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バフェットは自分の投資哲学について「85%はグレアム、15%はフィッシャー」と言いました。今日はその後者であるフィリップ・フィッシャー(1907 – 2004)の投資哲学を学びます。
違うようで似ている?グレアムとフィッシャー
フィッシャーの投資手法は、ざっくり言えば「成長株投資」に分類されます。これは、徹底的に割安にこだわるグレアムの投資手法に相反するようにも見えます。
しかし、企業の価値を見積もって、株価がそれよりも割安なものに投資するという観点では共通しています。価値の見積もりにおいて、グレアムは資産や過去の業績を重視したのに対し、フィッシャーは将来の成長性を重視したにすぎません。
どちらにも共通していることは、多数派のまねをしないということです。多数派が群がる銘柄は、価値以上に高い価格が付いてしまっている可能性が高くなります。そう考えると、最終的にはどちらも我が道を行く強い精神力が要求されます。
生涯の伴侶となる銘柄を探す
フィッシャーは、「割安株ではせいぜい50%程度の利益しか得られないのに対し、成長株は何倍もの利益が得られる」と考えました。個別株で見れば確かにそうかも知れませんが、何倍にも成長する銘柄を見つけるのは容易ではありません。
そこで、彼は15項目ものチェックポイントを設け、厳選された成長株を探し続けました。皆さんが全てに目を通す必要はありませんが、要するに厳しい基準を設けて、フィッシャーはそれをクリアした銘柄にだけ投資したのです。
- その企業は、少なくとも数年は収益が増え続けることを可能にする、十分な市場可能性のある製品やサービスをもっているか?
- 現在売れている製品ラインの潜在的な需要がほとんどなくなったときに、経営陣には会社の収益をさらに伸ばすような製品やプロセスを開発・発展し続ける決意があるか?
- 企業の規模と比べて、どのくらい企業のリサーチと開発努力が効果的であるか?
- その企業は、平均以上の販売組織があるか?
- その企業には、十分な利幅があるか?
- 利幅を改善、または維持するために何をしているか?
- その企業には、労働者・従業員との関係に特筆すべき点があるか?
- その企業には、企業幹部との関係に特筆すべき点があるか?
- その企業は、マネージメントに柔軟性があるか?
- 企業の費用分析と会計管理は、どのくらいきちんとしているか?
- 競争相手と比べて、どの位その企業が突出しているかを知る手がかりとなるような、その分野特有の評価できる特徴がなにかあるか?
- 利益という点で、短期間および長期間の見通しがその企業にあるか?
- 予測可能な未来に、企業の成長が著しいために自己資金調達が行われ、その結果株式の総数が増大し、現在の株主が予期していた利益が、ほとんど相殺されてしまうような事態になりそうか?
- その企業の経営陣は、物事がうまくいっている時には、さまざまな出来事を投資家にどんどん話すのに、問題や損失が生じると、だんまりを決め込んでしまうようなことがあるか?
- その企業は、完璧な経営体制を敷いているか?
代表的なフィシャー銘柄といえば、携帯電話メーカーのモトローラです。彼は特に製造業への造詣が深く、同銘柄を辛抱強く持ちつづけたことで最終的に大きな利益をあげました。結局、彼は亡くなるまで持ち続けたということです。
銘柄を分析するために、彼が行ったのは「周辺情報利用法」というものです。これは、会社そのものの分析以外にも、顧客や出入り業者、ライバル企業などから情報を得て、会社の本質を明らかにしようとしたのです。ライバル企業を分析する重要性は、バフェットやテンプルトンも語っています。
こうして徹底的に調べた成長企業を保有することが、フィッシャーの本質と言えるでしょう。バフェットが「永久保有銘柄」と呼ぶのもここから来ていることが伺えます。生涯の伴侶選びをしているとも言えるでしょう。
自信を持った銘柄だからこそ、価格を気にしない
生涯付き添える銘柄を選ぶからこそ、彼は買い値をあまり気にしませんでした。利益が何倍にもなり、それに伴って株価が上昇する銘柄の細かい価格を気にしても仕方がないと考えたのでしょう。バフェットが「そこそこの事業を素晴らしい値段で買うよりも、素晴らしい事業をそこそこの値段で買う方がずっといい」と言ったのもここから来ていると思われます。
同様に、相場の動きにも囚われませんでした。魅力的な成長銘柄は、下げ相場で一時的に下がったとしても、次の上げ相場で高値を更新するからです。徹底的に会社のことを調べて、成長に自信を持っているからこそ、そのようなことが言えるのでしょう。
問題となるのは、株価が下落したり、思ったように業績が伸びない時に、自信を持ってその株を保有し続けられるかということです。成長銘柄の株価は値動きが激しく、なかなか業績に表れないことも少なくありません。そのようなときに多くの人は見切りをつけて売ってしまいますが、それでも持ち続けられるからこそ長期的には大きな利益を得られるのです。
手法は容易に真似出来ないが、精神力は参考になる
フィッシャーの投資哲学は、成長株に長期投資する人にとってはなくてはならないものです。一方で、よほど分析が的確なものでなければ、成功するのは容易ではないでしょう。実際、彼も晩年は思うようにいかなかったと言います。
参考になるのは投資手法そのものよりも、その精神力だと思います。自分で徹底的に調べて、間違いないと思った銘柄に投資し、何があってもその銘柄を持ち続けるという姿勢が長期投資には不可欠なのです。
完全に真似をするには非常に難しい投資手法ですが、学ぶところは多くあります。だからこそ、バフェットも大いに参考にしたのでしょう。彼の投資哲学は著書『株式投資で普通でない利益を得る』に書かれています。バリュー投資以外の観点として、読んで損はないでしょう。
※本記事は会員向けレポートの一部を抜粋したものです。
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