今回は現金を持つことの重要性についてお話しします。資産運用において現金を多く持っていることは、「お金を眠らせている」意味で投資効率を下げるとされています。しかし、私はそうは思いません。その理由は大きく3つあります。
- 株価下落時の待機資金
- 短期的な相場下落リスク軽減
- いざというときの備え
チャンスを逃さない!「株価下落時の待機資金」
バリュー株投資の基本的な考え方は、株価が大きく値下がりしたときに集中的に投資することです。しかし、投資資金をすべて運用資金に投入していたら、いざというときに投資できるだけのお金がなく、みすみすチャンスを逃してしまいます。
一部を売却して購入資金に充てるという考え方もあるかもしれません。しかし、バリュー株投資では、そもそも本質的な価値を下回る銘柄にのみ厳選して投資を行います。そのため、原則として「売却して良い」銘柄は保有していないのです。
慌てて折角購入した割安銘柄を手放してしまったら、その銘柄が上昇したときの「果実」を逃してしまうかもしれないのです。こんなことを繰り返していては、なかなかパフォーマンスは上がらないでしょう。
そう考えると、いざという時に出動できる一定の現金をあらかじめ確保することが望ましいいでしょう。例えば、運用に充てられる資金のうち「30%現金として保有する」というマイ・ルールを定めても良いでしょう。
また、現段階で十分な資金を用意できていないのなら、毎月の収入から一定額を現金で積み立てておいて、貯まった資金をチャンスに備えた「プール金」として準備しておくのも有効な手立てになるでしょう。
分散投資より効果的「短期的な相場下落リスク軽減」
バリュー株投資のもう一つの重要な点は「出来る限りリスクを減らすこと」です。もちろん、株価が本質的な価値を下回る割安な銘柄に投資をしていれば、長期的なリスクを軽減できます。しかし、どんな銘柄も相場全体の大きな下落には逆らうことはできません。
保有資産を全て株式で持っていたとしたら、相場が大きく値下がりしたときには資産全体が大きく目減りしてしまいます。景気後退時には、マネーそのものの収縮から不動産や外貨も下落してしまう可能性が高く、分散はあまり意味を持ちません。
その点、現金はマネーが収縮したとしても目減りすることはありません。ポートフォリオの一部を現金で保有していれば、相場全体の下落による資産の目減りを軽減できるのです。
また、相場全体の下落局面こそ、バリュー株投資にとって絶好のチャンスです。そのときに資産の目減りによる精神的な落ち込みを回避し、追加投資するための現金があれば、時間的な集中投資によりパフォーマンスを一層向上させることができるでしょう。
すなわち、現金を持つことはリスクとチャンスに同時に備えることになるのです。
現金は何にでも使える「いざという時の備え」
現金の最大のメリットは、実物資産やサービスを買えることです。
個人投資家は、株式投資だけをして生活しているわけではありません。生きていく上では予想している・いないにかかわらず、お金が必要な場面が訪れます。
例えば、地震が起きて家が全壊してしまったとします。幸い命が助かっても、その先の生活を立て直さなければなりません。地震保険をかけていたとしても、おりる保険金は資産額の半分までです。
家を立て直そうにも、そのときに相場が落ち込んでいたら保有株を売却するのも躊躇するでしょうし、そもそもそんなことを考える余裕もありません。そのようなときに、すぐに使える現金があれば、何よりも重宝するでしょう。
地震は少しオーバーなケースですが、多くの人は医療保険に加入して「万が一」に備えています。しかし、よほどのことがなければ社会保険によりカバーされ、多額の支出は必要ありません。百万円もあれば十分な備えになるでしょう。
保険金は定められた場合にしか利用できず、例えば医療保険と損害保険は別でかけなければなりません。その点、現金で持っていれば何にでも使うことができます。
そう考えると、毎月保険金を払って保険会社を潤わせるくらいなら、現金として持っておき、投資パフォーマンスの向上を目指すと同時に、何かあった時の備えにした方が良いというのが私の考えです。
「キャッシュ・イズ・キング」いう言葉があるように、現金は何よりも強い資産です。その重要性を認識し、すべての資金を運用に投じるのではなく、ある程度の現金を確保しながらポートフォリオを考えることをおすすめします。
プレゼント①『株式市場の敗者になる前に読む本』
プレゼント②『企業分析による長期投資マスター講座』第一章
プレゼント③『YouTubeプレゼン資料』
メールアドレスを送信して、特典をお受取りください。
※個人情報の取り扱いは本>プライバシーポリシー(個人情報保護方針)に基づいて行われます。
※送信したメールアドレスに当社からのお知らせやお得な情報をお送りする場合があります。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。
コメントを残す