【銘柄分析】リクルートHD

今回はリクルートを分析します。

リクルートは今や「アメリカの会社」

リクルートは、SUUMO、ホットペッパー、ゼクシィ、リクナビ、タウンワークなどなじみ深い事業を行っていますが、実はリクルートの利益の6割を占めるのはIndeedです。

しかも、Indeedの主な事業はアメリカで行われているので、全体の利益の半分以上をアメリカであげているということになります。

事業別の状況を見てみましょう。

利益を見ますと、HRテクノロジー(=Indeed)が6割となっていて、人材派遣とメディア&ソリューションが2割ずつとなっています。

HRテクノロジーの分野が急速に伸びてきました。

2021年から2022年にかけて非常に大きく伸びています。

しかもこれがアメリカにおける成長ということで、日本国内のIT分野の企業で、アメリカでここまで成長している企業はリクルートのほかに無いと思います。

業績を見ると、右肩上がりとなっています。

直近で下がっているのは、アメリカでコロナショックから回復する際に需要が急増し、今はその反動減となっていると考えられます。

株価も2021年末頃にピークを迎えました。

業績は右肩上がりですが、株価はコロナ前の水準に戻ってしまっています。

PERは30~40倍あったものが22倍まで下がっていて、上場来で見てもかなり低い水準です。

目先では調子を落としていますが、長期的な観点は、世界でどこまで成長できるかということです。

ITサービスは、Googleなどがそうであったように、アメリカで成功すればそのまま他の国に移植することができます。

このまま手を緩めることなく成長すれば、国内きっての世界で戦えるIT銘柄として期待が持てます。

足元では反動減や景気後退の問題がありますが、長期的には世界にマーケットを広げていける可能性が十分にあると考えます。

国内事業を「エンジン」にして世界進出

一方、国内においては”盤石”です。

国内の事業が多くの利益を出しているので、国内の利益を成長事業の原資とすることができます。

単体で事業をやっている企業だと、成長するためには借入などを行う必要があり自分の首を絞めることになってしまうのですが、リクルートは資金の供給源を持っているのでその部分にも強みがあります。

国内では今、「アフターコロナ」ということで、旅行(じゃらん)や結婚式(ゼクシィ)も活発になり、求人(タウンワーク)も増え、リクルートの需要が高まっています。

これらの国内事業をベースとして、Ideedで世界的に成長できるということに期待が持てます。

 

ブームは替わる

今はコロナ期に上がった成長株がガクンと下がっていて、一方でバリュー株が上がっています。

しかし、セクターローテーションを考えると、好不調がまた入れ替わっていくのが一般的であるということは覚えておきましょう。

執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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