今、日経平均株価が上昇していて、この機会に株式投資を始めてみようと思っている方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなみなさんに、株価の基礎中の基礎について説明したいと思います。
投資経験のある方にとっては今さらかもしれませんが、意外と意識していない部分かもしれませんのでぜひ最後までお読みください。
株価の原則と投資家の「型」
そもそも、なぜ人は株を買うのでしょうか。
株式が何なのかということを考えると、株を持っていることで配当を受け取れるからということが最も根本的な株価の原則ということになります。
最初に株式会社ができた時は、航海に行ってその先で例えば銀が取れるかもしれないから、もし取れたらその銀を航海のお金を出した人に分配しよう、という仕組みが始まりです。
将来的な分配金がもらえることを意識してお金を出すということになります。
昔は一回きりの航海で成功するか失敗するかに左右されていましたが、今の会社はその後もずっと会社が続いていく前提のもとで、いくら出して配当の権利を得るかということをずっと将来のことを考えなければならないということになります。
ファンダメンタルズ型
ではどうやって将来の配当金を想定するかというと、その一つは企業が出す利益です。
配当は企業の利益の中から出るので、将来配当が継続的にもらえるのか、増えていくのか減っていくのか、それを踏まえてその配当をもらう権利を今いくらで買うのか、ということです。
会社の事業が上手くいくかどうかを読むのがいわゆる『ファンダメンタルズ分析』です。
企業のビジネスや財務などを分析することで将来の予想の制度を上げようとするわけです。
しかし、どこまで分析しても将来のことには変わりないので、誰も正解は分かりません。
『唯一の正解』というものは存在しないということを覚えておいてください。
ではなぜ将来配当を受け取る権利である株価が動くのかというと、その企業が将来もっと利益を増やすと楽観的に考えている人は株を買いたいと思い、逆にその企業が今後厳しいと思っている人や現金を確保したい人などは株を売りたい、その「買いたい」と「売りたい」が合わさってその瞬間の『株価』が決まることになります。
買いたい人にも売りたい人にもそれぞれの思惑があって、偶然的に株価は決まっていくので、その瞬間的には”正しい株価”というものはありません。
重要なことは将来の利益であったり配当が増えるかどうかということをより正確に予想することです。
トレーダー型
ところが、これとは別に、もう少しうまく儲けられるのではないかと考える人たちが出てきます。
企業の株を買いたい人がいればもう少し株価が高くなったとしても買うのではないか、その企業が将来どうなるかは関係なく今高く売れればよいのではないか、と考える人たちです。
彼らにとって重要なことは企業の将来ではなく、今買う人がいるかどうかということになります。
買いたい人が出てくるような株を先回りして買えればよいのです。
彼らが考えることは、企業の将来ではなく、その企業に対して他の投資家がどう考えているかということになるわけです。
過去に経済学者のケインズが「株式投資は美人投票である」と言いました。
1位の美人に投票した人が勝ちというルールの美人投票では、本当の美人かどうかは関係なく、他の投票者がどう動くかを見ながら動くということです。
この美人投票のように他の人の動きを読んで利益を得ようとするのがいわゆるトレーダー的な考え方です。
ハイブリッド型
企業の業績や配当を予想する人と、投資家心理を読もうとする人の間にもう一つパターンがあって、そのパターンの人が最も多いのではないかと思います。
企業の業績に影響する外部環境(円安など)を材料にして人々の心理がどう動くかを予想し、最終的に企業の利益や配当がどう動くかを考える、企業と投資家心理の両方を見る人たちです。
株式投資を真剣にやればやるほど企業の利益や配当を見る投資家が増えてきますが、その中で、例えば企業の決算を受けて周りの投資家がどう動くかを機敏に読みながらトレードするようになります。
【バブルの仕組み】
もっと高い価格でもまだ買う人がいるからまだ買っていい、ということが積み重なってどんどん株価が上がっていくことが俗にいう『バブル』です。
人々を「買いたい」という気持ちにさせる材料がある銘柄はバブル的に上がっていきやすいです。
しかし、いくらなんでもいきすぎだろうというところまで上がると買う人がいなくなり、買い手がいなくなった瞬間に株価が急落するのがバブルの崩壊です。
周りの投資家を見ながら動く美人投票の仕組みに材料がプラスされてそれが燃料となって上がっていくことがバブルの形成に大きな役割を果たすことになります。
なぜ買うのか。それによって行動が変わる
投資家には、【ファンダメンタルズを見る】・【トレーダー的に動く】・その中間の【業績等の材料を見て他の投資家がどう動くか考える】という3つのパターンがありますが、ここで最も大事なことは、あなた自身がどの投資をやっているのかを考えることです。
多くの投資初心者は「なんとなく良い」という理由で株を買ってしまいがちです。
その「なんとなく良い」が、企業の業績が伸びていきそうという意味の「良い」なのか、他の人も良いと思うだろうから「良い」なのか、どちらを見て判断しているかを考えなければなりません。
業績が良くなるだろうと思って買ったのであれば、その企業の業績が本当に良くなるかを見続ける必要があります。
そして本当に良くなるようであれば、業績の向上に従って株価も上がっていくことでしょう。
短い期間ではその企業に対する他の投資家の見方が変わることで株価が上下することになりますが、企業が変わっていないのであればそのアップダウンに一喜一憂する必要はありません。
一方で、もっと買う人がいると思って株を買って、実際はそれほど人気が無く買う人がいなかったということになれば、仮に損が出ていたとしてもその株は手仕舞いにするべきだと考えます。
短期のトレードは順張りの考え方で、今この瞬間にもっと高い価格で買う人がいるものを買うことがベストです。
業績に影響する材料と投資家心理の両方を見るハイブリッド型なら、その材料が業績に与える影響が大きいと思えれば実際に業績が出るのを待ったり、他の人が気づいてもっと高い価格で買ってくれるのを待つ、という動きが必要になります。
買おうと思ったその時に…
買おうとしている株があるのなら、その株をどんな気持ちで、どんな見方で買おうとしているのか、もう一度よく考えてみてください。
「彼を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。
今回の話はこの”己を知る”の部分にかかってきます。
己を知らなければ彼(企業)の良し悪しは論じられないわけです。
業績が良くなるだろうと思って買っているのか、他の人が「良い」と思うだろうということで買っているのか、それによって評価のポイントが変わってきます。
ぜひこの考え方を肝に銘じて株式投資に取り組んでいただきたいです。
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