この記事を作成している2022年11月24日。
昨晩行われましたカタールワールドカップで、日本がドイツを下して歴史的勝利をあげました。
まだその興奮が冷めやらぬ状態です。
今日はそれにかこつけてというわけではないのですが、株の方でも日本が世界に誇れる企業があるはずだ。
そういった企業は一体どういう特徴があるのかということを分析してみました。
特に今回注目したのが、半導体製造装置。
日本は半導体製造装置で、高いシェアを持つ企業がたくさんあるのです。
なぜ高いシェアを持つに至ったのか。
それぞれの企業を分析していると、その要因というものが共通項として浮かび上がってくるわけです。
今日は特に半導体製造や製造業に関して、どのような企業がすごいのか、すごい日本株なのか。
日本という国の特性も絡めて、なぜ強いのかということを見ていきたいと思います。
ぜひこのワールドカップの折、見ていただければと思います。
目次
半導体製造装置で高シェアを誇る日本企業
実は半導体製造装置で、高シェアを誇る日本企業はいくつかあります。
確かに半導体の最終製品を作っているところと言えば、Intel、サムスン、台湾のTSMCになります。
それらの会社に半導体を作るための装置を供給しているのが、日本企業に多くあるわけです。
半導体製造装置というのも、実はIntel、サムスン、TSMCだけで半導体を作れるわけではありません。
製造装置は、上に置く機械がないことには作れないのです。
そこで高いシェアを持っているということは、彼らにとってもなくてはならないという意味で、競争力がある。
下請けという位置づけにはなるのですが、競争力は非常に高い。
なぜなら、なくてはならない、他に頼むことはできない存在だからです。
東京エレクトロン
そういった企業をいくつか挙げてみますと、例えばコータ/ディベロッパというところでは、東京エレクトロン。
89%のシェアを持つ。
レーザーテック
それからフォトマスク欠陥検査装置。
特にEUVという分野。
細かい波長のものに関しては、レーザーテック。
これは100%のシェアを誇って、高い収益あるいは高い株価成長も遂げています。
ディスコ
さらにはダイサ。
半導体のできたものを切断する。
こういう技術を持っているのがディスコ。
これも100%のシェアを誇る。
シェア100%。
経済を学んだことがある人ならわかると思うのですが、一つの分野で100%のシェアを取るというのは、とんでもないことです。
なぜなら普通はそこの利益が出て、企業も利益を出しているのですが、利益が出るところは参入したら非常に美味しいわけですから、多くの企業が参入したいと考えるのです。
しかし、このような企業は独自の技術だったり、あるいは何らかの参入障壁を持って、他の企業が入れないようになっているからこそ、こういった高いシェアを誇っているわけです。
この高いシェアをもとに、これらの企業は成長を遂げてきました。
株価推移(10年)
特に半導体というと、市場そのものがスマートフォンの普及や、PCあるいはIoT。
車の自動運転など、様々なところで半導体が使われるようになってから、市場自体はものすごく拡大して、半導体製造装置という市場も大きくなっている。
そこでシェア100%ですから、30%~40%といったものすごい利益率を出しているのです。
当然株価も大きく上がりました。
10年の株価推移で見ますと
東京エレクトロン:約12倍
レーザーテック:約150倍
ディスコ:約10倍
というところで、ものすごい伸びてきているわけです。
これらの企業をひとくくりにしてしまえば、今半導体がとにかく調子いいということです。
一方では同じ半導体でも、例えば日米半導体競争と言われて、かつては東芝もそうですし、NECもそうです。
様々な日本の大手企業が半導体をやっていた時期があったのです。
ところが日米半導体競争というのがあって、アメリカからこっぴどく叩かれたということもありますし、そうでなくとも、半導体の競争から脱落してしまった企業もあるわけです。
すごい日本株の特徴
ではそんな中で、なぜこの企業たちは生き残ってこれほどまでに成長することができたのか。
一社一社見ていきますと、その理由がなんとなくわかってきたような気がするのです。
それを簡単に「すごい日本株の特徴」ということでまとめます。
まず確かに言えるのは「一所懸命」ということです。
