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先週末から月曜にかけての米国市場の大幅下落を受けて、日経平均株価も2日間で7.2%下落しています。急激な下落に肝を冷やしている投資家も少なくないことでしょう。
リスクを無視した投資家が急に現実に返るとき
下落の主要因は、米国長期金利の上昇と言われています。しかし、その裏側にあるのが雇用情勢の「改善」(「悪化」ではない)ところには大いに着目すべきです。
雇用が改善するということは、経済情勢は相変わらず好調です。一方で、あんまり経済状況が良いと、FRBは景気過熱感を抑えるため金融引き締め、つまり政策金利の引き上げを行います。
リーマン・ショック後に続いた異例とも言える金融緩和は景気の拡大をもたらしましたが、緩和策が行き過ぎるとやがてバブルを引き起こすことは歴史が証明しています。そのため、中央銀行は「出口」を見つけないといけないのです。
金融引き締めは、世の中に出回るお金の減少を意味します。そうなると、資産価格の値下がりを気にした投資家はリスク資産から資金を引き上げようとするのです。
これまでもほとんどの投資家はそのことがわかっていたはずです。しかし、現実にはそのリスクを無視して株価は値上がりを続けていました。株価には「上がるときは上がる」という性質があり、多くの投資家はその流れに逆らえなくなっていたのです。
そこへ、金利上昇という現実が突きつけられ、急に我に返った投資家が慌てて資金を引き上げているのです。これが今回の下落の簡単な顛末です。
相場変動は長期投資家にチャンスを与える
それでも、ここ数ヶ月休むことなく上昇を続けてきたため、大幅下落と言っても3ヶ月前の水準に戻っただけにすぎません。長期投資家にとっては、全く慌てる必要はないのです。
多くの投資家にとっての関心事は、この下落がどこまで続くのかということでしょう。相場の動きは読めるものではないというのが私の持論ですが、少なくともリーマン・ショックのような長く深い下落にはならないと考えます。
前述の通り経済状況は好調であり、長期金利の上昇は十分に予測できたことです。もっとも危険なのは、この先何が起こるか全くわからないほどのショックが発生している場合ですが、少なくともそのような状況ではありません。
そもそも、価値を重視するバリュー株投資家は、相場の変動に惑わされることありません。必要以上に割高な銘柄に手を出さなければ、相場変動で一時的に値下がりしても、やがて資金は戻ってくるでしょう。当社では、割高な銘柄には手を出さないことを徹底してきました。
バリュー株投資家が買っているのは、「株価」ではなく「企業」そのものです。株価がいくら動いても、企業の価値が急に変わるわけではありません。大事なのは株価ではなく事業の中身を見ることです。
ここで狼狽売りを出してしまうようでは、長期投資家としての成功は難しいでしょう。逆に、優良銘柄を割安な価格で買える「バーゲンセール」と捉えるべきなのです。
私が買いを入れるのは、他の投資家がレミングのごとく一斉に売りに傾くときです。
−ウォーレン・バフェット
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