【新NISA】私はこう使う!おすすめ口座・商品、iDeCoとの違いも解説

2024年に新しいNISAがスタートします。
それについて色々な解説が出回っていますが、分かりにくいものも多いです。
選択肢が多いことも確かなのですが、簡潔に私がおすすめする使い方をご紹介します。

ぜひ最後までお読みください。

そもそもNISAとは?

NISAは投資において税金がかからない制度です。
通常、投資から得られた利益には所得税がかかりますが、NISAを利用するとその税金が免除されます。
配当所得やキャピタルゲインに対する税金もかからないため、投資の収益を最大限に得ることができます。

もちろん無制限というわけではなく、上限などはありますが、基本的には投資に税金がかからなくなる制度だと認識してください。

今すぐ開設を!

新しいNISAが始まるのは来年ですが、口座の開設はぜひ今すぐ行ってください。
口座の開設には数日かかるもので、例えばコロナショックで株価が大きく下がった時には買いのチャンスということで証券口座を解説しようと人が殺到し、開設までにかなりの日数がかかってしまいました。
口座が無かったばっかりにチャンスを逃した人も多かったのではないかと思います。
したがって、口座は今すぐ開設しましょう。
口座開設には手数料もかからないので、開設して損はありません。

どの証券会社が良い?

私自身、いくつかの証券会社を試しましたが、結論的に間違いない証券会社はSBI証券です。

SBI証券の魅力は、手数料が非常に低いことです。
最近では国内株式の売買手数料が2023年9月30日から完全に無料化されました。
一部条件があるかもしれませんが、それらの条件をクリアすれば完全に無料で取引できます。
この無料手数料は単元未満株などにも適用されます。

SBI証券は手数料競争において常に先を行くことが多く、その企業体力も強力です。
利益は手数料だけでなく、金融総合グループとしての他の収益源から得ているため、手数料競争で負けるつもりはないということが見て取れます。

一方で、楽天証券は親会社の財務状況が難しいことがあるため、将来的なポイントの付与やサービスに影響を及ぼす可能性があります。

SBI証券は商品のラインナップも充実しており、単元未満株も国内株であればどこでも取引できる状況ですし、外国株式の取引もほぼ心配なく行えるでしょう。
また、システムの安定性についても高い評価を受けています。

新NISAと旧NISAの違い

現行のNISAと新しいNISAの違いについてです。
ここでは重要なところに論点を絞って解説します。

金額の激増

新NISAでは、年間の投資枠が大幅に増えました。
これまでは年間120万円までの一般NISAと、年間40万円までのつみたてNISAがありましたが、新NISAでは成長枠(旧「一般NISA」)が年間240万円まで、積立枠が120万円までとなります。

成長・積立併用可

また、新NISAでは投資枠の使い方に制約が少なくなりました。
以前は一般枠と積立枠のどちらか一方しか使えませんでしたが、新NISAでは両方の枠を自由に組み合わせて使用できます。
これにより、投資家は自分のやり方に合わせて選択でき、より柔軟な投資が可能になりました。

無期限化

さらに、新NISAは無期限化されました。
以前のNISAは非課税期間が5年間という期限があり、それが終了するとややこしい選択を迫られることとなりました。
しかし、新NISAでは非課税期間が無制限となり、制度をそこまで気にすることなく自由に投資できるようになります。

生涯投資枠

新NISAでは生涯投資枠が1,800万円となっていて、成長枠の年240万円と積立枠の年120万円を最大に使うと5年で生涯投資枠を使い切ってしまうことになります。

しかし、株式を売った分に関してはその枠が復活します。
例えば、100万円で買った株が200万円になって売ったとすると、売却益の100万円を非課税で得られることに加え、元々の購入額の100万円の投資枠が翌年復活することになります。

この、投資枠の復活制度により、新NISAでは損切りがしやすくなりました。
以前のNISAでは買った株が損失を抱えていても、売却した時点で非課税のメリットを受けられなくなるため、持ち続けるしかありませんでした。
しかし、新NISAでは損失を抱えた株を売却しても、もちろん非課税のメリットは受けられませんが、投資枠が復活するため、損切りがしやすくなりました。

旧NISA口座はどうする?