これは「一生懸命」(のもとになった言葉)歴史の授業で習ったかもしれません。
特に鎌倉時代で、自分の領地を守るために必死になること。
これを「一所懸命」という言葉で表したのが、今の一生懸命の語源になっています。
今挙げたような企業は、とにかく特定の分野に特化することで、他には手を広げない。
一方でその分野に関しては、自分の会社が一番であるという状況を作り上げたのです。
例えば東京エレクトロンだったら、まさに半導体製造装置半導体の下流とか、そちらには手を出さず「製造装置で世界一になる」ということに、とにかく特化した。
レーザーテックは、もっと極端です。
レーザーを使った半導体の検査という、ものすごくニッチな分野に特化する。
そこの研究開発を続けてきた結果、EUV光によるフォトマスク検査装置が大きく伸び、業績が爆発的に伸びたという側面があります。
それは半導体の微細化。
とにかく小さくなるというところにも応じているわけです。
そこまで先を読んだのかわかりませんが、「とにかく自分が一番になれるこの分野だったら負けない」というところに特化したのです。
ディスコに関しても、とにかく切るとか、磨く。
まさに磨き続けた結果、ここではシェア100%。
ものすごい小さい半導体をカットする技術を身につけられるのは、ディスコしかいないという状況になっているのです。
すなわちこの「一所懸命」をまさにしっかりとやっているところが挙げられます。
顧客志向
さらには顧客志向。
当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、これらの企業については特徴があるのです。
半導体製造装置のお客さんというと先ほども挙げました、Intel、サムスン、TSMC。
特に最先端の部分に関しては、この3社にほぼ限定されるのです。
しかも最先端。
ものすごい小さいものを作るという技術ですから、彼らのニーズに徹底的にある意味答え続けたのです。
しかも後ほど話しますが、この半導体製造装置で使う商品は、小さいだけでなくてすごい精密な環境。
清潔な環境というのが求められるのです。
なぜかというと、例えば少し埃でも入ろうものなら、小さい半導体はそれだけでショートして、製品が駄目になってしまう。
あるいはその製品を作っていくにあたっても歩留まり、不良品が作った中でどれだけあるか。
この不良品があまりに多くなってしまうと、そもそも商品として成立しなくなってしまいますから、そこの正確さ、精密さがものすごく求められるのです。
当然Intelとかはそれを要求してくるのですが、それに答え続けられたからこそ、生き残ってきたという側面があるのです。
逆にそういった要望を、なんなら先回りしてどんどん作っていく。
諦めることなく製造を続けるということで、成長を続けてきたというところがあります。
強い経営者
さらには強い経営者。
これらの企業いずれを見ても、ほぼ間違いなく、1人の強い経営者。
もうその企業といえばこの人みたいな、経営者がいて、その人が道筋を示して、その他の社員はそれに従っていくというところが全てあります。
レーザーテックなどは、例えば15年もの長期計画を立てて、1人の社長がいる在任期間に、その15年もの計画に向かって、ひたすら同じ分野をやり続けるという覚悟を示しているわけです。
特にこの分野に関しては、三つが必ず揃っていました。
もしかしたらこの分野でなくても、この三つのことは言えるのではないかと思います。
もちろん、これがあるからすぐに株価が上がるというわけではありません。
株価も業績もそれが成果を発揮するまでには、かなりの時間がかかるというのも確かです。
例えばレーザーテックを見ましても、結果的には150倍になってますけれども、この2014~2018年というところはほとんど上がってないのです。
要するにEUV光による検査装置が完成するまで、なかなか日の目を見なかったわけです。
ところがそこで続けてきた結果、ようやく日の目を見たわけですが、これを2年とか3年とかでもう駄目だということで、諦めてたらこの成功はなかったわけです。
これを実現するためには、やはり一所懸命が必要だし、顧客の要望が必要。
それから強い経営者。
これを四半期ごとに「もうやめるのか?どうするか?」みたいなことをやっていたのでは、続けることはできなかったはずなのです。
こういった特徴が挙げられます。
半導体最強TSMC、強みは「台湾」
