ゴールドウィン(8111)の株価は3年で5倍!ワークマンと並んで「アスレジャー」で注目。大化け株を見つけるポイントとは?

スポーツ・アウトドア用品を製造・販売するゴールドウィン(8111)を分析します。

「アスレジャー」のブームに乗る企業

この1・2年で大きく伸びた銘柄に、ワークマン(7564)があります。仕事着で培った技術をアウトドアファッションに応用し、数々のヒット商品を生み出してきました。

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それと流れを同じくして流行を見せているのが、「アスレジャー」と呼ばれるファッションの隆盛です。スポーツやアウトドアで使用されている、動きやすく機能性の高い商品をファッションに取り入れることで、一般の人々の需要を喚起しています。

具体的なブランドを挙げると、ワークマンやmont-bell(モンベル)、スノーピークなどがあります。

その一角として注目を集めているのが、ゴールドウィンが保有するTHE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス)です。1994年に米国の会社から日本における商標権を買い取ったことが発端になります。

ゴールドウィンはスポーツブランドのイメージが強かったため、私としても意外でした。しかし、同社の売上の76%はアウトドアブランドで占められます。スポーツブランドは16%にすぎません。

【出典】第68期 事業報告書

折り重なった「神風」で株価は3年で5倍に

「アスレジャー」のブームも手伝い、ゴールドウィンの業績は大きく伸びました。前期までに9期連続増収11期連続増益を達成しています。

【出典】決算説明資料

さらに、ここにきて神風が吹きました。2001年に取得したブランド・カンタベリーは、ラグビー日本代表のユニフォームを作っています。日本代表の大活躍によりレプリカが飛ぶように売れ、ゴールドウィンは業績を何度も上方修正しました。

利益が急に増加したため、株価も大きく伸びました。実に3年で5倍という急上昇です。

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業績改善の裏には地道な努力!

もっとも、業績改善の要因が「アスレジャー」と「ラグビーワールドカップ」のブームだけということなら、すでに旬を過ぎた感があります。PERも30倍近くまで上昇し、バリュー株投資としては今から手を出せる水準ではありません。

しかし、よく分析してみると、単にブームに乗っただけではないことがわかります。

ゴールドウィンが行ってきたのは直営店舗やECサイトの充実、さらにはコスト削減と言った地道な努力です。

それまでは卸売が中心でしたが、直営店を増やすことにより利益率の向上や在庫の適正化が行いやすくなったのです。直営店はブランド力の強化にもつながります。ショッピングモールなどでノースフェイスの店舗を見る機会も増えました。

【出典】決算説明資料

これにより、売上の増加だけでなく利益率も上昇し、掛け算で利益が増えていったのです。これが、利益・株価ともに5倍になった理由です。

【出典】マネックス証券

次のゴールドウィン、ワークマンを見つけるには・・・

ゴールドウィンの事例は、当たり前のことを当たり前にやっていれば、そのうち追い風が吹いた時に大きく伸びる可能性があるということを示しています。

バリュー株投資家としては、できれば風が吹く前に会社の状況に気が付き、割安なうちにせっせと仕込みたいものです。

ゴールドウィンに関しては、業績的にも株価的にも少し行き過ぎた感があるのですぐに投資対象にはなりませんが、もし株価が落ち着いてきたら検討したいと考えます。それくらい良い経営を行っています。

ここを足がかりに、次のゴールドウィン、次のワークマンを見つけたいものです。

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執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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