既にNISA口座を持っている場合はどうすれば良いでしょうか。

証券会社を変更するつもりが無ければ、自動的に新NISA口座が開設されるので手続きは必要ありません。

新しい証券会社に変更したい場合は、新しい証券会社で口座開設手続きを行う必要があります。
その際、以前のNISA口座に関して、廃止するか継続するかという選択肢があります。
廃止してしまうと、今年投資した分に関しては5年の非課税期間が残っていてそれを逃してしまうことになるため、基本的には廃止する理由はほとんどないと言えます。
5年間の非課税期間を享受し、その後は通常の株式口座に移すか売却して現金化すればよいということになります。

特に、銀行でNISA口座を開設している場合、取引の選択肢が制限され、手数料も高いことが多いため、証券会社でのNISA口座開設をおすすめします。
証券会社では個別株式の取引が可能で、商品のラインナップも豊富です。
SBI証券のようなネット証券での口座開設がおすすめです。

何を買えば良いか

新しいNISAは制限がほとんどなく、自由に投資できます。
投資は基本的に利益を追求するもので、利益が得られるなら、どの方法でも問題ないということになります。

インデックスファンドに積み立ててもいいですし、高配当株投資、成長株投資、投資信託など、自身の投資目標やリスク許容度に合わせて自由に投資できます。
特に成長株投資は5年という期限があった今までのNISAにはあまり向いていませんでしたが、無期限の新NISAでは気にせずできるようになりました。
期間が長くなればなるほど成長株にはチャンスが増えることになります。

積立枠とiDeCo、優先はどっち?

積立枠とiDeCo(確定拠出年金)ならどちらを優先するべきか迷っている方もいるかと思います。

どちらも金融庁のお墨付きの限られた投資信託しか買えないもので、基本的には老後資金のためのものですが、現在働いているならiDeCoを優先するべきだと私は考えます。
iDeCoもNISAと同じように税制優遇があり、利益に対して直接課税されることはありません。
受け取る時に退職所得として受け取ることになりますが、受け取り方を工夫すれば結果的にほとんど税金はかかりません。

なによりiDeCoは所得控除の仕組みになっています。
投資した分だけ所得から差し引かれて、その所得税分が返ってきます。
NISAは所得控除にはならないので、その点においてiDeCoの方が確実にメリットがあるということになります。

iDeCoのデメリットとしては、60歳以上になるまで引き出せないというものがありますが、働いていて(=所得税を納めていて)老後資金のためということであればiDeCoを優先させるべきです。

インデックスの積立で何を買うべき?

NISAの積立枠やiDeCoで何を買うか選ぶ必要がありますが、私はeMAXISなどの『全世界株式インデックス・ファンド』を買うことをおすすめします。
先進国・新興国も含めた世界中の株式が組み込まれたものになります。
どこかの国がダメでもどこかの国がカバーするので、変動リスクを抑えることができるからです。

アメリカ株に特化するS&P500などもあり、アメリカの成長力は確かに高く、世界平均を上回るかもしれませんが、1970年代のオイルショックの時期などアメリカ株が上がらない時期もありました。
リスクを分散するためにも全世界株式の方を選んだ方が良いと私は考えます。

積立枠と成長枠、配分は?

まず、積立枠だけで上限1800万円を埋めるためには、年間の積立額は最大で120万円なので最低でも15年かかります。
しかし、成長枠の使い方は自由なので、成長枠を積立的に使えば年間360万円を実質積立枠とすることができ、5年で1,800万円の枠を埋めることができます。

自由度が高いので、まずは使いたいように使って、細かいことは上限が近づいてから考えればいいと思います。

重要なことは、自分がやりたい投資が積立的な投資なのか、個別株にスポットで投資するやり方なのかを考えることです。

個別株の戦略は?

新NISAにおいては、どういう手法でもやりやすくなっているので、あなたが何をやりたいかということにかかってきます。

ただ、一つ言えることは1年以内の短期投資には向かないということです。
買って売ってを繰り返していると年間と投資枠をすぐに使い切ってしまうのでNISAのメリットがあまりありません。

高配当株、割安株、成長株、自分がどれをやりたいのかを改めて考えてみるといいでしょう。

私はどうするか

最後に、私のNISAの使い方を紹介します。

・積立枠は「やらない」

確定拠出年金をやっているので、積立枠は私には必要ないということになります。

・成長株投資を楽しむ

成長枠を使って成長株投資を行うことが私のNISAの使い方としては基本になります。
良いものを伸ばし、悪いものは売るということで、年間240万円、トータル1200万円の枠を使っていくつもりです。

・余裕ができたら積立枠を使う

もし資金に余裕ができたら積立枠も使って残りの600万円も埋めるということになります。

NISAやらない理由は無い

投資をするのであればNISAを使わない理由はありません。

選択肢はいろいろありますが、それは枠がいっぱいになってから考えればいいことです。

枠もかなり大きくなっていて、これをすぐに埋める必要もなく、最終的にいっぱいにならなくても構いません。

税金もかからず、今や手数料もかからなくなっているので、まずは口座を開設して、好きなように投資を楽しんでいただければと思います。


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執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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