証券アナリストの私がたどり着いた、長期投資の当たり前で確かな原則


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株式市場は簡単に読み解けるものではありません。特に、株価の動きに関しては明日どうなるかすら正確に予測することは不可能です。

しかし、目の前の株価は読めなくても、長い目で見れば「間違いない」と言える原則があります。そのうち私の中で最も大きなものを2つ紹介します。

1.利益が伸びる企業の株は上がる

利益は、長期的な株価を左右する最大の要因です。利益が増加していれば、短期的な株価変動はあれどやがて株価はついてきます。

利益を基準とした指標がPERです。1株あたり利益100円の銘柄の株価が1,000円なら、PERは10倍(1,000÷100)となります。PERがずっと10倍なら、利益が200円になれば株価は2,000円になるというわけです。

ポイントは、目をつけた会社の利益が本当に伸びるかどうかを判断することです。利益が減る会社に投資すると、必然的に株価も下がってしまいます。ここを鍛えることが株式投資の腕を磨く第一歩です。

慣れてくれば、着実に利益を増やし続ける会社はさほど苦労せずに見つけられるようになります。例えば、無印良品を運営する良品計画(7453)は、店舗数の増加にあわせて利益を伸ばし続けています。

【銘柄分析】良品計画(7453)

2019.01.02

基本的には利益が増える銘柄を持ち続ければいいわけですが、それを実践できる人は多くありません。その理由は、株価が日々動くからだと思います。株価が下がったら、本当に業績が伸びるかどうか自信がなくなります。

業績の結果が出るのに数年待たなければならないことも持ち続ける握力を弱める要因です。したがって、長期投資の肝は自分の目利きにどれだけ自信を持てるかというところになると思います。もちろん、間違いがあったらすぐに修正する勇気も必要です。

2.株価は暴落した時に買った方が良い

1がいわゆる「ファンダメンタルズ」の原則なら、2は株価の動き「テクニカル」の原則です。

株式市場の参加者には様々な人がいて、株価は毎日動いています。上がることもあれば下がることもありますから、1のような株を持ち続けることを考えると、高い値段よりは安い値段で買ったほうが明らかに良いわけです。

単純なことですが、多くの人はこれがなかなかできません。株価が下がっている状況では、この先まだまだ下がるのではないかという不安が先行し、むしろ売りたくなるからです。

しかし、このような時ほど株価は必要以上に割安になります。1の例で言えば、株価が半分になりPERが10倍から5倍にまで下がることもあります。リーマン・ショック後はまさにそのような状況でした。

PER5倍となった企業の利益が2倍となり、その後相場環境が持ち直してPERが10倍になれば株価は2×2で4倍になります。さらに環境が改善し、PERが20倍になれば利益が2倍、PERが4倍となり株価は8倍です。

このように考えると、10倍株も決して難しくないことがわかります

以上のような考え方から、私は「いい株を安く買う」ことを心がけています。こう考えると、長期投資は非常にシンプルです。必要な才能と言えば、欲を出しすぎず、買いも売りも待つことができる忍耐力くらいでしょう。

執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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