今最も勢いがある投資信託【おおぶね】ってどうなの?買って良い?

以前、独立系投信の「ひふみ」「スパークス」「鎌倉」を比較した記事を執筆しました。この記事は数週間にわたり人気を集め、多くの反響がありました。

今回はその続編として、今最も勢いがあるアクティブファンド、「おおぶね」の特徴を解説します。ファンドマネージャーの考え方と投資戦略、パフォーマンスが上手く噛み合っており、良い投資信託だと思います。それでは早速内容に入りましょう!

農林中金とは?NVICとは?

今回紹介する投資信託「おおぶねシリーズ」は、農林中央金庫の子会社である「農林中金バリューインベストメンツ株式会社(NVIC)」が運用しています。NVICは、農林中央金庫の株式運用部門から生まれた社内ベンチャー企業です。

NVICの親会社である農林中央金庫は、野村アセットマネジメントなどを上回る運用残高45兆円に及ぶ、国内最大規模の機関投資家となっています。農林中央金庫は、債券を中心に資産を運用していますが、株式運用も行っています。NVICはかつて、農林中央金庫の株式運用部門を担当していましたが、現在は分社化しており個人投資家向けに投資信託の運用を行っています。

奥野氏とは? 

NVICを牽引するファンドマネージャーは奥野一成氏です。奥野氏は、ベストセラーとなっている『教養としての投資』や『投資家の思考法』の著者です。彼は長期的には株価は利益と連動するため利益が伸びる企業は売らなくて良い、という方針を掲げています。つまり売らなくて良い企業を買うことを大切にしています。

さらに、奥野氏は「投資先企業の紹介やNVICの投資判断を受益者(投資信託購入者)に公開するべきである」という考えのもと、月に1度オンラインミーティングを行うなど、投資家に積極的な情報開示を行なっています。

これら奥野氏の考えを商品化したのが、「おおぶねシリーズ」です。

おおぶねシリーズの投資哲学

投資哲学は「構造的に強靭な企業へ長期投資を行う」です。

では構造的に強靭な企業はどんなものでしょうか?

  1. 高付加価値産業:サービス・商品が世の中に必要とされており、人間の普遍的欲求に根付いた「価値」を提供する産業に属している
  2. 競争優位性:他社が真似できない高い参入障壁を築いているかを徹底的に確認する
  3. 長期潮流:人工知能・自動運転など短期的な流行ではなく人口増加など確実性が高く不可逆的な変化に逆らっていないかを確認する

この3つを併せ持つものこそ構造的に強靭な企業であり、高い利益率、資産回転率が期待でき、負債比率が低い企業が投資対象になります。では具体的な投資対象を確認してみましょう。

高パフォーマンスのおおぶねシリーズ3本

①長期厳選投資おおぶね

NVICで最も純資産額が大きいファンドは農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶねです。米国に上場している企業への長期厳選投資により、中長期的な成長を目指すアクティブファンドです。2023年2月末現在28銘柄に投資しており純資産総額は277億円です。

出典:2023年2月末基準 マンスリーレポート

組入比率1位のマコーミックは調味料やスパイス、ハーブなどを製造・販売する世界最大規模の調味料メーカーです。2位にウォルトディズニー、7位にはコストコが組み入れられるなど、我々消費者に馴染みがある企業へ投資しています。

次にパフォーマンスを確認します。

2017年7月運用開始

出典:交付目論見書2023年2月末基準 マンスリーレポート

仮に2017年7月1日にS&P500へ投資し、2023年2月28日まで保有した場合のリターンを比較すると、S&P500は61.58%、おおぶねは100.72%ですからS&P500を上回るリターンを出しています。名実ともに非常に優れた投資を行なっているファンドだと感じます。

②おおぶねグローバル

次に紹介するのが農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)です。先ほど紹介した「おおぶね」は米国株式に投資していましたが、おおぶねグローバルは北米・欧州・日本の構造的に強靭な企業を選定し、確信度が高い企業へ投資することで長期安定的なリターンを目指すファンドです。2023年2月末現在25銘柄に投資しており純資産総額は78億円です。

出展:2023年2月28日基準 月次運用レポート

組入銘柄はフェラーリ、エルメスなどに次いでセコムが入っていることが興味深いと思います。またこちらのファンドでもマコーミックが組み入れられています。

パフォーマンスを確認してみましょう。

2020年3月運用開始

 

