2024年 NISA改正 おすすめ投資信託(インデックス/アクティブ)とおすすめしない投資信託を解説

23年6月21日投資信託協会が24年1月から始まるNISAの「成長枠で購入できる投資信託を発表しました。

今回発表されたのは約1,000本。その1,000本の中から、おすすめの投資信託6つと、おすすめしない投資信託の特徴を解説していきます。

来年の新NISA活用に向けて、しっかりと準備していきましょう。

成長枠と積立枠の違い

発表された投資信託の内訳は、公募投信941本ETF+REIT91本であり、合計1,032本のファンドが来年の新NISAで購入できることが決定しました。

注意したいことは、今回発表したものはあくまで、成長枠であるということです。積立枠は現在のつみたてNISAと同じ商品が対象となります。(約230本)

ではそもそも、成長枠と積立枠にはどのような違いがあるのでしょうか?一度、確認しましょう。

成長枠とは何か?

成長投資枠とは、「上場株式・投資信託への投資ができる枠」のことです。これまでの一般NISAの役割を引き継ぐ枠となります。年間の投資枠は240万円です。また、NISAの投資枠、1,800万円のうち成長投資枠では1,200万円まで投資することができます。

投資信託や株に投資できるため、積立枠より投資できる商品が多くなっています。

積立枠とは何か?

つみたて投資枠とは、「一定の投資信託を対象とする長期・積立・分散投資の枠」のことです。現行のつみたてNISAを引き継ぎます。年間の投資可能枠は120万円までという制限があります。

まとめると、「株式と一定の投資信託等に投資できる成長枠」と「投資信託を毎月一定額購入できる積立枠」という違いがあります。

選ばれた投資信託の特徴

では、今回選ばれた投資信託はどうやって選定されたのでしょうか?

成長枠に選ばれるにはいくつかの条件があります。

その中で以下の3つに該当するものは除外されました。

 

信託期間20年未満の投資信託等

→信託期間とは、投資信託の運用がスタートする「設定日」から、運用が終了する「償還日」までの期間を指します。今回選定されたものは、信託期間が20年以上か、無期限であるものが対象となりました。

高レバレッジ型の投資信託等

→デリバティブ(金融派生商品)を組み入れる場合、為替変動リスクを抑えるといったヘッジ目的での利用に限られています。個人投資家に人気の「レバレッジNASDAQ」などは、税制優遇で長期の資産形成を促すNISAにそぐわない、という理由で除外されました。

毎月分配型の投資信託等

→毎月分配型は運用が不調でも元本を取り崩して分配金にあてる投信があり、運用効率の低さを指摘する声があります。選ばれた商品の中でも、毎月分配が主力の商品は選ばれず、年2回配当金を出すタイプが選ばれています。(アセットマネジメントOneが運用する「新光J-REITオープン」など)

 

また、選定プロセスは、成長枠投資の条件に合う投資信託を、運用会社から募り、投資信託協会が発表しました。最終的には、合計で2,000本前後になる見通しです。

日本には、2022年12月末時点で、5,800本以上の投信が存在しています。その中の2,000本ですから、選ばれた投資信託と言って良いでしょう。しかし、それでも数が多すぎます。

ここからは、インデックスファンドとアクティブファンドのそれぞれで優れた投資信託を解説します。また、後半は選ぶべきではない投資信託も解説します。

おすすめ投資信託(インデックス)

まずインデックスファンドです。

私が成長枠でインデックスファンドを購入する場合、まずはつみたて枠の対象になっているか、を確認します。なぜならば、積立枠で選ばれているものは低コストであるためです。

具体的には、国内株投信の場合信託報酬0.5%以下、販売手数料なしなどの条件があります。

 

また、インデックスファンドは組入銘柄に大きな差はありませんから、純資産に注目するべきだと思います。

一般的に純資産が100億円以上あれば、投資信託が償還されてしまうリスクが低いとされています。つまり、できるだけ純資産が大きい、規模が大きいインデックス投信を購入するべきだと考えています。

アセットマネジメントOneが運用する、たわらノーロードシリーズや三菱UFJ国際投信が運用する、eMAXISシリーズ、などを買えば間違いないと思います。

成長枠で買うべきインデックスファンドを投資対象別に比較していきます。

日経平均

たわら ノーロード 日経225eMAXIS Slim

 (日経平均)

