相場の動きは関係ない。安くなった時「だけ」を狙え!

不安定な相場に差し掛かっています。相場の先行きを予想することはできませんが、流れとしては米国金利引き上げにより金融相場(上昇)が終わり、景気のサイクルや米中貿易戦争を背景に業績相場も反転する可能性が高いことを認識しておくべきでしょう。

株価は本質的な価値を上回るほどリスクが高まる

ただし、先が不透明だからといって、投資を辞めてはいけないと考えます。なぜなら、将来のことはいつだって不透明だからです。ここから下がる可能性も、上がる可能性もあります。確実なことなど何もありません。それが投資のリスクであり、リスクを引き受けるからこそ投資家はリターンを受け取ることができるのです。

「リスク」を株価の下落と定義するなら、割高な銘柄に投資することはリスクの高い行為と言えます。株価は長期的には本質的な価値に収れんします。本質的な価値は誰も正確に知ることはできませんが、株価が高いほどそれを上回っている可能性が高いことは間違いありません。つまり、割高な銘柄に投資することは「リスクが高い」行為なのです。

投資で成果を上げるには、リスクを抑えてリターンを出さなければなりません。割安な銘柄に投資することは、その両方を達成することに他なりません。もっと言えば、「リターンが高い=成長可能性の高い」銘柄を割安な価格で買えれば言うことはありません。


人の心もコンピューターも、株価の動きを増幅させる

しかし、これができれば多くの人が投資で成功するか、さもなくば投資の旨味がなくなってしまうかのどちらかでしょう。そうならないのは、いざ株価が下落すると大多数の人が不安になり、買い向かうことができなくなってしまうからです。

下がっている時に買えないのは人間心理の性質に起因します。人は、目の前で起きていることがずっと続くと考えてしまいます。株価が上がっていれば上がり続けると考え、下がっていれば下がり続けると考えます。これが一方ではバブルを生み、一方では過剰な割安さを生み出すのです。

コンピューターが相場を支配するようになっても、この傾向は変わらないように思えます。コンピューターを扱うのは機関投資家であり、彼らは目の前の1年、もっと言えば毎月のリターンを意識します。

短い期間でリターンを出そうと思ったら「トレンド」に従わなければなりませんから、上がっている時には「買い」、下がっている時には「売り」の判断を出すでしょう。こうして、短期的な株価の動きは上下両方に増幅するのです。

このような株価の動きは、本質的な価値とは関係のないものです。いくら大きく上がったり下がったりしたところで、利益などの財務指標が投資家の共通認識である限り、長期的にはやはり本質的な価値に収束します

したがって、長期投資家がすべきことは、短期の売買により必要以上に下がった株を買い、必要以上に上がった株を売るだけなのです。

「ミスター・マーケット」を無視せよ!

バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアムは、このような株式市場の動きを擬人化して「ミスター・マーケット」と称しました。

ミスター・マーケットは、毎日あなたの家のドアを叩き「この価格で買いませんか」と尋ねます。ある時は強気に価格を釣り上げ、ある時は弱気に価格を引き下げる、情緒不安定な側面があります

彼が良いものを売っているのであれば、私たちは安い価格の時に買い、高い価格の時は無視すれ(あるいは売れ)ばよいのです。

覚えておくべきなのは、ほとんどの場合ミスター・マーケットは無視して構わないということです。売っているものは何も変わらないわけですから、極端に安くなったときにだけ相手をすれば良いのです。

それはつまり、毎日株価を見る必要などないということです。長期的なスパンで安くなっているなら、そろそろ買いどきかなと、おそるおそるドアを開けてみれば良いのです。

足元では、ミスター・マーケットは強気になったり弱気になったりしています。まだ本格的にドアを開ける必要はないでしょう。時間が経てば、ドアを開けるべきタイミングがきっと来るはずです。それまではじっと本でも読んで待ちましょう。

※本記事は会員向けレポートを抜粋したものです。


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