私の2018年日経平均予想は15,000円

2018年の日経平均株価は大発会から741円高となり、26年ぶりの高値を記録しました。ダウ平均も連日最高値を更新しています。昨年終盤からの好調な経済環境や相場の流れは途切れることなく続いているようです。

バリュー株投資は「反予想主義」。あえて予想するなら・・・

年初には、新聞・雑誌各社がこぞって今年1年の株価予想を行います。大半の「専門家」は年末にかけての上昇を予測し、「日経平均3万円」を掲げる人も珍しくありません。

そんな中で、私があえて予想株価を提示するなら、年末に日経平均15,000円とさせていただきます。

そんな馬鹿な、と思う方も少なくないと思います。どの新聞を見ても、下落を予想している人はほとんどいないでしょう。あえて言うなら、反資本主義を掲げる人か、極端な悲観論者でしょうか。

もちろん、私はそのどちらでもありません。資本主義は完璧とは言わないまでも成功したシステムだと考えていますし、いつも悪いことが起きると考えているような悲観主義でもありません。後者に関しては、むしろ楽観主義だと思っています。

あえて言うなら「反予想主義」とでも言いましょうか。短・中期的な株価の動きは予想できるものではありません。もしできるとするなら、一瞬で世界一の大金持ちになれるでしょう。しかし、それができた人は世界上で誰一人現れていません。

予想ができない中で、大切な資産を守るためには慎重な投資が不可欠です。上昇気流はいつ下降気流に変わるか分かりません。単に流れに乗るだけの投資では、逆流し始めたときにどう対応したら良いか分からず、相場の転換時に再起不能なほど大きな損失を出してしまう人があまりに多いのです。

バリュー株投資は、流れに乗る投資ではなく、どんな流れの中でも確実な前進を目指す「岩」のような手法です。どっしりと構えていれば、たとえ急に流れが変わったとしても慌てふためくことはありません。

私が日経平均予想を15,000円としているのは、仮にそれだけ相場環境が悪化したとしても、何も困らない投資を心がけるためです。

企業の本質的な価値よりも割安な銘柄に投資すれば、相場環境が悪化しても大きく下がることはありません。むしろ、相場環境の悪化により割安な銘柄が増加するため、そのような時は仕込み時と言えます。

逆に上昇局面でも心配することはありません。空売りは行わないため、値上がりで損をするわけではありませんし、持ち株が本来の価値を実現する可能性は高まります。一時的には短期売買で流れに乗る投資に後れを取るかも知れませんが、長期的に考えれば損をしないことが何より大切なのです。

目に見えるリスクは金融緩和縮小と中国バブル崩壊

損をしないためには、何がリスクなのかをよく認識しておく必要があります。分からないからこそリスクなわけですが、分かっているリスクを認識しなければ、何が分からないのかも分かりません。

マーケット全体で言えば、見えているリスクは金融緩和の縮小中国バブルの崩壊です。どちらも口を酸っぱくして言い続けていますが、それだけ確度が高いと考えるからです。

現在の株高は、リーマン・ショック後の各国における金融緩和による「カネ余り」が影響していることは間違いありません。また、中国も2015年のチャイナ・ショックを緩和するために、政府主導で巨額投資に舵を切りました。これらの反動はいつか必ず現れます

難しいのは、それが「いつ」になるか、誰も予測できないということです。バリュー株投資家にできることは、無理なことをやろうとするのはなく、いつ来ても対応できるように普段から心構えをしておくことでしょう。 

執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

詳細はこちら
サイト訪問者限定プレゼント
あなたの資産形成を加速させる3種の神器を無料プレゼント

プレゼント①『株式市場の敗者になる前に読む本』
プレゼント②『企業分析による長期投資マスター講座』第一章
プレゼント③『YouTubeプレゼン資料』

メールアドレスを送信して、特典をお受取りください。
メールアドレス *
※送信したメールアドレスに当社からのお知らせやお得な情報をお送りする場合があります。

※個人情報の取り扱いは本>プライバシーポリシー(個人情報保護方針)に基づいて行われます。
※送信したメールアドレスに当社からのお知らせやお得な情報をお送りする場合があります。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。

気に入ったらシェアしてもらえると嬉しいです!

4 件のコメント

  • これは、参考になりました。個人的な問題は、参考にして行動に結びつけるにはもう一歩の力が必要ですが、今の私にその実践力がありません。勇気と本機を磨きその実践力を試したい。

    • 加賀山様
      コメントありがとうございます。当社で少しでもお力になれれば幸いです。他にも投資に役立つ記事を投稿しておりますのでぜひご覧下さい。今後ともよろしくお願い申し上げます。

  • 個人的には当たればいいと思います。
    申し訳ないですが、森卓さんみたいにはなっていただきたくはない。

  • コメントを残す

    Popular Article - よく読まれている記事Popular Article

    • 【日産自動車】株価下落で配当利回り6.4%は買える?
      今回は日産自動車についてです。 日産の株価は直近で大きく下げています。 ここまで下がった背景と、日産の今後について考えてみたいと思います。...
    • 3年で80%下落!エムスリーのしくじりはどこに?
      エムスリーの株価は2018年は2,000円程度でしたが、2020年に大きく上がり、2021年初頭には10,000円を突破しました。 しかし、...
    • 【メルカリ】株価はピークの半額以下。業績好調でも下落するのはなぜか?
      メルカリの株価が冴えません。
    • 【日本郵船・商船三井・川崎汽船】利回り5%以上も!海運株は買い?
      今回は、日本郵船、商船三井、川崎海運といった海運株を取り上げます。 海運株はコロナ禍に株価が上がり、一時的なブームで終わるかと思われましたが...
    • オリエンタルランド(東京ディズニーリゾート)の株価が下落している3つの理由
      2024年に入りオリエンタルランドの株価が大きく下落しています。 出典:株探 今回はオリエンタルランドの現状を詳しく分析し、投資リスクを考え...

    Article List - 記事一覧Article List

    カテゴリから記事を探す