出展:交付目論見書2023年2月28日基準 月次運用レポート

世界の先進国を広くカバーするインデックスであるFTSE Developed All Cap Indexに投資した場合と比較します。2020年3月31日にFTSEへ投資し、2023年2月28日まで保有した場合のリターンを比較すると、FTSEは50.23%、おおぶねグローバルは62.28%ですから、こちらもインデックスを上回るリターンを出しています。非常に銘柄選定に優れたファンドであると思います。

③おおぶねJAPAN

最後に紹介するのが農林中金<パートナーズ>おおぶねJAPAN(日本選抜)です。このファンドは日本株を厳選し、持続的に企業価値を増大できる数少ない企業へ投資しています。

2023年2月末現在65銘柄に投資しており純資産総額は32億円です。

出展:2023年2月28日基準 月次運用レポート

今回紹介する中で最も組入銘柄数が多く、分散効果が高いファンドです。こちらも株式投資を行なっている方なら馴染みのある企業が多いですね。

パフォーマンスを確認してみましょう。

出展:交付目論見書2023年2月28日基準 月次運用レポート

このファンドは残念ながらTOPIXを下っています。しかし、プラスではありますからここからの巻き返しを期待したいファンドです。

おおぶねを買っても良いのか

以上のように、おおぶねは長期投資に適した投資信託であり、銘柄選定の考え方や投資戦略が長期投資の本質的な分析方法に基づいているため、パフォーマンスが安定しています。また、日本株・アメリカ株・全世界株という幅広い株式を投資対象としますが、それぞれの分析手法は同じです。

おおぶねの名称の所以である、「相場の荒波に強く、資産を安心して預けることができる」という点も魅力的です。これらの特徴に共感できる方は、おおぶねを購入することを検討してみる価値があると言えます。

結局、買うならどれ?

ここまでおおぶねシリーズそれぞれのパフォーマンスやポートフォリオを確認してきました。最後にSBI証券でネット購入した場合の手数料を比較します。

買付手数料信託報酬信託財産留保額
①おおぶねなし0.99%なし
②おおぶね

グローバル

なし0.33%以内

+成功報酬

なし
③おおぶね

JAPAN

なし0.88%なし

ただし、このおおぶねシリーズを購入する方は手数料で判断するのではなく、投資哲学やファンドマネージャーの奥野氏の考え方に共感できるか否かで判断すべきだと考えます。

「企業分析や市場分析が苦手であり、企業の付加価値や構造的な強さを自分で判断する時間がないが、本質的な企業価値に基づいた長期投資をしてみたい」という考えの方は、おおぶねの投資方針と投資者のニーズが合致しているため、良い投資ができると考えます。

私ならば①の農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶねを購入したいと思います。3つの中で最も手数料が高いですが、奥野氏の「企業が生み出す利益と株価は長期的に連動する」という考え方に共感し、同ファンドのパフォーマンスが良く純資産額も多いことから償還リスクも低いと考えます。

さらに長期厳選投資 おおぶねは現在つみたてNISAの対象ではありませんが、金融庁に届出し、近く対象となるよう準備を進めているようです。

2024年から始まる新NISAではインデックスファンドのみならず、おおぶねを加えても面白いと思います。

いかがでしたでしょうか?今後も様々な投資情報や企業分析レポートを発信していきますので、メールマガジンの登録をお忘れなくお願いします!

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執筆者

執筆者:佐々木 悠

佐々木 悠(ささき はるか)

つばめ投資顧問 アナリスト 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
東北学院高校、東京理科大学経営学部卒業。
協同組織金融機関へ入社後、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。
銀行勤務時は投資信託を用いた資産形成提案や多重債務者への債務整理業務に従事。
2022年につばめ投資顧問へ入社。

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2 件のコメント

  • 何時もお知らせありがとうございます。
    株式投資は長くしていますが、証券会社の方の話を聞いて上手く行かずバブル期の損失から抜けでていません。
    今の時代にまだ店舗利用なのですが、スマホを使いこなせない私には仕方ないです。

    私はこれまで仕事もしていたし、趣味的に社会情勢の勉強にもなると思っていましたが、目先の方向も変えていきたいです。

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