新型コロナでハイパーインフレは起こるか!?1929年世界恐慌後の経済状況を踏まえて解説。今こそ財務省は頭のネジを外してお金をばらまくべき。来たるべきインフレに備えよう!

YouTubeに動画をアップロードしました!

以下、文章化したものです。


つばめ投資顧問の栫井です。

今、新型コロナウイルスの影響で世界中の企業が売上が立たずに資金繰りに窮しています。

このまま行くとあらゆる企業や個人が破産しかねない状況になっています。

世界中の国々は給付金でなんとかこの急場を凌いでもらおうとしています。

また、お金を貸し出す事によって、資金繰りを間に合わせようとしています。

しかしこのような状況が続くと、世界はとんでもないインフレになってしまう事が考えられます。

私たちはこのような状況から、いかにして自分たちの資産、生活を守っていけるのかという事についてこの動画ではお話ししたいと思います。
 

まずはこの急場を凌ぐ

日本の話をしますと、今日本中に緊急事態宣言が出されて、多くの都道府県で外出禁止などの指令が出ています。

特に新型コロナウィルスの影響はひどい所では、営業自粛の要請なども出て、実際に実質的に営業出来ない店舗が次々と出ています。

政府や地方都道府県は、全国民に10万円を給付するというようなことも言っていますが、新型コロナウィルスが、どこまで長続きするのかわからないので、一瞬は凌ぐ事は出来るかもしれませんが、そこから長い期間戦って生き残っていく事はこれだけでは難しいです。

しかしそれで多くの企業が潰れてしまうという事になると、経済がガタガタになって大混乱を迎えてしまいます。

政府としては何としても、そういった状態だけは避けなければなりません。

したがってこれから政府に求められている事は、少しでも国民や企業にお金を配って、この急場でなんとか死なずに生き残ってもらうという事になります。

しかしこれに反対するのが財務省です。

財務省は世界的に見ても、高い国債の水準を気にしています。

ですから国債をなるべく出させたくない、これが財務省の思惑なんですが、そんな事を言っている間に、多くの企業や個人が経済的に困窮して人によっては命を絶ってしまいかねない状況です。

確かに教科書的に言えば、このお金を出しまくって国債の価値を暴落させると、ハイパーインフレを引き起こしかねませんから、あってはならない事、やってはいけない事だと教科書では習います。

じゃあそんなことを気にしていたら、今目の前で新型コロナだけでなく、経済的に死んでしまう人が多く出てきます。

だからこそ、財務相は今一旦頭のネジを外して、何とか目の前の急場を凌ぐと事を考えなければいけないと思います。

既に日本では、このお金を大量にばらまく仕組みは既にあります。

企業が銀行や政府系の金融機関からお金を借りたとします。

それに対して国が保証を付ける、もしこれが返せなくなったとしたら、国がそれをお返ししますといういうような形で銀行にお金を出させます。

そしてこの国は国債を持って、借金が返せなくなったとしたら、国債を発行して補填するという事になります。

国債というのは一旦は銀行が引き受けて、それを更に日銀が買い取るという形で、実質的には、財政ファイナンスと言われるものなんですが、これに日銀が発行したお金を市場にばらまくという事が可能になります。

