7期連続最高益のピジョン(7956)の勢いはどこまで続くか?

赤ちゃん用品のピジョン(7956)が7期連続で最高益を更新する見通しです。売上高も初の1,000億円超えが視界に入っています。

好調の要因は、中国向け需要の盛り上がりです。経済成長が続く中国では安全・安心に対する意識から、日本製の赤ちゃん用品への需要が高まっています。各メーカーは訪日客への販売やEコマースを利用して中国人の需要を満たそうと奔走しています。

ピジョンは、哺乳瓶を中心とした赤ちゃん用品メーカーです。半世紀にわたり赤ちゃんのことを考えて地道に製品開発を続けてきた成果が、今大きく花開いていると言えます。海外勢から淘汰されつつある電機メーカーとは対称的です。

すでに海外売上比率は5割を超えるグローバル企業ですが、そのうち6割は中国での売上が占めます。中国では「高くてもいいから安全な物が欲しい」という需要から、利益率も高くなっています。

ピジョン海外事業 売上高

中国の年間出生数は約1,700万人と、100万人に満たない日本とは比べ物にならないほど大きな市場です。出生数の伸びはほとんどありませんが、経済成長に伴いベビー用品の市場はまだ拡大することが見込まれます。

ピジョンが安全・安心のブランドである限り、中国を軸とした成長に死角はないように思われます。

リスクがあるとすれば、現地の競合企業が力をつけてきたときでしょう。今となっては考えにくいことですが、日本製品もかつては「米国製に比べて劣悪」という状況がありました。その評判を覆そうと、日本のメーカーは頑張って今の地位を築いたのです。

同じことが中国でも起こらないとは限りません。電機メーカーを中心に、中国の民間企業は急速に力を付けています。政府も明らかに国内企業を優遇する方針を示しており、何かの拍子に海外製品が締め出されてしまう可能性もゼロではありません。

中国が駄目なら、出生数世界一のインドだとなるかもしれませんが、そのときにはすでに商魂たくましい中国企業が市場を席巻している状況が想像できます。

もっとも、信頼はすぐに獲得できるものではなく、当面はピジョンなど日本企業の優位は続くでしょう

ただし、業績が伸びれば株価が伸びるという単純な話ではありません

ピジョンのPERは約40倍と、平均の15倍からかなり割高となっています。それだけ市場が成長に期待しているかということですが、これだけ高いと伸びるかどうかよりも「この勢いがどこまで続くか」との見合いになりそうです。

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執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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