【ANA】資金繰りは夏までもつか!?このまま行くと現金が枯渇する。実際の財務状況からシミューレーションします【JALも】

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YouTubeに動画をアップロードしました!

以下、文章化したものです。


つばめ投資顧問の栫井です。

今日は新型コロナウイルスの影響で経営状況が危惧される、ANAホールディングスについて解説したいと思います。

航空機が国際線に関してはほぼ壊滅状態ですし、国内線に関してもほとんどお客さんが乗っていない状況が続いています。

このまま行くとやがてANAの資金が尽きてしまうという事が考えられます。

この動画では尽きてしまうポイントが一体いつになるのか、というシュミレーションしてみたいと思います。
 
ANAはいつまで持つか

まず直近でこのようなニュースが入っています。

「ANA1.3兆円の借入枠を要請」という話です。
 


先日はまだ数千億単位の資金要請という話だったのですが、ここに来て桁が変わって1.3兆円という巨額の金額になっています。

それほどANAは危機的な状況に陥っています。

すなわちこのまま飛行機が飛ばない時間が長くなればなるほど、ANAは危機的な状況、資金繰りに窮して倒産という状況にも陥ってしまいます。

では収入のシミュレーションをしてみましょう。

まずANAの収入ですが、国内線でおよそ7,000億円、国際線でおよそ6500億円の収入があります。

その他の収入として、およそ3200億円あり、トータルで1.8億円のを航空事業収入があります。

これが新型コロナウイルスの影響で、例えば国内線に関しては乗客の半分しか乗らなかったとすると、年間での数字なんですけれども3500億円まで減ってしまいますし、国際線はもう壊滅状態で、新型コロナウイルスの影響で海外に行こうとか、海外から日本に来ようとする人はもうほとんどいなくなっていますからこれはもう0と考えます。

その他もPeach Aviation、LCCやその他航空関連の事となりますので、かなり甘めに見積もって3200億円が2000億円ぐらいに減ってしまう状況になると思います。

こうなった時に年間での収入はおよそ5500億円程度になることが考えられます。

収益源としては1.25兆円という巨額の数字になってしまいます
 


一方で支出の方はかかってしまいます。

例えば航空事業にかかる支出というのは大きなもので燃料費や飛行機のリース料、あるい人件費、それから外部委託など様々な費用があります。

一部は飛行機が飛ばない事によって減少する物もあります。

例えば燃料費に関しては飛行機が飛ばなければ必要ありませんから、そういった観点で見て、国際線がもうほぼ飛ばないという事、国内線の一部減便したという事で、全体の6割が減少したという想定を置いています。

また空港使用料やリース料、これはどうしてもかかり続けるものですし、減価償却費、これはキャッシュアウトはないものですので、一旦0になると仮定していいと思います。

また人件費、これは正社員ですから完全に0になる事はありませんが、一部客室乗務員のを自宅待機にさせるなどして、給料の削減を図っています。

これは75%という掛け目で減少するのではないかと見込んでいます。

その他諸々の調整を加えまして、私の試算では、支出に関しては年間で1.05兆円ぐらいになるのではないかと想定しています。
 


しかしこれかなり甘めの想定と見ていてください。

これら収入と支出を勘案しますと収入がおおよそ5500億円になりました。

そしてそれに対して支出が1兆500億円に2年間でなると見込まれます。

これを計算すると年間およそ5000億円のマイナス、キャッシュアウトが生じてしまいます。

これを1日に直すと一日14億円のキャッシュアウト、1ヶ月で420億円のキャッシュアウトになります。

新型コロナウイルスの問題が表面化したのが2月頃からですが、2月からこれだけ毎日毎日お金が減ってしまった時にANAは一体いつまで持つのかということを計算してみましょう。

手元流動性現金と売却できる有価証券などがおよそ3900億円。

これ12月末時点であります。

これに対して月間のキャッシュアウトが420億円ですから単純に割り算した時に、持つのがおよそ9ヶ月という事になります。

2月から始まったとすると9ヶ月先ですから、このまま行けば10月まで粘れるんですが、その後も決して安泰ではなくて、すぐに需要が回復するとは思えませんし、もしこの新型コロナウイルスが夏まで続いて、夏までこのような状況が続くとしたら、もはやANAは資金繰りが持たなくてどうしようもなくなってしまいます。
 
現金の調達は可能か

企業が倒産する時というのは実は赤字になった時や債務超過になった時ではなくて、端的にお金が無くなった時、企業はどうしようなくなくなるので、その時に倒産してしまいます。

その倒産を避ける為に何が何でも現金を調達しないといけません。

ではANAはもしこのような状況になった時に、どうやって現金を調達しなければならないのかを考えます。 

現金の調達手段としてはまず銀行借り入れです。

すでに1.3兆円の融資枠を要請したと言っている通り、まずはとにかく貸してくれる銀行がを探します。

一つには航空業界と密接な繋がりにある政策投資銀行です。

ここからお金を借りる事も考えられますが、先の見通しが立たない、もはや帰ってくるかどうかもわからないお金を銀行がそう簡単に貸してくれるとはなかなか考えられません。

となると将来的に事業が回復する事を見込んで投資家に公募増資を募るという方法もない訳ではないんですが、その時に株を買う投資家がいるかというとこれもまた現実的には難しいです。

となると第三者割当増資、ある大きな会社などがこの危機を乗り越えて、その後に株価の上昇などによって、利益を得る事を考えて基金を拠出するという事も考えられなくはないのですが、具体的にどういう投資家、どういう企業が出せるのかという所も疑問に思います。

そうなるともう最後頼れるのは政府しかなくて、かつてJALが倒産して公的資金が入ったように、この公的資金が入るという事が考えられますが、上場したままの倒産する前の企業に公的資金を入れるというのはこれは公平性の観点から難しいことですから、現実的には、一度法的整理、上場廃止株式は紙クズになってから公的資金によってなんとか生き残り、事業の継続を測るという形になります。

もちろんこの時に株価は0なってしまいますので、こうなってしまうと株式投資としては完全にアウトという事になります。
 
JALも同様、航空会社には見切りが必要か

実はこの航空会社に関してウォーレン・バフェットも、これまでデルタ航空などのアメリカの航空会社に投資を行なっていて、この新型コロナショックで下げた後も、どんどんナンピン買いしていました。

しかしそれでもつい先日には無理だという形で、そのデルタ株の一部を売ったという報道がありました。

これはこのまま新型コロナウイルスがどこまで続くか分からない状況で、これが続けば続くほど、航空会社が危機的な状況に陥ってしまう事をバフェットは認識しています。

日本の株主というとJALやANAの株主優待券を目的にこの株式を保有していたりもするんですが、その結果まだANAの時価総額7000億円も残っているのですが、しかしこの状況を考えるともはや株価がどうという問題ではなくて倒産するかしないかという瀬戸際に立っていると言わざるを得ません。

銀行などの資金がどこまで供給されるかも未知数ですし、もはや株主優待・株価がどうという問題ではなくなっています。

ちなみにJALに関しても同様の試算をしたところ、ANAが9ヶ月と計算しましたが、JALの場合はおよそ1年という私の手元での計算があります。

ANAよりは少しはマシな状況ではあるんですが、同じように危険な状況にある事は間違いありません。

もしですねANAやJALの株を持っている人がいたら、少しでも早いうちに売ってしまうという事を私はお勧めします。

こういった損切りはどうしても株式投資では不可欠です。

苦しい気持ちは分かりますが、ここで損切ってしまわないと、もっと傷口を広げてしまう事になります。

ぜひ一旦ここで諦めるという事も肝心かと思います。


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