まだ保険で消耗してるの?

保険について本気で考えたことはありますか。もしかして、会社に営業に来た綺麗なお姉さんの言われるままに高額な保険に入っていたりはしないでしょうか。そんなあなたは保険会社に無駄なお金を支払っている可能性があります。

保険ショップでは不要な保険はわからない

「保険の見直し」というと、最近では街中の保険ショップ(「ほけんの窓口」「ほけん見直し本舗」など)がすっかりおなじみです。

しかし、こういうところへ行ったところで、あなたに「不要な」保険を教えてくれるわけではありません。彼らは結局見直しにより新たな保険を契約することで手数料を得ているので、その保険が「いらない」と言ってくれる可能性は非常に低いのです。

もちろん、保険会社そのものの営業は論外です。彼らは自分の会社にとって一番収益性の高い商品を売りつけて来ます。保険会社に限らず、証券会社を含めた金融機関の営業は大部分がそうなので、注意したほうがいいでしょう。

医療保険はいらない可能性が高い

いらない可能性の高い保険が「医療保険」です。もしあなたが病気になったとしても、かかるお金はそんなに多くありません。社会保障でサラリーマン家庭の医療費は3割負担となっていますし、手術などで支払いが高額になったとしても、「高額医療費制度」で月に支払う金額は最大約8万円で済みます。

高額医療費制度で賄えないのが入院に係る差額ベッド代です。しかし、これは原則として拒否できるものですし、仮に支払うとしても、医療技術の進歩や病床数の関係で入院日数は年々短くなり、8割以上が1ヶ月以内での退院となっています。差額ベッド代が1日5,000円だとしても、1ヶ月で15万円程度です。

仮に、手術をして差額ベッド代5,000円の部屋に1ヶ月入院した場合、費用は総額約23万円です。全く貯金がない人だったら保険に入っていたほうがいいでしょうが、100万円程度ある人だったら生活に困るほどの金額ではないでしょう。

医療保険をはじめとする掛け捨て型の保険は保険会社が儲けるしくみになっています。アフラックがあんなにたくさんCMを流すのには裏があるのです。入ったほうがいいのは、健康に自信がない人と、健康でも妊娠により予期しない長期の入院の可能性がある女性といったところでしょう。

保険はテールリスクに備えるもの

保険が本当に必要なのは、生活に困るほどの大きなリスク(テールリスク)に備える場合です。テールリスクとは、発生する可能性は低いものの、ひとたび起きると重大な影響を及ぼすもののことです。例えば、子供がまだ小さい時に、一家の大黒柱である父親が亡くなってしまうのはテールリスクと言えるでしょう。

上記の例にあるように、大黒柱が亡くなった場合に遺族にお金を残す生命保険は必要です。亡くなる年齢が若いほど大きなお金が必要なので、一括払いではなく亡くなってから一定の時期までお金が支払われる「収入保障保険」が適しています。これだと、通常の生命保険よりも月々の支出を抑えることができます。

あと、保険に入るとしたら節税のためです。個人年金は貯蓄型であり、年間8万円払えば4万円が所得控除となります。金額は小さいですが、節税効果による利回りは大きくなります。いざという時には解約により取り崩すことができるのでおすすめです。

お金に自由を!

私がこれだけ保険に対して懐疑的なのは、「お金」の大きなメリットを放棄することになるからです。そのメリットとは、使用目的の自由です。お金に色はないので、金額さえ足りれば何にでも使うことができます。

保険に払っていたお金を貯蓄や投資に回していつでも引き出せるようにしておけば、いざという時の備えにもなりますし、海外旅行に行くこともできます。保険という「死に金」にしてしまうのはあまりにももったいないのです。

お金があれば何でもできるいやらしい言い方になってしまいましたが、いらない保険はスパっと切って、その分を投資に充てることでお金持ちを目指しましょう。

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執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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