JBR(2453)はトラブル解決で誰も寄せ付けない圧倒的な存在になれるか?株価には割安感が漂う

この夏は個人的に自宅まわりでいろいろなことがありました。

シロアリ予防の更新(5年ごと)やエアコンの故障・修理、さらには台風15号による停電にも見舞われました。

特に、エアコンの故障には参りました。急に暑くなったときだったので、メーカーに問い合わせてもすぐには来られず、修理業者を見つけるのに一苦労でした。このように困った時に「ここに連絡すれば大丈夫」というところがあればありがたいのにと切に思いました。

実は、上場企業でそんなサービスを展開しているのが、ジャパンベストレスキューシステム(JBR)(2453)です。

「安心」のサブスクリプション

同社はコールセンターを持ち、全国の業者と連携することで、顧客の「困った」に対応することをビジネスモデルとしています。「生活救急車」「水の救急車」「学生生活110番」などの名前で展開し、業績を伸ばしてきました。

【出典】マネックス証券

業績を牽引しているのが「会員ビジネス」です。

例えば、賃貸住宅に入居する際に事前に保証料を支払うことで、鍵や水回りのトラブルがあった時はJBRが無料で対応するというものです。

入居者としては安心材料になりますし、JBRとしても安定した収入源になります。もしトラブルがなければ、保証料はそのまま利益になるという、流行りの「サブスクリプション」の恩恵を受けることができるのです。

「トラブル解決ならここ!」と言えるだけのものを作れるか

このビジネスの肝となるのが、いかにネットワークを拡げられるかということでしょう。ネットワークとは、窓口となる企業との連携と、実際に工事を行う業者の確保です。

窓口となるのは、不動産会社ハウスメーカー、大学生協などです。賃貸契約時や住宅購入時、大学入学の上京時などに保証をつけます。協力会社が多いほど、より顧客獲得のチャンスが拡がります

ただし、直近でドコモとの提携を解消されるなど、一筋縄にはいきません。窓口としてのメリットはそこまで見いだせないからでしょう。

工事業者は地元の個人事業主や中小企業が対象になります。JBRとしては、より広く、質の高い業者をいかに集められるかが大切になります。ネット上の評判を見る限り、今のところ玉石混交という印象です。

問題点は、このビジネスには参入障壁がないということです。コールセンターを持っているだけなので、誰でも同じビジネスを真似することができます。例えば、大手不動産会社が同じビジネスを行うようになればかなりの強敵です。

それをさせないためには「トラブル解決ならここ!」と胸を張って言えるくらいネットワークやサービスの質を上げることですが、まだその地位には達していないように見えます。

成長性に対して割安感はあるが、まだ絶対的ではない

株価に目を向けると、ここ最近軟調となっています。

チャート画像

ただし、業績は決して悪くありません。まだ成長は続いていて、PERは20倍程度なので、やや割安感のある印象です。価格次第では検討に値します。もちろん、ビジネスが順調なことが大前提です。

誰も追いつけないくらい圧倒的なビジネスを作り上げることができるか。これからの方向性に注目していきたいと思います。

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執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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