これからが買い局面!では何をどのように買う?

日経平均株価はこの1週間で約1,200円(5.7%)下落し、年初来安値を更新しました。市場では弱気相場入りが囁かれます。しかし、多くの人が悲観的になっている今だからこそ、「いい株」を「安く」買えるものです。

この1年で今が最も良いタイミングであることは確か

常々言っているように、投資家が悲観的になっている局面こそ、バリュー投資家にとって絶好の買い局面です。保有株の下落には目をつぶり、残しておいた資金で着々と買いを入れるのです。

もちろん、ここで下げ止まると断言することはできません。しかし、少なくとも今はこの1年で最も有利なタイミングです。下手に売ることを考えなければ、より有利なタイミングでしたたかに買い続けるのが本当の長期投資家です。

株価下落により、PERや配当利回りなどの指標面では割安に見える銘柄が増えてきました。むしろ、どの銘柄も買いたくて目移りしてしまう状況です。一体どの銘柄を買ったら良いのでしょうか。

狙い目は成長銘柄と高配当銘柄

割安な価格で優良銘柄を買っていれば、長期的にはどの銘柄でもやがて利益が出るでしょう。しかし、それだけでは平均を多少上回る程度のリターンしか望めません。

いわゆる大型シクリカル銘柄は、業績に素直に反応します。景気連動性の高い銘柄の業績後退はこれからですから、今あえて手を出す必要はないでしょう。買い時は、業績が悪化してからです。

弱気相場で真っ先に下落するのは、これまで期待で上昇してきた銘柄です。期待は投資家の心理次第で上にも下にも大きく動きます。投資家が悲観的になると、必要以上に割安になるのです。

期待「だけ」が先行して中身のない企業ならどんな時も買うべきではありません。しかし、大きく成長するだけの一定の根拠があり、その銘柄に割安な価格で売られているとしたら、将来的に期待の回復と業績の拡大で大化けする可能性があります。10倍株になるとしたらこのような銘柄です。

例えば、ある中規模成長銘柄は、財務も健全なこの銘柄がPER10倍を切る水準で売られています。うまくいけば大幅な業績拡大、そうでなくても下がる余地は限定的です。同じような優良・成長・割安銘柄は、探せばまだ出てくるでしょう。

配当を望む投資家にとっても絶好の買い時です。景気連動性が低い銘柄なら、業績悪化を心配することなく利回りの高さで買うことができます。

段階的に買い下がるべし

もっとも、弱気局面では本質的な価値とはほぼ無関係に株価は下がります。割安で買えば長期的には問題ありませんが、できればなるべく安く買いたいものです。そのために、一度に買うのではなく段階的に買い下がることをおすすめします。

例えば、ある銘柄を100万円分買いたいと考えているとします。現在値が2000円だとしたらまず最低限の100株(20万円)買い、1900円、1800円と下がるごとに買い増していきます。1600円まで下がれば90万円分買え、単価は1800円です。

買い終わったら、あとは目をつぶって上昇するのを待つだけです。買い終わらなければ上がったということなので、それはそれで良しとできるでしょう。いちいち買うのが面倒なら、指定できる最長期間で指値を入れればあとは放っておけます。

成長銘柄を買いたくても資金がないなら、今持っている銘柄を売却することも選択肢です。長期的に見た時に、買いたい銘柄と保有銘柄のどちらの業績が伸びそうか考えてみましょう。買いたい銘柄の方が期待値が高ければ、乗り換える理由としては十分です。こうやってポートフォリオをより強くしていくことも長期投資には必要なことです。

激しい相場変動で心を乱されるかもしれませんが、下手に動くと泥沼にはまってしまいます。こういう時にこそ基本に忠実に、安い銘柄を淡々と買っていくことが将来の利益に結びつくのです。何より、投資をやめずに続けることが最良の薬となるでしょう。

※本記事は2018年12月22日付会員向けレポートを抜粋したものです。

現在、有料会員の入会金が無料です。人数に達し次第締め切りますので、それまでにぜひ入会をご検討ください。

執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

詳細はこちら
サイト訪問者限定プレゼント
あなたの資産形成を加速させる3種の神器を無料プレゼント

プレゼント①『株式市場の敗者になる前に読む本』
プレゼント②『企業分析による長期投資マスター講座』第一章
プレゼント③『YouTubeプレゼン資料』

メールアドレスを送信して、特典をお受取りください。
メールアドレス *
※送信したメールアドレスに当社からのお知らせやお得な情報をお送りする場合があります。

※個人情報の取り扱いは本>プライバシーポリシー(個人情報保護方針)に基づいて行われます。
※送信したメールアドレスに当社からのお知らせやお得な情報をお送りする場合があります。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。

気に入ったらシェアしてもらえると嬉しいです!

コメントを残す

Popular Article - よく読まれている記事Popular Article

  • オリエンタルランド(東京ディズニーリゾート)の株価が下落している3つの理由
    2024年に入りオリエンタルランドの株価が大きく下落しています。 出典:株探 今回はオリエンタルランドの現状を詳しく分析し、投資リスクを考え...
  • 【住友化学】株価60%暴落の2つの理由 PBR0.4倍だから買って良い? 
    日本の株式市場が盛り上がる中、大きく株価を下げている企業があります。 それは、住友化学です。 出典:株探 24年2月2日の第3四半期決算では...
  • ヤクルトの株価下落が止まらない!その原因と今後の見通しをアナリストが解説
    今回はヤクルトについてです。 ヤクルトの株価が下落し続けていますが、その理由と今後の見通しについて解説したいと思います。 長期的に成長してい...
  • 【東京メトロ】ついに上場!今年最注目のIPO、買うべき?
    東京メトロがいよいよ上場ということで、買うべきかどうか迷っている方も多いのではないでしょうか。 私が証券会社に勤めていた頃に上場をお手伝いし...
  • 銀行株は今後どうなる?そろそろ売り時?
    今回は銀行株についてです。 銀行株が上がりましたが、もう売るべきなのか、まだ持ち続けるべきなのか、悩んでいる方はぜひお読みください。 売るか...

Article List - 記事一覧Article List

カテゴリから記事を探す