ニッセイ日経平均インデックスファンドifree

日経225

信託報酬0.1430.1430.1430.154
純資産968億円324億円529億円486億円

出典:SBI証券より作成 23年6月23日時点

日経平均の投信には信託報酬で大きな差はありません。

大手運用会社の中で、23年6月23日時点の純資産が最も大きい投資信託は、たわら ノーロード 日経225です。その他投資信託も、規模が小さいわけではありませんが、安心して購入したいのであればたわら ノーロード 日経225はおすすめです

 

続いて、S&P500全世界株式についても比較してみましょう。

S&P500

たわら 

ノーロード 

S&P500

eMAXIS Slim

 (S&P500

SBI・V・S&P500ifree

S&P500

インデックス

信託報酬0.093%0.093%0.093%0.22%
純資産3億円 ※2兆2869億円9,813億円1,094億円

出典:SBI証券より作成 23年6月23日時点

※23年3月に設立したため純資産が小さい

全世界株式

たわら 

ノーロード

全世界株式

(内外) 

eMAXIS Slim

全世界株式

 オール

カントリー

eMAXIS Slim

全世界株式

 (除く日本)

SBI

全世界株式

インデックス

信託報酬0.11%0.11%0.11%0.11%
純資産1,193億円1兆2,126億円2752億円1,207億円

出典:SBI証券より作成 23年6月23日時点

S&P500、全世界株式のどちらにおいてもeMAXIS Slimシリーズの純資産の大きさが目立ちます。手数料も他商品と大きな差はないため、eMAXIS Slimシリーズを買っておけば大きな間違いはないと思います。

ただし、eMAXIS Slimシリーズの全世界株式には日本を含んでいるものと、除いているものがあります。手数料は変わりませんが、規模が大きい投資信託は、日本を含んでいるオールカントリーの方ですから、ご注意ください。

 

おすすめ投資信託(アクティブ)

ここからは、アクティブファンドの解説を行います。

アクティブファンドを選ぶ上で大切なことは、「投資方針や銘柄選定の考え方などの投資哲学に共感できるか否か」です。今回は、銘柄選定の理由に共感でき、証券会社や格付け機関から一定の評価を得ているものを解説します。

国内大型株、国内中小型株、国内配当株の3種類のファンドを解説します。

 

国内大型株 One 国内株オープン

国内大型株分野でおすすめのファンドはアセットマネジメントOneが運用するOne 国内株オープンです。

このファンドは、R&Iファンド大賞2023の日本株コア部門において2年連続最優秀賞を獲得したファンドです。

相場の状況によって大型株と中小型株の比率を変えることが特徴です。

当ファンドの目標は「どのタイミングで購入しても、半年以上保有していればTOPIXを上回るファンドを目指す」こと。実際、設定来でTOPIXを上回るパフォーマンスを出しています。

出典:ONE 国内株オープン マンスリーレポート

目先、PBR一倍割れの大型株の好調がパフォーマンスを後押ししています。1年間の騰落率は+ 31.59%であり、TOPIXの騰落率23.96%を上回っています。直近3年で見ればTOPIXを20%近く上回っています。

今後は「中小型株の中で、今後株価が上がりそうな銘柄」、「PBR1倍割れで株主還元が期待できる銘柄」を探していく、としています。

運用スタイルを、市場に合わせて変更できること、実際にパフォーマンスが優れていることが、当ファンドの特徴だと感じます。

信託報酬は1.76%、信託財産留保額0.3%、純資産269億円です。

ここまで紹介したインデックスファンドに比べれば規模は小さいですが、だからこそ柔軟な銘柄選定ができるのだろうと考えます。

 

国内中小型株 One 企業価値成長小型株ファンド

国内中小型株でおすすめのファンドは、アセットマネジメントOneが運用するOne-企業価値成長小型株ファンドです。こちらもR&Iファンド大賞2019〜2020の国内中小型株式部門において2年連続最優秀賞を獲得したファンドです。

特徴は、利益成長を基準とした銘柄選定を行い、将来のROEを重視したファンドであることです。

中小型株投資の魅力はやはり、大きなリターンでしょう。実際に2010年から2020年までの間で株価が2倍以上になった銘柄は小型株が最も多いのです。

出典:アセットマネジメントONE 

過去のトータルリターンは概ね市場平均を上回っていますが、下回る時は市場平均を大きく下回っています。つまり変動が大きいハイリスクハイリターンファンド、と捉えても良いでしょう。

