トイザラスの本当の破たん要因

米トイザラスが破産を申請しました。その原因は、Amazonをはじめとするネットショップが実店舗の需要を奪ったためと言われています。

確かに、トイザラスの売上高は減少していました。2012年に135億ドルあった売上は、2016年には115億ドルになりました。この間景気は回復していることから、ネットショップの台頭という構造的な要因があったことは否めません。

【出典】Annual Report ($ million)

しかし、改めて業績を確認すると、営業利益は2014年に1.9億ドル、2015年に3.7億ドル、2016年に4.6億ドルと順調に回復しています。売上高が減る中で、コスト削減は進んでいました。ビジネスそのものはまだやれる状況だったのです。

それでも、2016年の最終利益は2900万ドルの赤字です。4.6億ドルの営業利益はどこへ行ってしまったのかと言うと、ほぼ同額の利払費によって消えてしまっています

借金が多すぎ、財務状況が悪いせいで借入金利も10%近くにまでのぼっていました。

【出典】Annual Report ($ million)

ここまで財務状況が悪化した要因は、過去の無謀な投資にあります。店舗数を拡大するために、土地や店舗を担保にして借金を膨らませました。

当時の見通しが甘かったと言えばそれまでですが、財務状況の健全性をすっかり忘れてしまったことも大きな要因でしょう。

財務状況が悪い企業は、ビジネス自体は何とかやっていけても、ちょっとした環境の変化により途端に生き残っていけなくなる可能性が高まります。逆に言えば、財務状況が良い企業ならそれがバッファとなり、再び復活する可能性があるのです。

トイザラスにしても、しっかりとした財務バッファがあればネットへの対抗策を講じることができたかもしれません。子どもがおもちゃを買うのに、実店舗はやはり必要でしょう。

損益計算書ばかりに目が行きがちですが、「よりリスクの小さい」企業を見つけるためには、財務状況のチェックが欠かせません

※本記事は会員向けレポートの一部を抜粋したものです。

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執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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