【解説】ソフトバンクG倒産危機!?鍵を握る「隠れ債務」の存在。ハイリスク経営の逆回転がやってくる!(2020/3/21撮影)

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YouTubeに動画をアップロードしました!

以下、文章化したものです。


つばめ投資顧問の栫井です。

今日解説するのはソフトバンクグループです。

このソフトバンクグループは、株式投資としては非常に問題児なんですが、今この新型コロナショックを受けまして、1日で株価が17%下落するという状態になっています。

一部では倒産の噂すら囁かれている状況です。

そのソフトバンクグループの本当の問題点についてこの動画では解説します。

まず触りで申し上げますと、このソフトバンクグループ、隠れた債務が非常に眠っていて、これがソフトバンクグループ全体を危機に及ぼしかねない状況です。
 


まず株価の方を見ますと、比較的4000から5000円の間を推移していたものが、この新型コロナショックを受けまして、非常に大きく下げて、3月19日の木曜日には1日でなんと17%も下落してしまいました。
株価は4、3000円台をすっ飛ばしていきなり2000円台にまで下落している状況です。

その下落のきっかけとなっているのは、新型コロナウイルスはもちろんですが、噂で出ているのが、経営危機に陥っていると言われているweworkを、ソフトバンクグループが支援するという形で、既存株主から株式を買い取るというのがあったのですが、それを撤回する交渉をしているという事が報道で流されています。

また、すでに上場した投資先のライドシェアのUberなんですが、こちらはもう株価を見ればわかる事なんですが、1ヶ月でなんと半分の値段になってしまいました。

この事から、ソフトバンクの保有価値というのは、当然大きく下がっています。

それからこのビジョンファンドで、投資している大きな投資先の一つに、ホテルチェーン、一部を他のホテルから借りて、それを貸し出すというビジネスモデルをとっているOYOという会社があるんですが、非常に急激に大規模な拡大をやっていたんですが、大赤字を出してしまい、5000人をリストラするという、今後の雲行きが怪しい状況になっています。

また2000億を投資したOneWebという衛星通信の会社があるんですが、こちらについてはなんと破産を検討しているという報道がなされています。
 


いずれも新型コロナウイルスの影響を受けたものでもあるんですが、立て続けに投資している先が、経営不振に陥っているという事になると、いよいよソフトバンクグループも危ないんじゃないかと見られます。

ソフトバンクグループってそもそもどういう立て付けになっていたのかということです。
 


保有株式、いわばソフトバンクグループは投資会社になっている訳なんですが、どういった先に投資しているのかというと、このグラフにある通りAlibabaが16.1兆円、それから携帯会社のソフトバンクが4.8兆円、アメリカの携帯会社Sprintが3.2兆円、半導体の会社のarmが2.7兆円、そしてビジョンファンド、こちらがソフトバンクの持ち分として3.2兆円あると言われています。

トータルで31兆円。

これがバランスシートだと考えると、そこから負債の6兆円を引いた、25兆円が株式価値だと、孫正義さんは言っています。

これに対して市場の評価というのは、3月19日の時点で5.6兆円しかありませんから、このソフトバンクの孫さんに言わせれば、当社の株式は非常に割安、本来25兆円あるはずの物が、5.6兆円にしか評価されていないと言っています。

確かにこれだけを受けると、なんだソフトバンク十分割安じゃないか、割安な本来持っている価値よりも安く市場で売られているということであれば割安株、バリュー株ということで、今が買いだ、という風に言う人もいるんですけれども、これで終わったわけではありません。

ソフトバンクの会計というのは非常に複雑になっています。

今からそのカラクリを説明します。
 
どこが複雑かというと、このソフトバンクビジョンファンド、いわゆる10兆円ファンドの中身を見てみる必要があります。
 

もっとも、このビジョンファンド3.2兆円ということで、確かに当初問題になっていたこれらの会社は、いずれもビジョンファンドへ投資していたものということになりますので、仮にこの3.2兆円がおじゃんになってしまったとしても、ソフトバンクの価値はまだちゃんと残っているじゃないか、倒産という危機にはならないんじゃないかというような見方ができるわけなんですけれども、このビジョンファンドの数字を見るとそうとは言い切れない部分があります。

そのビジョンファンド10兆円がどういう構成になっているのかというと、資金の出し手として優先株式が4兆円、これは外部の投資家、特にサウジアラビアの政府ファンドが出資しています。
 
それからソフトバンクグループなどが持っている、議決権のある普通株式が6兆円があります。

この優先株式に対しては、実は、年間固定の7%配当を支払い続けないといけないという決まりがあります。

つまり、これは年間3000億円になるわけなんですけれども、この仕組みに「あれ?」と思ったかもしれません。

普通、株式の配当というものは会社の方で決められるので、上げたり下げたりすることができるんですけれども、この優先株式というのは、配当額が決まってしまっていて、それが年7%ということです。

これって株式と名を打ってはいるんですけれども、実態としては債務なのです。
 
つまり、このビジョンファンドは、レバレッジ、たくさんの借り入れも”優先株式”という名を借りた隠れ債務という借り入れをを使って、大きく10兆円に膨らましたに過ぎないわけです。

つまりこの4兆円が今後のソフトバンクの命運を左右するというわけなのです。
 
何か問題なのかというと、株式市場が停滞してしまっても、これまではipoなどで売却して資金を得てそれを配当にまわすことができましたが、この株式市場で、まして今持っている企業が次々に悪い状況に陥っていて潰れてしまいかねない状況です。
 