信託報酬は1.59%、信託財産留保額は0.3%、純資産493億円です。

ROEを重視した銘柄選定を行っているファンドは決して多くはありません。合理的な調査を行う、という投資方針に共感できる方におすすめです。

 

高配当株 三井住友・配当フォーカスオープン

最後に紹介するのは、三井住友DSアセットマネジメントが運用する三井住友・配当フォーカスオープンです。

「配当などの株主還元に積極的な企業は、収益の将来性財務健全性を備えた企業である」、という考えのもと企業を選定しているファンドです。中長期的な株価の上昇と配当収入によってファンドの成長を目指しています。

TOPIXの平均配当利回りは2.5%であるのに対し、ファンドの平均利回りは3.9%です。23年5月の構成銘柄を見ると銀行・保険株や、携帯の情報通信株などの高配当銘柄を中心としたポートフォリオになっています。またトータルリターンは半年・1年・3年・5年のいずれも市場平均を上回っています。

信託報酬は0.92%、信託財産留保額は0、純資産63億円です。

規模はやや小さいファンドですが、アクティブファンドの中では信託報酬などの手数料が安いことは魅力と言って良いでしょう。

高配当企業は安定しじっくり成長する、という考えに共感できる方におすすめです。

ただし、当ファンドの実績分配金利回りは2.27%です。

あくまで高配当銘柄に投資しているファンドであり、あなたが分配金をたくさんもらえるわけではない、ということに注意してください。

選ぶべきではないファンド

ここまで、おすすめのファンドを解説しました。

ここからは、選ぶべきではないファンドの特徴を2つ解説します。

 

エセ アクティブファンド  

エセアクティブファンドとは、アクティブファンドでも、組入銘柄はインデックスファンドと変わらないものです。

特に日本株への投資で、中身はトピックスの構成と変わらないファンドがあります。そもそも、TOPIXを上回ることを目標としているのに、構成銘柄が同じ、ということもあります。

それでいて信託報酬1.5%〜と設定されるのです。アクティブファンドに投資する際は、TOPIXの上位10銘柄などと比較して、エセアクティブファンドではないか確認する必要があるでしょう。

参考:23年6月26日時点のTOPIX上位10銘柄

出典:日経新聞

テーマ型

テーマ型投資信託を選ぶべきではない理由は、短命で終わる可能性があるからです。例えば、過去2〜3年前で最も儲かるテーマは「海運株ファンド」でしたが、現在は「商社株ファンド」などでしょう。

従って、短期的に利益を出す目的であれば良いかもしれませんが、NISAを利用した長期保有はおすすめできないと思います。

そもそも、アクティブファンドの魅力は市場に数多く存在する企業の中から、今後の利益や企業価値が市場平均を上回る成長をするものを見つけることです。

しかし、テーマ型は、銘柄の選択肢が少ない状態から銘柄選定を行っています。つまり、少ない銘柄数の中から平均を上回るものを探そうとするため、失敗する可能性が高いと考えられるのです。

インデックスは王道を、アクティブは投資哲学で選ぶ

いかがでしたでしょうか?ここまでおすすめファンドと選ぶべきではないファンドを解説してきました。

まとめると、

成長枠で投資信託を選ぶ場合は、インデックスファンドの場合は、積立枠でも購入できる、純資産が大きいファンドを選ぶべきでしょう。

アクティブファンドを購入する場合は、投資哲学・投資方針に共感できるか否かを確認しましょう。また、構成銘柄を確認し、インデックスファンドと同じようなポートフォリオになっていないかをチェックすべきです。

そして、テーマ型は避けましょう

ぜひ、あなたも自分の投資方針に合った投資信託を見つけてみてください!

ここまでお読みいただきありがとうございました。今回はページの都合上、新興国の投資信託について解説はできませんでした。

新興国への投資については、こちらで詳しく解説していますので、ぜひご覧になってください。

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執筆者

執筆者:佐々木 悠

佐々木 悠(ささき はるか)

つばめ投資顧問 アナリスト 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
東北学院高校、東京理科大学経営学部卒業。
協同組織金融機関へ入社後、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。
銀行勤務時は投資信託を用いた資産形成提案や多重債務者への債務整理業務に従事。
2022年につばめ投資顧問へ入社。

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