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米中貿易戦争の激化が懸念され、5月13日のダウ平均は617ドル安、日本市場も下落が続いています。
問題は6月まで長引く可能性
トランプ大統領は、関税引き上げを実行に移すことで、中国に輸入増や国内企業優遇の是正を求めています。「脅し」を使った大統領得意の交渉術です。
一方、習近平国家主席もプライドがありますから、そう簡単に折れるわけには行きません。ここで簡単に折れてしまっては、中国経済にマイナスとなるだけでなく、自身の立場まで危うくなってしまいます。
このような状況がいつまで続くか、先は見えません。トランプ大統領の頭では、「勝ち」と言える成果を得られるまでは一歩も引くつもりはないでしょう。6月に両者が日本で会うまでは、我慢比べが続く可能性があります。
景気はすでに悪化局面へ
貿易戦争の行方がどう転ぶか予測することは容易ではありませんが、間違いなく言えることは、解決までの時間が長くなるほど状況は悪化するということです。
これは、経営者の立場になって考えるとよくわかります。関税がいくらになるかわからなければ、売上やコストの計算ができません。そのような状況では、新たに工場を建てたり、生産を増やしたりする決断ができないのです。
投資や生産が減れば、それに付随する経済活動が停滞します。経済は血液ですから、一部が滞留すれば全体が崩れます。グローバル経済が進展した現在では、それが世界中に波及するのです。
これは日本企業についてもあてはまります。例えば、スマートフォンに用いられるようなハイテク機器を中国に納めている企業の受注も停滞するでしょう。内閣府の発表によると、日本の景気はすでに悪化局面に入っています。
【参考】景気動向指数は、悪化を示している。(景気動向指数(3月分))―内閣府
このまま貿易戦争が長引けば、景気悪化はやがて米国にも波及するでしょう。投資→生産→消費の流れを考えると、消費がGDPの7割を占める米国の経済指標は遅れがちになると考えるべきです。
景気悪化が米国にまで及べば、世界的に株価は下落するでしょう。投資家は、ここまでの動きは頭に入れておかなければなりません。
良い銘柄がまとめて降りてくる!
それでは、投資家は買うべきでしょうか、売るべきでしょうか。
私はまさにこれからが「買い時」だと思います。
この3年間、優良株は高止まりしていました。良い企業ほど、PER30~50倍など、バリュー株投資家としてはなかなか手を出しにくい水準でした。
しかし、相場全体の下落時には、これらが全体的に降りてきます。そうなると、「全品一律30%オフ」のバーゲンセールのような状態になります。
例えば、この3年3,000円前後を維持していたパーク24(4666)は現在2,000円にまで下がってきました。PERも30倍をなかなか下回りませんでしたが、今は25倍です。(※推奨銘柄ではありません。)
いい銘柄に目をつけ、相場全体の下落をチャンスと見てしたたかに買いを入れる。これこそバリュー株投資の醍醐味です。
【参考】なぜバフェットは下げ相場で買うのか?暴落が楽しみになる「Buy the Dip」の極意(MONEY VOICE)
下がり続ける株価に立ち向かえる実弾を準備せよ!
もっとも、下げてから買ってもすぐに上がるわけではなく、むしろ大抵の場合そこからさらに下がります。下落相場とはそういうものです。
したがって、最初から一気に買いすぎると、本当の買い時には資金が尽きてしまいます。
だからこそ、買いは慎重にすべきです。まだ下がってもいいように、余力を残しながら買います。収入のある方なら、そこから投資に回す資金を確保できるようにしておきましょう。最後はどれだけ実弾を持っているかがものを言います。
私はこれから当面の間景気の減速を想定していますから、買う銘柄は景気耐性が強く、さらに長期的な成長が期待できるものに限定します。あれもこれも買う必要はありません。自分が信じられる銘柄だけを持てば良いのです。
相場と銘柄を知るにはこれ!
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