その状況で現金を生み出すことが出来なければ、いよいよ配当が支払えないということになってしまうわけです。

配当支払えないとどうなってしまうのかということをこれから検証します。
 
配当を支払えないとなると、お金を借りて配当を支払わなければなりません。
 
しかし、今の金融環境では、配当のためにお金を貸してくれる金融機関や銀行があるとは想定できません。

まして、持っている資産がボロボロになっているといわれている中でそんなリスクを被ってお金を貸すような先はなかなか無いでしょうからこれは実質ふさがれたと言っても過言ではないです。

もう一つの手段としては、「ギブアップ」です。

ソフトバンクが、ビジョンファンド自体を半分破綻させてしまうということです。

そうなると、先ほど説明したようなこの普通株式の部分が無くなって、ゼロ価値にしてしまって、残っている優先株式を持っている外部の株主が普通株主となって、残ったソフトバンクのビジョンファンドが持っている資産を売却するなりして、残った資金を回収するということになるわけです。

これはソフトバンクグループにとっては実質損切りということになり、これをやったからにはソフトバンクグループとビジョンファンドは関係がなくなってしまい、 ソフトバンクグループはビジョンファンドの3.2兆円をまるまる損として計上することになるわけです。

ただしこれだったら、先ほどのグラフを見てば分かる通り、3兆円がなくなってしまったとしてもまだ大丈夫です。

しかし、もしこれを実際にやってしまったとなると、いよいよ金融業界におけるソフトバンクの信頼性が地に落ちてしまいますから、孫さんは絶対にやりたくないことだと思います。
 
したがって次に取れる手段としては、ソフトバンクグループ本体がこのファンドに対して増資をして、それでなんとか優先株式の配当を支払うということです。

しかしこのソフトバンクグループは、実はそんなにお金を持っている会社では
ありません。
 
すでに6兆円の有利子負債がありますし、ソフトバンクグループ自体が事業を行っているわけではないので、現金を得る手段としては子会社からの配当や子会社株式の売却ということになります。

配当としては、大きく望めるのは実質的には携帯会社のソフトバンクからの配当ぐらいしかありませんから、そのお金はほとんどソフトバンクグループの借金の利払いに充てることで精いっぱいです。
 
そうなると、いよいよアリババの株式や携帯会社の株式そのものを売って何とか資金を得るしかありません。
 

ただ、これらの株式を売るというのはそもそもソフトバンクグループの価値、資産を次々に売却するということですから、これをしてしまうといよいよソフトバンクグループ自体がもぬけの殻になってしまうということになりかねないわけです。

それでもアリババの株はまだ16兆円もあるじゃないか、というふうに思うかもしれません。

しかしこのアリババのチャートを見てください。
 
 
決算発表が行われた2月上旬の時点では220ドルありましたが、今は180ドルまで低下しています。

中国株に関しては、新型コロナショックを受けてもなお不自然なほど上がっていたところがありますが、ここに来てまた下がり始めたというところがあります。

これがますます下がれば、ソフトバンクの持っている資産が急激に目減りしてしまいますし、売却するチャンスもどんどん逃してしまうということになるわけです。

まとめますと、今のソフトバンクグループは、すぐに倒産するようなことはないでしょう。

仮に、ビジョンファンドの中身がボロボロだったとしても、それは最大3兆円の損失で済みますから、それ以上お金が出ていくことはないので、それ自体で倒産する可能性は低いでしょう。
 
ただし、ビジョンファンドの優先株式の配当を支払うために本体がお金を注入する可能性があり、そうなると連鎖的にいよいよ本体もお金がなくて、株式を売らなければならなくなる可能性が出てきます。

そしてカギを握るのがアリババの株価です。
 
アリババの株価が大きく下がってしまうといよいよグループとしては手の施しようがない状況になってしまいます。
 

なぜこういう状況になってしまったのかというと、そもそもこのビジョンファンドを立ち上げたのは2016年頃なんですけれども、当時市場が非常に高騰していて、そんなタイミングで、ましてこのスタートアップへの投資という非常にリスクの高いものを優先株式という実質的な債務で多額のファイナンスをして、それでリスク資産を買うというような危険なリスクの高い取引を行ったことが根底にあるわけです。
 
それらはいずれも今みたいな市場の崩壊があると、逆回転によって次々に問題を引き起こしますから、その問題を想定していたのかどうかというところを疑問に感じざるを得ません。
 
何よりソフトバンクグループはもともとは「インターネット革命を起こす」と言ってインターネットの値下げや携帯料金の値下げなどを最初は頑張っていたんですけれども、いつのまにか、アリババの投資の成功っていうのもあったかもしれないですが、顧客不在の経営を行って行なうようになってしまいました。

ソフトバンクグループがやっているのは実際に顧客の生活を改善するなどではなくて、いかにお金を増やそうかということばかりに注目して、実体のあるかどうかわからない企業に次々に投資をして、それの ipo の利益によってお金を増やすということばかり考えていました。
 
しかし、そんな都合のいいことはなかなか回らないわけです。
 
この新型コロナウイルスショックによってソフトバンクの価値というのはまだまだ危険な状況にあることに変わりはありません。

非常に難しい会社です。

ヘタに割安だからということを考えて投資するには難易度が高すぎると言わざる
を得ません。
 

皆さんいかがでしょうか。ご理解頂けましたでしょうか。

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