つばめ投資顧問の栫井です。
今日は2020年3月10日、現在のダウ平均株価は1日に2000ドル以上を下げて、過去最大の下げ幅を記録しました。
また今日の日経平均株価は、一時19,000円をを割り込むなど、非常に大きな下落、しかも先週、先々週あたりから立て続けに下落が続いています。
これからの株価がどうなるのか?という事と,長期投資家はこの流れに対してどのように対処していけばいいのか?ということについてこの動画ではお話ししたいと思います。
まず株価下落の要因ですが、これは新型コロナウイルスの影響です。
日本では小中学校や高校などの休校が決まって、イベントなどの自粛が相次いでいます。
もはや新型コロナウイルスが広がっているのは日本や中国だけではなく、世界中に広がっていて、例えばイタリアやイランなどは数百人もの死者が出ていると言われています。
だからこそ世界中に広まってしまった時には今の日本のような状況が起きてしまうのです。
世界で自粛ムードが広がってしまうと、いよいよ経済が回らなくなってしまいます。
投資家は景気が悪くなってしまう前に、少しでも早く株を売り抜けよう、株だけではなくあらゆる金融商品を売り抜けようと考えます。
当然こういう状況になってしまいますと、企業は投資を控えますし、また人々も外出を控えますので、GDPの指標は今後非常に悪いものが想定されます。
企業業績も、どう考えても上向く要素が無い訳です。
従って今後当面の経済指標、企業業績は厳しいものになりますし、それを受けて、株価も上昇しづらい状況になっています。
私の想定としても、今後しばらくは株価が上昇する可能性は非常に低いと考えています。
リバウンド狙いで投資をするのは決して褒められたものではないと考えています。
一方で、ここで非常に大きく下落しましたから、ある程度景気の下落を株価におり込んだという事はあると思います。
したがって今後しばらくは少しずつ下がりながら、じわじわと横ばいして低迷すると私は考えています。
リーマンショックの時は2008年に大暴落して、そこから4年間に渡ってほぼ株価は横ばいという状況が続きました。
ですから短期の投資家、短期で利益を得たいと考える投資家にとっては、今後しばらく非常につまらない状況が続くと考えています。
私たち長期投資家にとってはむしろこれはチャンスだと考えています。
というのも、リーマンショックの時には、この4年間まったく株価が上がらない期間のうちに、諦めずにコツコツと沢山株式を買った投資家というのが、その後のアベノミクス相場に乗って非常に大きく、何倍にも資産を伸ばしました。
その過程で1億円を超えるような億り人もを輩出してきました。
このような事から私たち長期投資家はこれからの株式の低迷期に、いかに沢山良い企業の株を買えるかという事が勝負になってきます。
何故そのような事が言えるのか実際に企業の動きを見てみましょう。
株式というのはそもそも何によって形成されるのかというと「企業の価値」です。
企業の価値というのは、企業が生み出す利益、そしてそこから株主対して払い出される最終的な配当によって決まります。
したがって企業が収益を出して、配当を出し続ける限り、その企業の価値というのはなくなりませんし、これが増やし続けられれば、企業の価値というのは株価の状況に関わらず確実に増えていきます。
その代表的な事例としてこの花王を上げさせていただきます。
このチャートはリーマンショック前後のチャートなんですが、リー
マンショック前、株価は3,000円くらいありました。
例えば今、私たちがこの3,000円で花王の株を買ったとしましょう。
100株単位なので30万円です。
しかしその後リーマンショックが起きて、株価が2,000円まで下がっ
てしまいました。
今私たちが経験しているのはまさにこのような状態です。
しかし花王というのは、皆さんご存知かと思いますが、洗剤などの
消費者向け、景気が良かろうと悪かろうと必要とされる商品を作っ
ていますから、これが無くなるという事は決してない訳です。
その結果、リーマンショック直後は多少利益が落ちた事もありまし
たが、その後じわじわと伸ばしてきて、特に赤で記した営業利益の
方は大きく伸ばす結果となりました。
またこの企業で見逃せないのが、31期連続、31年にも渡って配当を増やし続けているという事です。
これは日本企業の中で一番多い数字ですし、これがあるからこそ花王は非常に強い会社と言えます。
私たちがこういった強い会社に投資をすると、どういう事になるかというと、この株価チャートを見ていただければ一目瞭然かと思います。
この3,000円のところで買って、2,000円に減ってしまいましたが、その後
の4年間の低迷期を経て、株価は大きく伸びる結果となりました。
倍率にして3,000円で買ったとして2.5倍、2,000円で買ったとしたら
4倍です。
今すでに1月に9,200円を記録してるのですが、そこから大きく
下がったとはいえ、いまだにこの8,000円をキープしています。
長期投資というのはこれぐらいのスパンで考えて利益を上げる、資
産を増やすという事になります。
この花王を例えば最初3,000円で100株買って30万円、それが2
0万円になってしまって、「もうやってられないな」となってしま
いがちですが、そこから11年経ってみると今の暴落を受けてもま
だ80万円あるわけですし、これが買い値の2.
5倍という事になります。
何より見逃せないのがこの配当の力です。
30万円から20万円下がって、10万円損してしまいましたが、
一方でその後11年間持ち続けたら、配当だけで11.5万円得ら
れるという事です。
つまりここから仮に20万円、2,000円から株価が全く上がらなかっ
たとしても、配当だけで実はもう元が取れてしまっているという事
になります。
もちろんそれに加えて株価上昇があってこの結果、3,000円で買っ
たとしても、年率10%以上のリターンを上げることが出来ているのです。
これこそが配当の力。
配当の力と、そして利益を出し続ける企業は株価が必ず伸びるとい
う長期投資の強みであって、私たちは慌てて売ったりとかする必要
は決してないのです。
むしろ私たちがすべきなのは、これから訪れると考えられる長期の低迷期に、い
かに花王のような良い企業を沢山安い価格で買えるかということに
なります。
例えばここで30万円で買って、20万円に落ちてしまって「ダメ
だ」となっていたとしても、この20万円の所で更に沢山買って、これが1000株30枚
の300万円買っていたとしたら、実際に100株買った時80万
円ですから1000株だったら8百万円、
それで20万円で買っていれば、更にそれ以上1千万円くらいには
増えていたといえます。
これぐらいのスパンで考えて、いかに安く沢山仕込むかを長期投資
家は求められています。
私が言っている事は決して夢物語ではないのです。
実際にアベノミクスで大きく資産を伸ばした人は、長期に渡る株価の低迷期において、諦めずにコツコツと株を買ってきた人達です。
もしあなたがこれから株価が低迷して、誰も株に寄り付かなくなった時に、自分だけはコツコツと株を買う事が出来れば、10年後はきっとアベノミクスで資産を伸ばしてお金持ちの仲間入りが出来る訳です。
皆さんいかがでしょうか?
この長期投資の考え方についてお分かりいただけましたでしょうか?
つばめ投資顧問ではこういった株価に左右されない長期投資の考え方や銘柄を紹介しています。
またこの
メールマガジンに登録していただければ私の本をお読みい
ただき、より長期投資の考え方について御理解いただけるかと思い
ます。
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