サカス)・有価証券(東京エレクトロン等)といった確度の高い資産を割り出し、そこから有利子負債を引いてNAVを導き出しました。

1株当たりのNAVが6,600円に対し、株価は1,900円と、株価の約3.5倍の価値があるということになります。

テレビ局が安いワケ

なぜテレビ局の株価はこれほどに低いのでしょうか。

将来性が無い

ひとつは”将来性の無さ”です。

これは日本の媒体別広告費ですが、ネットが急拡大し、2018年にはテレビはネットに抜かれました。

テレビもある程度横ばいではありますが、これ以上伸びはしないと見られています。

しかも、寡占業界なので、どこかがシェアを取るということも考えにくいです。

後ろ向きな還元姿勢

株価が低い割には配当利回りが低いということもあります。

つまり、お金を貯めこんで株主に還元していないということです。

平均的な配当性向は30%くらいで、成熟企業ならもっと高いのが一般的ですが、テレビ局はこぞって低いです。

フジテレビに関しては高く見えますが、利益が少ないことによるものだと思われます。

ガバナンス

ガバナンスの問題もあります。

このガバナンスによって守られているため、経営陣に危機感もありません。

テレビ局のように、資産に対して割安な銘柄は、その会社を買って資産を吐き出させようとするファンドが現れるものなのですが、制限があってそれができません。

買う人もいないので上がることもない、正直、上場している必要があるのかとすら思えます。

投資できる?

テレビ局各社の業績は以下のようになっています。

実はどこも売り上げは落ちているわけではなくほぼ横ばいで、テレビ東京に関しては弱者であるがゆえにがんばって伸ばしてきています。

厳しいのはフジテレビで、視聴率も売り上げも落ちているという状況です。

テレビがこれから伸びていくことは考え難く、資本収益性も低いテレビ局への投資をどう考えればよいでしょうか。

このように、業績や株価が上がる可能性も無くはないです。

結論としては、

上がることに期待しなければ持てる

というところです。

株価が下がっても、会社の「価値」がすぐに失われるわけではありません

少ないながらも配当も受けられます。

何かの拍子に株価が上がることもあるかもしれません。

しかし逆に、業績が悪化して、「価値」が下がってくる可能性もありますし、自然災害等の予期せぬリスクもあります。

割安のままずっと株価が上がらない”バリュートラップ”に陥ってしまい、時間だけが経ってしまうことも考えられます。

本当に素晴らしい銘柄を探そう!

バフェットの言葉を借りるなら、

素晴らしい企業にとって時間は資産形成の味方であるが、平凡な企業にとっては時間は敵だ

ということです。

つばめ投資顧問では、時間を味方に付けられる”本当に素晴らしい銘柄”を日々探し続けています。


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