ここまで半導体製造装置の話をしましたけれども、その中で一つ半導体という分野で今ちょっとホットなのがTSMCです。
なぜホットかというと、あのウォーレン・バフェットがTSMCにおよそ5000億円以上も投資していることが判明したからです。
私もそれを深堀りしている中で、この会社(台湾の会社なのですが)そもそも台湾という国に、大きな強みがあるのではないかということが明らかになってきたわけです。
TSMCを知らない方のために簡単に紹介しますと(別の記事「バフェットも買った!半導体株は底を打ったのか?」でも紹介してるので、そちらもご覧いただきたいのですが)半導体の最先端を走っている会社です。
皆さんあまり耳にすることないかもしれません。
それはある意味、世界最大の半導体メーカーでありながら、黒子に徹してるのです。
ファウンドリーといって、設計とかブランドは別の会社。
例えばアップル、AMD、NVIDIAといった会社が供給している商品。
その製造を請け負ってる会社なのです。
その製造技術というのが高くて、インテルとかに先駆けて、3nmとかの、より小さい製品、小さい半導体を作れるようになったわけです。
それで高い収益と成長を遂げているのですが、これができたのも、台湾という国の強さがあるのではないかと考えられるのです。
強み① 理系人材育成を強化
台湾が、今何をやってるのか。
この20年の話なのですが、特に政治としてやってきたのが、理系人材育成を強化です。
台湾、小さな国です。
九州ほどの面積しかない国です。
しかも、中国からの脅威に常にさらされている。
これを守るためには、国力を強化しなければならないという切実な思いがあるわけです。
じゃあどうやって国力(を強化していくか)。
とにかく軍事力というのはもちろんなのですが、経済力をつけて、それも糧にしなければならないわけです。
どうやってそれで立国をしていこうかと考えたときに、理系人材強化をやったのです。
実は台湾には、徴兵制があるのですが、理系の大学に行けばその条例が免除される。
例えば韓国とか、あるいは徴兵があるロシアの現状を見ていると、とにかく徴兵に行きたくないって人はいっぱいいるのです。
じゃあどうしたらいいか、理系の大学に行こう。
勉強しようということになるわけです。
それで、TSMCは半導体製造。
まさに理系の研究開発もそうですし、製造もそうです。
理系人材がものすごく重宝される分野ですから、そこに人材が大量に供給されることになるというわけです。
強み② 真面目な国民性
そして台湾はまだ発展途上国という位置づけでもありますし、根は日本人に近くて、真面目なのです。
工場ですから、3交代制。
この半導体の工場は、本当に24時間稼働。
そこでとにかく真面目に熱心に働く。
TSMCは給料も台湾の中では高いと言われているのですが、そこで真面目に働く「シフト星人」という人がいる。
ということが言われているのです。
シフト星人。
もうとにかく熱心に働くワーカーホリックな人です。
もちろんアメリカでもそういう人がいないことはないのですが、アメリカでこれをやろうと思ったら、かなり高い給料を払わないと来てくれないのです。
そりゃそうです、アメリカはある意味ITなんかが発達して、おそらく工場でもせっせと働くよりも、IT系企業で一発当ててやるという方が、もしかしたら儲かるかもしれないです。
そんな中で、工場勤務なんかやってられないと。
それをやらせるんだったら高い金を払え、ということになるのです。
強み③ 給与が抑えられる
ところが台湾では、発展途上国ですから、台湾でやる限りは給料を抑えられるというところがあるのです。
逆に今、台湾のTSMCが地政学リスクなどもあり、アメリカで工場を作ろうとしてるのですが、アメリカではなかなか人が集まらない。
もし来たとしても、台湾人のようになかなか真面目に働かないというところがあるのです。
それで、例えばTSMCの創業者(今は経営の一線から退いてるのですが)は「アメリカで、少なくとも同じコストでやっていくのは難しいだろう」ということを言っているのです。
だから、やはり台湾に工場が立地して、台湾人がやっているということが、TSMCの大きな成功要因のひとつだと考えられるわけです。
日本の強みと弱み
このように国の特徴と企業の成長力というのは、一部リンクしているところがあると考えます。
じゃあ日本企業ってどうなのか?
日本でどうなのか?
