ファーストリテイリング(ユニクロ)業績下方修正でも株価が上がる理由。新型コロナは成長の追い風か。日銀の影響も解説

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YouTubeに動画をアップロードしました!

以下、文章化したものです。


つばめ投資顧問の栫井です。


今日のテーマはユニクロを運営するファーストリテイリングです。

ファーストリテイリングは、先日2020年8月期の業績予想を下方修正して、従来の予想から40%も利益が減少するという予想を出しました。

しかしそれにも関わらず株価は上昇しました。

なぜこのような事が起きるのか?これからユニクロを分析したいと思います。
 
 
新型コロナの影響は大きい

これが下方修正の内容です。
 


その目の前のまさに新型コロナウイルスの影響を受けてお店に人が来なくなっています。

それで売上高が10%減少、それから営業利益にして40%の減少というなかなか厳しい結果になっています。

ユニクロの決算期は8月決算なので、上期は新型コロナの影響をほとんど受けずに終わったのですが、下期に関しては、3月から8月という事になりますが、これはもう新型コロナの影響を思いっきり受けています。

想定では5月までは影響を強く受けて、6月以降は徐々に通常の状態に戻ってくるという事を言っています。

それにも関わらず、上期と下期バラバラにして計算してみると、下期3月から8月については赤字という決算内容です。

それほどアパレルなど、こういった店舗を持っている会社の事業は、新型のコロナウイルスの影響を受けて、非常に厳しい状態にあります。
 
 
「在宅勤務」という追い風

ユニクロの長期的な業績どうなっていたかという事について改めて確認してみましょう。
 


下のオレンジが国内のユニクロ事業です。

こちらも順調に成長していて、しかしそれ以上に大きく伸びているのが、海外のユニクロ事業です。

特に中国、台湾、香港といった中国周辺の国々での事業が非常に好調でして、いつの間にか国内であげる利益よりも海外で上げる利益の方が大きくなってます。

ユニクロはまさにグローバル企業な訳です。

柳井会長も世界トップのアパレル企業を目指しています。

さらに注目すべきなのがこの青の部分、これがGUです。

格安ブランドという事でGUを展開しています。

今これがまた非常に大きく伸びていまして、ユニクロの業績を下支えしています。

ただ流石にこの3月新型コロナウイルスが本格的に広まってきて、各社業績厳しいという中で、ユニクロもマイナスの売上高を記録しました。
 


国内のユニクロに関してはマイナス28%と3割近い落ち込みになっています。

その他、しまむらやユナイテッドアローズ、ジーンズメイト、ライトオンは20%から40%売り上げの減少という惨憺たる状況になっています。

そんな中でGUだけ-9%という非常に小幅な下落幅にとどまっています。

これはなぜかというと、仮説なのですが、こうやって人々が在宅勤務だったり、自宅にいようという事で、ゴロゴロしているのですが、そういった時に外でおしゃれをしたりとか、スーツを着て仕事に行ったりとかそういう事をする必要がありません。

一方で家でゴロゴロする格好を買いたいなと思ったら、何でも良いという事になりますので、そんな時にGUだったら気楽に、しかもオンラインで買えるという強みを持っています。

これから先の事を考えると、もはや在宅勤務がこれだけ普及すると多くの企業は在宅勤務を増やしたりとか、スーツを辞めてみたりとか、そういった動きになる事も想像されます。

するとユニクロはまさにライフウエアといって、日常使いの服をたくさん作って、安く売っていますので、そういった物ほど多くの人が在宅勤務したりとか、気軽な服装として着るには非常に良い訳です

更に安く買おうと思ったら、GUというブランドがあって、それをオンラインオフライン通じて、買う事によって、この新型コロナウイルスを追い風にして、更に成長する事も見込めます。

