【塩野義製薬】新型コロナウイルス薬開発できるか?感染症に特化したスペシャリティ・ファーマの矜持。株は今からでも買えるか?

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以下、文章化したものです。


つばめ投資顧問の栫井です。

今日は塩野義製薬について解説したいと思います。

塩野義製薬というと感染症や疼痛、神経痛に特化した製薬会社です

この会社が新型コロナウイルスのワクチンの開発を始めました。

果たしてこの銘柄の株は今買いなのかどうかについて見てみたいと思います。

製薬会社の2つの種類と「医薬品」の難しさ

製薬会社は世界的に今2つの大きなパターンには分けられます。

一つが『メガファーマ』と呼ばれていて、世界中で幅広く展開して、買収に買収を重ねて、どんどん大きくなっている企業達です。

ここに含まれるのがロシュやファイザー、ノバルティスなど皆さんも耳にしたことがあるような世界で活動する、錚々たる製薬会社です。

これらはあるゆる分野の薬を持って事業を安定拡大させようとしています。

一方で『スペシャリティファーマ』と呼ばれる特定の病気や分野に特化した製薬を開発する企業があります。

ここに含まれているのが日本でも中堅と呼ばれる塩野義製薬や小野薬品工業、あすか製薬と呼ばれるようなところです。

これらは開発をする得意分野に特化する事によって、薬を開発する事で生き残りを図っています。

一方でこの二極化の流れがある中でこの間になってしまうと、どっちつかずになってしまいます。

そもそもこの薬の開発というのはかなり確率が低い物だと言われています。

なので一種類の薬の開発だけ目指していって、それが失敗してしまうと以降の売上が全く立たないような事も想定されます。

それだけ医薬品の分野というのは難しいです。

だからこそ何でも取り込むメガファーマが、「これがダメでもあれがある」というような形で大きくなっています。

一方でスペシャリティファーマは他には作れないような薬を作って、なんとか生き残りを図るという戦略があります。

この中間に値する、どちらかと言うとメガファーマを目指しているのが武田製薬です。

武田はまだまだ中途半端な位置付けです。

しかも買収に非常にお金をかけました。

メガファーマも非常に多額のお金を買収にかけ、研究開発にかけていますが、武田は厳しい状況に陥っています。

塩野義製薬の業績は?「選択と集中」の経営戦略

話を塩野義製薬に戻します。
 


業績を見ますと、ここのところ非常に好調です。

特に営業利益。

赤の折れ線グラフを見てください。

ここ5年ぐらいで右肩上がり、倍以上の金額になっています。

これは高コレステロール血症治療薬のクレストールという薬がヒットしたからです。

製薬会社は色々やっているように見えて、実は一つの商品に頼り切っている状況があります。

塩野義製薬についてもご多分に漏れず、このクレストールという薬がヒットしたおかげで業績が大きく伸びました。

それが業績に与える影響は非常に大きいです。

その分野でトップを取る、その分野を独占するような薬の事を、業界用語で『ブロックバスター』とを呼ばびます。

この製薬企業というのは、いかにこのブロックバスターとなる薬を開発するかどうかが勝負となってきます。

クレストールだけでなくて、抗HIV薬のドルテグラビル、皆さんも耳にした事がある物としてはインフルエンザ薬のゾフルーザなどが塩野義製薬の業績を支えています。

ただし、この特定の薬というのはリスクもあります。

薬の特許は一般的に10年の期間ですので、売り始めて10年経つと同じ効能を持ったジェネリック薬品が売られてしまうので、一気に売り上げが落ちてしまう事になります。

これを『パテントクリフ』といい、それによって業績が大きく悪化してしまうというリスクがあります。

クレストールが2023年、それから抗HIVドルテグラビルが2028年となります。

そのパテントクリフを見据えて投資家は下手に買いを入れられない状況もあります。

株価の方を見てみましょう。
 


これは過去5年の株価なんですが業績が大きく伸びているのに対して、株価はなかなか上がらないという状況が続いています。

これは投資家が特許切れの問題を強く意識しているからです。

その結果業績が伸びているにも関わらず、PERは13倍と割安に見えます。

しかしこのまま特許が終わって新しい薬が開発されなかったとしたら、利益は減ってしまいますので、この13倍というのもある意味頷ける数値ではあります。

じゃあこの特許切れ問題を塩野義はどのようにして乗り越えようと思っているのかが戦略という事になります。

塩野義はスペシャリティファーマーとして、先ほど言いましたように感染症や疼痛、神経痛といった病気に特化しています。

これ今まさに新型コロナウイルスの流行っていますが、これが感染症に該当します。

今後似たような感染症が出てこないとも限りません。

こういった分野だったらきっと今後も需要が続き、更には疼痛や神経痛といった人々を悩まし続ける病気というのはこれも薬の需要はどんどん増えます。

そこに特化して、ヒットする薬を生み出そうということで研究を続けています。

さて、この感染症の薬を開発しているという事で、まさに新型コロナウイルスを開発するというのは塩野義製薬にとっては、絶対にやらなければならない事です。

「塩野義製薬新型コロナ予防ワクチン開発を正式決定」というニュースも出ました。

どの薬品会社も今新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発を行っています。

もともと感染症に特化した薬を開発している塩野義にとってはまさに自分の分野なんです。

もちろんこのワクチンの開発というのは成功率がものすごく低いので、塩野義が開発できるかどうかというのはわかりません。

けれどもその土壌は少なからずあります。

塩野義は非常に経営が優秀だと見ています。

2008年から社長をやっている手代木さんという方が評判が非常に良いです。

この会社の何が問題で、それを乗り越えるにはどうしたらいいか、選択と集中の戦略それもスペシャリティファーマ専門分野に特化した開発という事でそれ乗り越えようとしています。

その戦略が明確で『選択と集中』という、経営の基本を押さえて、それを実行している会社と私は考えています。

新薬開発で中外製薬のようになれるか

私は薬の専門家ではありませんので、塩野義が本当に新型コロナウイルスの薬を開発出来るかどうかというのははっきりと申し上げる事は出来ません。

しかしもし開発出来たとしたら、その時は非常に大きく株価が上がります。

その例となっているのはこれから上げます中外製薬の株価の推移です。
 

中外製薬は血友病の薬、ブロックバスターとなる薬の開発に成功しまして、この1年で株価がおよそ2倍になるという、大きな成長を遂げました。
もし新薬を開発することが出来ればという、期待も相まって株価が上昇する事が想定されます。

新型コロナウィルスでなくても、人々に必要とされる薬を開発する事が出来れば、株価の上昇が期待出来ます。

現状の株価を見ますと好調な業績に対してPERが13倍なので、ものすごく割安とは言えないかもしれないですけど、またヒット商品を生み出す事が出来れば更に大きく株価は上昇するということが考えられます。

それは経営手腕だったり、研究開発の成功にかかっています。

新薬会社への投資は、ある種のギャンブル性が伴っていると言わざるを得ません。

ですけれども、そこに夢を持てば、もしその投資金がなくなってもいいというぐらいに思えるのであれば十分に投資対象となりうる会社ではないかと思います。

財務は優良ですからすぐに無くなってしまうという事がない会社です。

一つ投資のアイディアとして面白いのではないかと思います。

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