株券ではなく、事業を買う
私が良く聞かれることに「この銘柄の下値はいくらか」「いくらまでだったら上がるのか」というものがあります。
これを聞くたびに、投資家がいかに「価格」に縛られているのかよくわかります。
私たちが買っているのは、株価という数字ではありません。株式は、企業の「持ち分」を証明するためのものです。
企業の経営者やそこで働く人たちは、日々売上を生むために努力しています。売上から給料などの費用を支払って残った利益が、最終的に株主に分配されます。
わたしたちが目を向けるべきなのは、この事業活動であるべきなのです。
事業が好調なら、利益が増え、やがて株価に反映されます。私たちはそのような「良い事業」を買わなければならないのです。
毎日株価が変動する理由
それではなぜ株価は毎日動くのでしょうか。
それは人々の「思惑」が入り込むからです。ちょっとした「噂」や気の持ちようの変化によって、事業に対する見方ががらっと変わってしまうのです。
私の友人は、付き合っている彼女がいたのですが、ある日急に箸の持ち方が気になり、好きではなくなってしまったと言います。
この時、彼女自身は何も変わっていません。しかし、友人がふと気になってしまったことで、気持ちが180度変わってしまったのです。
株価の変動とは得てしてこのようなものです。
短期的な株価は、このようにあっという間に変わってしまいます。だからこそ株価の予想は難しく、動きや「下値」に確かなものはないのです。
変わるものと変わらないもの
一方で、事業はそう簡単に変わりません。明日急に駄目になってしまうことなどなく、良い事業は良い事業であり続けるでしょう。
友人の例で言えば、彼女自身をよく見つめ直すことが大切です。箸の持ち方を許容できるだけの人間性があれば付き合い続ければ良いでしょうし、それでも合わないのであれば別れるのが良いでしょう。
付き合う相手に限りがないように、投資する銘柄も無数にあります。
目先の気持ち=株価変動に惑わされず、相手=事業のことを隈なく知り、最終的に素晴らしいパートナーを見つけることが、長期投資にも求められることです。
株券ではなく、事業を買う
ウォーレン・バフェット
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