【銘柄分析】ソフトバンクグループ

ソフトバンクグループは「投資会社」

ソフトバンクというと携帯電話の会社をイメージするかと思いますが、携帯電話のソフトバンクの親会社がソフトバンクグループということになります。

ソフトバンクグループとしては、携帯事業のソフトバンクやアリババなど、様々な株式を持っている投資会社(ファンド)ということになります。

売上などではなく、投資の資産として見ることが大事です。

利益の約半分は「持株会社投資」となっています。

国際会計基準だと、投資先の株価が上がったり下がったりすると、そのまま利益あるいは損失として計上されます。

つまり、株価のアップダウンや投資先の会社の評価額によって利益が増減することとなります。

2021年3月期に4.9兆円の利益を出したかと思えば翌年に1.7兆円の損失となっていて、ソフトバンクグループに関してはこの部分を見てもあまり意味がありません。

株価低迷にも納得

では何を見ればいいかというと、「NAV(時価純資産)」です。

投資会社なので、投資家のポートフォリオと同じで、持っている株式の価格がどれほどになっているかを見ることが効果的といえます。

ソフトバンクグループの現在のNAVが13.9兆円で、その13.9兆円の株式のセットが「ソフトバンクグループ」の株として売られていて、その時価総額が7.2兆円ということです。

時価総額/NAV倍率が0.5倍と、かなり割安に見えますが、そう単純ではありません。

ソフトバンクグループは社債の発行が多いです。

借金や高利回りの優先株式で資金を調達していて、その利息や配当を支払うためにキャッシュフローを入れていかなければならないのですが、ソフトバンクグループは投資会社なので、株式を売らなければキャッシュを得ることができません。

株価が上がっている時であれば上がっているところから売って必要なお金を確保すればよいのですが、今は株価は下落局面であり、利息が払えない、株を売ると損失が出てしまうというジレンマに陥っています。

これを補うために社債を発行しているのです。

個人向け劣後債も出しています。

こうしてまた借金が膨らみ、利息の支払いも増えています。

いわゆるレバレッジ投資のような状態になっていて、そのリスクが勘案されての時価総額/NAV倍率0.5倍という現状となっています。

ソフトバンクグループへの判定

未上場株ハイテク株に投資している時点でかなりリスクが高く、もちろんその分大きく伸びる可能性もありますが、かなり不安定であることは間違いありません。

これだけハイリスクの投資をやっていると、株価が下がってしまうのも納得です。

もちろん孫正義社長の実績は素晴らしく、孫社長の投資先にソフトバンクグループというハコを通じて投資できることは魅力的だという見方もあります。

一方で、保有株式の時価、売るタイミングなどが常に気がかりとなり、しかもこれは金融環境に大きく依存していて自分で何とかできるものではありません。

今の金融環境の低迷がいつまで続くか分からないですし、これが続けば続くほど借金も返すために将来上がるかもしれない株を売らなければならなくなってきます。

例えばアリババは、株価が上がってきたところで中国政府にいじめられて株価が下がり、それがまた上がる可能性もありますが、それ以上にお金が無くて、売って利益を確定させなければならない状況となっています。

私の判断では、今ソフトバンクグループには投資しないという結論になります。

株価の推移は、コロナショックの時に10,000円くらいまで上がりましたが、今では5,000円ほどとなっています。

NAVで見ると割安だと思えるかもしれませんが、リスクを考えると相応な価格と言えるでしょう。

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執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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