というところを、もう一度考えてみたいと思います。
主に人の性格といったところで、挙げさせてもらいました。
例えばこれが全部がそうだとは限りませんし、例外はもちろんあると思うのですが、一例として挙げさせていただきました。
日本の強み
例えば強みとしては、日本人に言われる
- 規則正しさ
- 清潔
- 真面目
- 職人気質
- 粘り強さ
というところがあるのではないかと思います。
これはどういうことかというと、特に製造業に関しては、ものすごく活きるものなのです。
製造業のラインで働くということは、規則正しくないといけないですし、半導体みたいな精密なものが要求される分野では清潔感。
これが絶対大事なのです。
日本人はまず家に上がるには靴を脱ぎますから、アメリカに行くと逆にそれすら当たり前ではないので、それを徹底しなければいけないところから始まるという大変さがあるわけです。
さらにはラインで働くには真面目さ(が必要)ですし、あと職人気質というのはどちらかと言うと研究開発の分野だと思います。
さっき一所懸命という話がありましたが、一つの分野を徹底的にやり抜くみたいな、そういうところが必要になってくるのではないかと思います。
それから粘り強さです。
さっき顧客志向と言いましたが、顧客が結構厳しいことを言っても、それにハイと言ってなんとかついていくというところがあると思います。
これがあくまで一般論ですけれども、欧米人だったら、そんな無茶苦茶言うんだったらもうやめた、となってしまうのではないかと思います。
それも一つの強みなのではないかと思います。
特に言い切れるところは、一例として挙げたクリーンルームです。
写真を見ていただきます通り、ホコリ一つない世界で、研究あるいは製造を行っている。
これをやり続けられるというのは、日本人一つの特徴であると思います。
研究開発についても、さっき給料の話もしました、アメリカで一流の研究者を雇おうと思ったら、正直年収2000~3000万は当たり前に払わないといけない。
なぜならアメリカの大学に行くということは、実はアメリカの大学の学費はすごく高い。
しかもそれを入るために、学生たちはローンを背負ってまで大学に行っているのです。
かなり高いです。
そのローンを返そうと思ったら、高い給料の会社に入らないといけない。
そうなってくると必然的に給料上がるわけです。
ところが日本だったら、年収が1000万もあれば高いとなります。
実際に先ほど挙げたような企業の給料を見ると、平均で1000万円を超えてる。
確かに高いのですが、アメリカに比べたらかなり安いです。
だからそういった意味で、コスト競争力もあるのではないかと考えられます。
日本の弱み
一方で弱みというのもありまして、大体対になっているのですが、やはり自由な発想力というのは、なかなかない。
それは規則中で生きてる人が多いから、というところがあるのではないかと思います。
それに
- がめつさ
- 起業家精神
- ハングリー精神
- 飛びぬけること
どれも非常に近い意味合いなのかもしれないのですが、人と違うことをするとか、人から飛び抜ける。
あるいはゼロから物を考える。
そして、とことん儲けるにはどうしたらいいかと考えるというところは、ちょっと弱いところなのではないかと思います。
そういう意味では、例えば今のIT企業。
Google、Amazon、Facebookみたいな非常に発想力が要求される。
天才的なエンジニアが必要だとか、そういう部分に関しては、日本の企業の苦手な部分なのです。
ただ、今の半導体不足が示しているように、ITとか軽いところの競争というのは、むしろどんどん激しくなっていいと思うのです。
一方で、それを何か現実社会で実現させようと思ったら、当然物が作れないといけない。
スマホ一つにしても、半導体が作れなかったら、スマホを作れなくなってしまいます。
いくらソフトウェアが発達しても、物がないといけませんから、それを実際に製造できるのは日本企業。
または台湾企業もそうかもしれませんが、日本企業ができることではないかと思います。
日本人・企業が得意な分野/苦手な分野
得意な分野
今の話を分野というところで整理しますと、日本人・日本企業が得意な分野としては、精密製造。
それから基礎研究が重要。
基礎研究で長い時間をかけて、一つの分野を研究し尽くす。
それがすぐ金になるかどうかわからないけれども、やるという特性が日本企業あるいは研究所にはあったりします。
そこは得意である。だからそれは削っちゃいけないところだと思います。
ただ一方では、国の予算なんか大学の研究予算としては、削られてきたりするので、それはいい傾向ではないと思います。
更には失敗が許されない。
失敗だったり歩留まり。
先ほど、製造業の話をしました。
歩留まりが多いと、商品にならないということで、お払い箱になってしまうのでいけません。
それから人の体に入る医薬品の製造とかも、かなり厳密さ・正確さ、そして緻密さというのが求められてくるわけです。
そういったものが生きる分野としては半導体。
