前代未聞の10連休に投資家はどう備えるべきか?(有料メルマガサンプル記事を配信)

新天皇が即位される5月1日を挟んだ10連休は、株式市場では異例のことです。海外市場が開いている中で、丸一週間の休場など昨今聞いたことがありません。どんな事態が想定され、投資家はどう対応したら良いのでしょうか。

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過去に例を見ない「10連休」に備えよ!

今週の日経平均は大きく下げる場面がありました。先週の米国株の値下がりを受けて、急速に不安定化したようです。

しかし、まだ本格的な下げとは言えないでしょう。下げた翌日には反発する展開ですから、「総悲観」ではない様子がうかがえます。総悲観になれば、昨日も今日もその翌日も下げる展開となります。

今は資金に余力を残しつつ、下げを少しずつ拾う程度で良いでしょう。

大きな動きとなる可能性があるのが、天皇即位にともなう10連休の前後です。

日本市場は丸一週間休場となります。その間も海外市場は開いています。このような状況は過去に例を見ません

日本の株式市場における取引の6~7割は外国人によるものです。彼らはどのような行動に出るでしょうか。

一般的な感覚では、休場中に突発的な事象が発生したら手の打ちようがないため、事前にポジションを減らすことが考えられます。

また、前代未聞の機会に乗じて、悪さを企むヘッジファンドがいてもおかしくありません。短期志向の投資家は、予期できないリスクをあえて取ることはしないでしょう。

10連休の前後は国内企業の本決算や海外企業の四半期決算が集中するタイミングでもあります。もし連休前日の金曜日や連休中に悪い決算が出ても、投資家は対応することができません。

したがって、短期志向の投資家だけでなく、長期投資家の一部も持ち高を落とす可能性があります。そもそも、景気減速の兆候が出ている中、決算の見通しは明るくありません。

このように、連休前は何重にも売り圧力がかかることが考えられるのです。

10年間市場が閉鎖しても喜んで持ち続けられる企業を買う

しかし、私たちバリュー投資家にとってはむしろチャンスだと考えます。

そもそも、私たちが投資している対象は企業の事業であって、株価ではありません。事業は10連休を挟んだからと言って、急激に変化することはないでしょう。

あなたが事業のオーナーだとしましょう。たった10日間株式の売却ができないからと言って、その前に事業を売ろうとするでしょうか。

現実的にはそんなことは考えもしないでしょう。なぜなら、目の前には商品やサービスがあり、従業員はせっせと働いていて、顧客は商品にお金を払っているからです。これが続く限り、事業はお金を生み続けます。

普段から株価ではなく会社の事業に焦点を当てていれば、株価変動のリスクに焦る必要はないのです。これは長期投資の大原則です。

むしろ、事業そのものにはほとんど関係のないリスクにより株が売られるとしたら、オーナーなら喜んで買うでしょう。普段なら決してお目にかかれないバーゲンセールになる可能性があります

セールがあるとわかっているのなら、参加しない手はありません。事前に何を買いたいか吟味し、資金を握りしめ、時が来たらいざ出陣です。

もちろん、買ってから下がる可能性もありますから、それでも持ち続けられる自信のある銘柄を買うようにしましょう。

バフェットも次のように言っています。

今後10年間市場が閉鎖しても喜んで持ち続けられる企業だけを買いなさい。

バフェットは10年間と言っていますが、今回はわずか10日間です。この期間すら耐えられないようなら、長期投資家としてやっていくことは難しいでしょう。

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執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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