2024年、株価暴落あるか?プロ投資家の描くシナリオと「必勝法」

2024年の株価や経済はどうなるのか、皆さん気になると思います。

そもそも株価を正確に予測することは無理と言ってもいいほど難しいものです。
今回は、株価の前提となる「シナリオ」について考えてみたいと思います。

2023年はどうだった?

2023年について、多くの人は景気が悪化するシナリオを描いていました。

しかし、それは見事に外れ、思いのほか景気が強かったのです。
景気の悪化に伴った株価の大幅な下落を想定していた人もいたと思いますが、結果的にはダウ平均が高値を更新するような状況となっています。

アメリカの景気が強かったことで、FRBが金利を引き上げ、日本においては円安が進みました。
円安は、日本企業、特に日経平均を構成するような大企業にとっては大きなプラス効果をもたらします。
したがって、日経平均株価は大きく上昇し、世界の中でもかなり大きい上昇率となっています。
一方で、ドルベースで見た時の日経平均は、円安によって円が目減りするため、ダウ平均と同じくらいの推移でした。

 

2023年の景気が良かった最大の要因は、アメリカの個人消費が強かったことです。

経営者はコロナ期に労働者の大量解雇し、コロナが落ち着いたころに彼らを呼び戻そうとしました。
しかし、政府からの補助金などもあり、労働者はすぐに復帰する必要がありませんでした。
労働力を確保するためには賃金を上げる必要があり、労働市場に戻った人たちは高い給料を得て、そのお金が消費にまわりました。
もちろん物価も上がっているので払う金額も増えているのですが、お金があったら使うというアメリカ人の気質が、2023年のアメリカ景気、ひいては世界全体の景気を支えました。

 

では、この流れがいつ止まるかというと、それは明確です。

労働力が充足されてきて、これ以上雇わなくてもよくなった時に、賃金の上昇が止まります。
給料が上がらないとなると、アメリカ人といえども財布の紐を締めはじめ、個人消費が弱まります。

その時こそが景気後退に入る時と見られています。

実際、11月にFRBが金利の引き上げをストップさせました。
その理由としては、個人消費が弱まっていて、インフレ脅威も減り、むしろ景気を冷やしすぎてしまうことを懸念したことが想定されます。

 

ただし、このまま景気後退に陥るかというとそういうわけでもなく、予想とのズレなどから、景気の行く末にもブレが生じます。

確かなこととして言えるのは、労働市場が充足されてきていて、賃金の上昇も止まるという大きな流れの中にいるということです。

 

多くの人はこの可能性を見込んで、2024年前半には景気が減速するはずだと考えています。

しかし、株式市場では、景気が減速するということはFRBは金利の引き下げに転じるのではないかということも想定しています。
金利が引き下がると、成長を見込まれている株のPERが上がり、ハイテク株などの成長株の株価が上がることになります。(金融相場)

 

つまり、一旦景気は悪化するものの、それが金利の引き下げを起こし、結果的には株価を上向きに転換させるのではないか、というのが今の市場の大方のメインシナリオです。

11月、12月の株価の調子が良いのはこのシナリオを織り込んだからかもしれません。

金利引き上げの影響

景気後退といっても、徐々に景気が悪化していくくらいであれば、それは皆が分かっていることなので影響は大きくありません。

しかし、これまでFRBが金利を大きく引き上げるなど大胆な金融政策を行ってきた歪みが出てきている部分もあると思います。

その一つの現象として、アメリカの銀行が相次いで破綻したことがありました。
金利の引き上げによって国債の価格が下落して含み損となり、財務状態が悪いということで取り付け騒ぎが起こって、銀行の経営が破綻してしまいました。

これと同じようなことがあちこちで起こっているのではないかと思われます。
借金をして経営していた企業が、借り換えの際に金利が上がってしまって、経営が立ち行かなくなり、倒産してしまうというようなことが起こってくるのではないかと想定されます。

中小企業の倒産であればそこまでショックはないかもしれませんが、大企業が倒産してしまうということになれば市場のショックは大きく、あの企業も危ないのではないかという不安が広がる可能性があります。

 

金利引き上げの影響を大きく受けるとされているのが不動産です。

リモートワークが進み、ニューヨークのオフィスビルも空きが多いギリギリの経営状況で、借り換えで金利が上がるとなると、倒産する不動産業者も出てくる可能性があります。
借り換えの時期は2025年と言われていますが、もっと早く兆候が出てくるかもしれません。