今、半導体だったりとか電子部品。そして化学、医薬品。
この辺が日本企業が得意とする分野であると考えられるわけです。
苦手な分野
一方で苦手な分野です。
新たな市場を作ったり、顧客のニーズを引き出したり、駄目なものを切り捨てるのも苦手なのではないかと思います。
いわゆるポートフォリオ経営というところです。
さっきの一所懸命と対になるところですが、一所懸命にやってたところが実は駄目だったということになっても、なかなかそれ切り捨てられない日本人の特性がある。
特に経営のところです。
経営陣がやるべきことなのですが、そこをなかなか切り捨てられない性格がある。
それが非効率性を招いていることになるのではないかと思います。
それで、日本人がApple・iPhoneを作れたかというと、なかなかそれは難しかった。
そこに注目してしまいやすいのですが、そこはむしろ苦手な物。
まあ切り捨てるほどの必要はないかもしれないのですが、苦手なものであるという認識は持っておく必要があると思います。
強いて言うならば、例えばソニーは、かつてウォークマンを開発した発想力というのはあったりしますから、もちろん例外はあるという認識は持っておいた方がいいと思います。
しかし一般的には、こういったところがあるわけです。
コバンザメ戦法
それで私が推奨する、あるいは今日挙げた企業の中でやっていると思われるのが、コバンザメ戦法です。
この(スライドの)小さい方、サメの下についておこぼれをもらうというものです。
どういうことかというと、自ら市場を開拓するのではなくて、強い顧客。
強いというのは、当然大きいし、これから成長するし、一方では要求がものすごい強い。
ここに下請けじゃないですけど、そういった形で入るわけです。
最初は、当然買い叩かれるようなこともあるかもしれないのですが、そうやってその顧客に対するシェア、あるいは競争力を高めていくことによって、まずは要望を満たしていくことによって、他の会社が入れないようにする。
「あなたの会社にお願いするしかない」という状況を作るわけです。
すると、やがて強い顧客にとっても、なくてはならない存在になって、高いお金を払ってでもその会社のものを買わざるを得ない。
そうなると利益率は上がっていきます。
そうすることによって、やがてはその大きなサメと一緒に成長できるじゃないか、と考えるわけです。
もちろん理想としては、日本からAppleみたいな企業を生むということなのですが、和製GAFAみたいなことも言います。
しかしそれは、やはり得意な分野ではないと思うのです。
むしろ、和製TSMC。
それからこのレーザーテックみたいな会社をどんどんたくさん作っていく方が、日本企業にとって得意なのではないかと思います。
投資家としても、レーザーテックみたいな会社を見つけていく方が、充分理にかなっているのではないかと思います。
むしろ最終製品の分野というのは苦手だし、競争も多いのではないかと思います。
今日の話を参考にぜひ、あなたも素晴らしい企業はどういった点を見たらいいのかということを中心に考えてみてください。
駄目な日本株の特徴
最後に駄目な日本株の特徴です。
これは今回、一所懸命・顧客志向・強い経営者と三つ挙げたんですが、その反対です。
総花経営・内向き志向・多数決経営です。
総花経営
これは一所、一つのところに集中するのではなくて、あれもこれも手を出して「これは効率が悪いからやめる」とかそういうことすらしない。
それは、例えば事業部がいくつかあって、この事業部はやめると、そこに働いている人、トップの人を切り捨てることになるからできない、みたいな話になってどんどん効率が落ちていくのです。
内向き志向
会社として顧客を見ているのではなくて、例えば事業部。
あっちの事業部を立てると、こっちの事業部が立たないからどっちも立てる、みたいなものだったり。
最悪なのは社内政治みたいな話です。
内向き志向になってる会社は、やはり厳しいと思います。
あるいは1人の強いリーダーというのが、やはり方向性を決めるには重要なのです。
多数決経営
一方でそんな中で多数決だったり、いわゆるサラリーマン経営者がやってるところは、なかなか前に進みにくいのではないか?というところがあるわけです。
代表的なのは会社です。
会社も多分全部ひっくるめてやってると思いますし、また今日話した半導体の分野でも今、いろんな会社が予定集まって、政府主導で最高の半導体を作りましょうみたいなことを言っています。
しかしこれがそもそも日本が苦手とする最終製品のところだったりします。
あるいはいろんな会社が集まってますから、船頭多くして船山に登る、というような話もあります。
今結論を言うわけにはいかないのですが、うまくいかないやり方の代名詞ではないかと思っています。
かつてエルピーダ、日本政府主導でできたのですが倒産してしまった。
というように同じ轍を踏まないことを願うばかりです。
この内容はYouTubeで動画による解説も行っています。
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