実際、私も自宅兼事務所なので、独立してからかれこれ4年ずっと在宅勤務なのですが、服装なんて正直もう手をかけたくなくなってきています。

そんな時にユニクロに行けば、最低限の服を揃える事が出来ます。

これも(Tシャツ)もユニクロですし、履いてるズボンも、下着に関しても全部ユニクロという状態になってしまっています。

それほどユニクロには中毒性があります。

この中毒性が外出が減ることによって、ますます多くの人にとって高まるのではないかと想像しています。

以上からユニクロの強みをまとめますと、一つはライフウエア、人々の生活に密着した服装を作っている事。

それからGUという、更に格安ブランドを持っている事で、部屋着など簡単に着る服としては非常に有用性があるという事。

更にはオンラインショッピング。

かなり力を入れていましたし、そもそもデザインはともかく、品質に関してはかなり安心感があります。

全く知らないブランドでしたら、実際に手にとって触ってみないと分かりませんが、ユニクロだったら最低限のを品質は満たしているので、その点は安心して買う事が出来ます。

長期的な成長を考えるとこの辺に非常に大きな強みがあるので、これを見越した投資家は長期で持つ為に買っている可能性があります
 
 
日銀の下支え

しかしそれだけではなくて、ユニクロには更に株価を下支えるする要因があります。

それが日銀のETF買いという事になります。
 


これが業績予想発表前後のファーストリテイリングの株価なんですが、4月の9日に業績を発表して、株価は上昇するという状況になっています。

こうやって見ると、当日の終値から基本的には上の方で推移しているという事にになります。 

これは普通に考えたらおかしいです。

業績が下がると言っているのに、株価が上がるという、株価はこれだけ難しい動きをするという事です。

しかも現時点でのユニクロのPERは50倍を超えているんです。

前期で計算しても30倍ぐらいあります。

非常に割高なので、この状況で売られないというなかなか不思議な事になっています。

その秘密を解く鍵は日本銀行のETFの購入という事があります。

アベノミクスで日銀がETFを買う事によって、株価を押し上げてアベノミクスを達成したという側面があります

それがただ一方では、個別の企業、特にこのファーストリテイリングのような株価を歪めているとも言われています。

それは日経平均の構成率を見るとよくわかります。

日経平均というと構成銘柄225銘柄の基本的には単純平均、株価の平均という事になります。

一般的な株価というのは大体2000円弱ぐらいなんですが、ファーストリテイリングは5万円もあります。

2000円に対して、5万円もあると単純平均ですので、これだけでファーストリテイリングの株価が動いただけで、日経平均の株価も大きく動くという事になっています。

それが特にファーストリテイリングは突出していて、9.1%日経平均を構成しているという事になります。 

つまり逆に言えば、日銀が1兆円のETFを買うとしたら、その中にファーストリテイリングは1000億円分入っているという事で日銀が結果的には、たくさんファーストリテイリングの株を買う事になります。

ソフトバンクや東京エレクトロンと並んでいるんですが、ほぼ2倍近くの高い構成率になっています。

これによって何が起きるのかというと、日銀がETF買うと、これがそのままファーストリテイリングの株の下支えをするという事になります。
 

これは、過去3年間のPERの推移なのですが、これにつきましては下がっても30倍、40倍という非常に高い水準で推移しています。

ファーストリテイリングはそもそも業績は調子いいのですが、もし高値で高いPERで買ってしまったとしても、ある程度下がった段階には日銀が買いを入れるだろうという思惑が働いて、そういう意味では安心して買えるというある種のモラルハザードが起こっていると考えられます。

その結果、株価が本来下がってもおかしくない所で下がらないという状況がずっと続いてきた訳です。
 
 
買おうにも買えない、が、チャンスはある!

ファーストリテイリングは優良な銘柄なんですが、一方で私たちバリュー株投資家というのは良い銘柄が下がった時に買いたいのです

しかしこうやって日銀に先に買われてしまうと、なかなか我々が買える水準まで下がらない、PERは30倍より下には行かない訳です。

するとどうしても、欲しいのに買えない。

つまり投資家のチャンスを日銀は奪っているという事も言えます。

本当に良い銘柄と思っていますので、下がった時には、本当に買いたいと思って買う投資家がいる訳です。

私としてはそれを決して妨げないで欲しいなという風に思うばかりです。

では、今後ユニクロのファーストリテイリングの株価はどうなるかという事なんですが、新型コロナウイルスがどこまで続くかわかりません。

長引けば長引く程、悪影響を及ぼす事は間違いないのですが、一方でファーストリテイリングは現金を1.8兆円も持っていますし、また先ほど説明したようにGUやオンラインでの買い物によって、このような環境下でもある程度安全性を持って事業を続けられると思います。

だから将来的には心配ありません。

一方で予想出来ない事があって、株価が大きく下がるとしたら、それはチャンスとなります。

そうなるとまた日銀が買ってくるのではないかと思うかもしれませんが、実は状況少し変わっています。

これまで流石に日銀がファーストリテイリングを、買い過ぎで株価を歪めているという話がありましたので、それに関しては是正されています。
 


もともとトータルで6兆円買ううちの56%は日経平均連動の物を買う、つまり6兆円の半分3兆円の更に10%、3000億円はファーストリテイリングの株価を買うという風になっていました。

しかしこの日経平均、歪んでるよねという事でどんどん乖離率を下げてきて、今では11%程度という事になっていて、買い自体はかなり少なくなっています。

これでファーストリテイリングの株を買う数が少なくなったら、いよいよこの株価の調整が効かなくなって、下がる可能性も無きにしも非ずかなと思います。

もっとも株価はどう動くかは分かりません。
 
しかし、ファーストリテイリングが良い銘柄なのは変わりませんので、私達としてはもし下がったら買いたいと思ってじっくりと待つまでという事になります。

それ程、長期投資は待つという事が非常に大切になる訳です。

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