不動産業者が倒産するようなことになると、今度はそこにお金を貸していた銀行などが苦しくなってしまいます。
金融は世界でつながっているので、アメリカの銀行が苦しくなると、世界的に不安が広がることが懸念されます。

 

景気の後退局面であるということは予想されていますが、それがどのような形で訪れるかは分かりません。
センセーショナルな出来事がどこかで起きるものであると私は考えています。

日本への影響

日本への影響を考えると、円高リスクがあるのではないかと思います。

2023年はドル高円安が進み、日本に注目が集まりましたが、当然逆の動きも起こり得ることで、FRBが金利を引き下げて円高になると、日経平均を構成するような企業にとってはネガティブに作用し、日経平均の下落の要因になることが考えられます。

米ドル建てで見た時には、円高になると日経平均は上がっていくので、米ドルで見た時には横一線であるものの日本円で見たら下がっているという状況も想定されます。

 

今の円安は行き過ぎ感があり、どこかで調整が入ることはやむを得ないと思いますが、一方で、日本企業の成長戦略として、海外へ進出しているということが重要であり、円高がマイナスに働くということは海外進出ができているということです。
円高になった時に一時的にそういった素晴らしい企業の株価が下がったとしたら、そのタイミングで安く仕入れたいと思っています。

長期投資家へのアドバイス

今後のメインシナリオについて説明しましたが、これが必ず当たる保証は全くありません。
多くの人がそう考えているという話に過ぎません。

多くの人が考えていること以外のことが起こると、市場は大きく動くことになります。
少し予想と違うことが起こると、リスクに敏感で目先の損失を嫌う人たちはすぐに資金を引き上げようとします。
その結果、良い企業であっても株価が一気に下がることがあります。

私たちにとってはそこが狙い目となります。

もちろん、ショックの影響を完全に読みきることはできませんが、関係ないように見える企業の株価が下がるようであれば、チャンス以外の何物でもありません。

コロナショックの時に在宅勤務やステイホームが叫ばれる中、ITやクラウド事業を行っているMicrosoftに悪影響があるはずは無いのに株価は3割ほど下がりました。

私たちとしては、下がった時に買うべき良い企業を虎視眈々と目を付けておくことが賢いやり方だと思います。

ただし、目を付けておくだけでは不十分です。
なぜなら、ショックが起こって株価が下がることもありますが、下がらないこともあるからです。
買わずに見ているだけでは、株価が下がらないパターンの時に、その後の上昇を逃すことになってしまいます。

良い企業があったらとりあえず買って、その後上がるか下がるかは分かりませんが、投資することによってより深くその企業を知り、そして、多くの人の予想に反することが起きて株価が大きく下がった時に準備していた資金を投じ、あとは上がるのを待つ、というのが私のおすすめするやり方です。

チャンスへの備え

【お金の準備】
生活費以外の、投資して放っておけるお金を準備しておきましょう。

【頭の準備】
株価が下がったら買いたい企業を複数見つけておきましょう。

【心の準備】
ショックが起きて株価が下がった時にも、まわりのパニックに流されない気持ちを持っておくことが大事です。

買ってからさらに株価が下がるということも当然あります。
しかし、ずっと下がり続けるということはなく、どこかで下げ止まります。
慎重に投資しながらもどこかで大胆に動く、というやり方が、確度の高い投資法だと考えています。

慎重になりすぎるのも良くなくて、まだ下がると思っていたらそこまで下がらず一気に上がってしまうこともあります。
大きな下落は大きな上昇を引き起こすエンジンにもなるもので、待ちすぎるとその大きな上昇を逃してしまいます。
「頭と尻尾はくれてやる」という気持ちで、下がったらコツコツ買っていくと良いでしょう。

 

逆に、今のように株価が浮かれている時は注意が必要です。
株価の調子が良いと楽観的なシナリオを描きやすいのです。

しかし、私たちはそこで冷静になってセーブをかけることも大事な動きとなります。


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執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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2 件のコメント

  • 間もなく80歳、家内は・・・ハイマーの典型的近未来型高齢夫婦です。生きていくには資力が必要です。半導体関連産業の再隆盛に期待を膨らませています。現役時代の仕事が近かったので、不動産や金融に関係する業界などに比べるとはるかに身近に感じられます。幸運です。

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