この財政ファイナンスの仕組みは、アベノミクスで既にに使われましたが、私はこれに対してはあまり賛成ではなくて、財政ファイナンスはやってはいけない考えています。

この急場においては、この仕組みを使わない手はないと考えています。
 
 
インフレ発生の可能性

もっともこれを続けて、しかも新型コロナウイルスどんどん長期化するという事が想定されるので、これを続けると何が起きるのかというとインフレです。

国が国債をたくさん発行して、お金が市場に大量に溢れる事になると、お金の価値が目減りしてしまいます。

これ決して夢物語という訳ではありません。

戦前戦後の日本で実際に起きていた事です。

それが起きたのが1929年世界恐慌以降の話です。

今もそれに近い状況になりかねないと言われています。

世界中の景気が一気に悪化してしまって、不景気になってしまいました。

すると国は国債を発行して、それを日銀が引き受ける事によって国内に大量にお金をばら撒きました。

実際にそれで一回景気は潤って、空前の好景気を迎えます。

しかしやがて、そのままの仕組みを持って戦争に突入してしまいました。

どんどん国債を発行し続けるという事になってしまいました。

結果1945年〜1949年にかけて、物価が100倍になるという、まさにハイパーインフレを記録しています。

ハイパーインフレの話をすると、多くの人から聞かれるんですが、政府が預金封鎖、つまり預金を引き出せないようにするのではないかと言います。

しかし私はそれは簡単には起きないと思っています。

なぜなら現憲法下では、個人の私有財産権というのが認められていますので、預金を封鎖して、政府をは没収するという事は出来ません。

しいて言うならば、預金から財産税、預金の何%かを税金として、徴収する事は法律を通せば出来ますが、没収する訳ではないので、心配をする必要はありません。

一方で考えられるのが、円を切り替える事によって、表面上は変わらないのですが、実質的にはインフレを起こすという手段です。

例えば福沢諭吉の1万円が10枚ないと2024年に発行される予定の渋沢栄一の1万円に交換が出来ない事になってしまうと、それは新円切り替えと言います。

それに交換できないという事になってしまうと、これは表面上1万円ですが、実質的には10倍のインフレを起こすと言えます。

それが2024年に福沢諭吉から渋沢栄一には切り替わるので、このタイミングで政府はそういったインフレを起こそうとしてるのではないかと言われています。

くしくも、この新型コロナウイルスの影響で、その2024年という数字が現実味を帯びたタイミングになっています。

したがってこのような動きから見ても、日本はこれからインフレになるのではないかと考えて、多くの人は対策を打たなければならないと考えます。
 
 
インフレで損をしないために

インフレになると、実は国にとっても良いんです。

物の値段が下がるという事は、借金の金額も目減りする事になります。

国は今、1000兆円以上の借金があります。

けれどもこれがインフレによって、10倍のインフレが起こったとしましたら、実質的には、その1000兆円が100兆円に目減りさせる事が出来ます。

これで一気に国の債務問題は解決する事になります。

しかし一方で、割りを食う人もいます。

まずわかりやすいのが債権者です。

国債を買っている人は持っている国債が紙くずになってしまいます

国が得しているのの反面、その債権者というのは損をしてしまいます。

それが銀行だったり、金融機関という事になります。

またこれは国債に限った話ではなくて、一般の借金についてもそう言えます。

つまりお金を借りている人は実質的な借金は目減りさせる事が出来ます。

逆にお金を貸している人は、その債権が目減りしてしまう事になります。

これは損を被る事になります。

したがって、今どちらかというと人々がした方が良いのは借金をする事です。

固定金利が条件になります。

固定金利で借金をしてしまえば、やがてインフレになった時は実質的な債務を目減りさせて、つまり給料が10倍になって、借金は変わらないという状況になります。

ですからお金を使って、例えば家を買うとか車を買うとか、そういった事は消費を潤して、経済を回すことにもなるので、この後新型コロナが落ち着いた時には是非やって欲しいと思います。

更に言うと、すでに資産がある程度ある方は、これを現金で持っていった場合には、それ自体が目減りしてしまい、現金が紙くずになってしまいます。

そうならないようにインフレに従って、価値が増えるような物を持たなければなりません。

例えば実物資産ですね。

車とか家はそれに該当します。

不動産屋や株などの金融資産もインフレに強い資産です。

現金で持つ事は一番やってはいけません。

あと外貨という選択肢もあります。

こういった資産で固めるという事が、これから起こり得るハイパーインフレへの備えになります。

実際にハイパーインフレが起こるのかどうかというのは、これはもうその場になってみないとわかりません。

それを否定する人もいます。

しかしそれを否定したところでしょうがない訳です。

起こる可能性があるので、それに対して最大限の備えをする事がリスク管理の上で最も重要になります。

もしハイパーインフレが起こらなかったとしても、例えば株でコツコツ運用していれば、プラスの成果は得られるでしょう。

そういった事の為に資産運用のアドバイスをしています。
Print Friendly, PDF & Email

気に入ったらシェアしてもらえると嬉しいです!

コメントを残す

Popular Article - よく読まれている記事Popular Article

  • 【紅麹問題】それでも小林製薬の株価はなぜ暴落しないのか
    今回は小林製薬を改めて取り上げます。 前回、小林製薬を取り上げてから約3ヶ月が経ちましたが、そこからの進捗と、今何が起こっているのかを示して...
  • 本田技研工業 配当利回り4% PBR0.65倍は投資チャンスか?
    本田技研工業(以下、ホンダ)の株価が好調です。 出典:株探 月足チャート 過去20年の平均PERは約10倍ですが、24年7月9日現在のPER...
  • 配当利回り 3.4%のキリンHDに投資して良い?成長性を考える
    今回は国内大手のビールメーカー、キリンホールディングス(以下、キリン)を分析します。株価は2018年にピークをつけた後、2,000円前後でほ...
  • ヤクルトの株価下落が止まらない!その原因と今後の見通しをアナリストが解説
    今回はヤクルトについてです。 ヤクルトの株価が下落し続けていますが、その理由と今後の見通しについて解説したいと思います。 長期的に成長してい...
  • 次の出世株を探せ!中小型株編【1】
    普段私が取り上げている企業は、やはり皆さんが注目する企業ということになりますが、実際の投資は必ずしもそういった動きにはならないかもしれません...

Article List - 記事一覧Article List

カテゴリから記事を探す