あなたは1億円貯めて何をしたい?投資に不可欠な目標を設定する

漠然と「投資してみたい」と思う人は少なくありませんが、実行する人はそう多くありません。少しやってみたところで、あまりうまくいかずにやめてしまう人がほとんどです。

投資には「パワー」が必要

ゼロから投資を始めようと思うと、かなりのパワーが必要です。証券口座を開くところからはじまり、国内だけで3,000もある上場株の中からいくつかに狙いを定め、様子を見守りながら買ったり売ったりしないといけません。

対面の証券会社では、これらを全て営業員がやってくれるので、投資の普及という意味ではまだまだ必要なのかもしれません。だからこそ、ネット全盛のこの時代でも生き残っているのでしょう。

しかし、証券会社の言う通りにしていても儲かりません。特に最近は、株式では手数料が取れないため、手数料の高い投資信託を勧めてくる傾向があります。手数料が高いからと言って運用成績が良いわけではなく、むしろその分マイナスのパフォーマンスになることの方が多いのです。

対面の証券会社を使うことが悪いとは言いませんが、営業員の言うことを鵜呑みにしてはいけません。投資で資産を築くためには自分の頭で考えることが不可欠なのです。

この「自分で考える」ことこそ、投資で最もパワーを必要とする部分でしょう。

1億円で何をする?配当収入でセミリタイアも

大きなパワーが必要な投資を続けるには、目標が必要です。

漠然と「1億円作りたい」と思っても、今ひとつ現実感が湧きません。大切なのは「その1億円で何をするか」です。

例えば、1億円を5%の配当利回り銘柄に投資すれば、税引き後で400万円の配当収入が得られます。これは正社員の平均年収程度であり、贅沢しなければ普通に生活できる水準です。ここに「セミリタイア」という目標が生まれます

セミリタイアまでいかずとも、これだけあれば老後にお金のことで困ることはないでしょう。やりたいことを気兼ねなく実行できます。

表面的には同じ5%の利回りでも、中身は危ないものとそうでないものがあります。それまでに経験を積んでいれば、どれが安全なものかを峻別できるようになっているはずです。

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2019.03.13

夢を叶えるために投資は役立つ

セミリタイアや老後などの保守的な話ばかりではありません。夢を実現するためにも投資は有効です。

例えば、いつかカフェを開業したいという夢があったとしましょう。開業にはお金が必要です。やり方によりけりですが、一般的に1,000万円程度は必要となるでしょう。

必要なお金はこれだけではありません。最初はなかなか利益が出ないでしょうから、その間の生活費も必要です。そう考えると1,000万円だけでは足りません

開業費用は借り入れることもできますが、やがて返済が始まります。自己資金が少ないほど、返済が迫るにつれて精神的な余裕がなくなっていきます

私自身も、会社を辞めてから半年間は無収入が続きました。その間は何とか貯金でしのぎましたが、運良く半年で済んだから良かっただけで、もっと遅くなったら貯金だけでは立ち行かなかったでしょう。

これが、1,000万円を元手に2,000万円にまで増やしたとしましょう。1,000万円の余裕があれば、当面の生活は何とかなります。開業に自己資金が使えれば、精神的な余裕もできるでしょう。

元手を簡単に2倍にする方法

1,000万円を2,000万円にすると言うと簡単ではないように思えますが、時間をかければそうでもありません。

株式市場の平均リターンは、年率約7%と言われます。利益を再投資する複利で考えると、10年あれば2倍になる計算です。投資するタイミングと銘柄を選べば、もう少し高い水準が望めるでしょう。

ただし、難しいのが各年のリターンにばらつきがあるということです。例えば、最初の1年がマイナス10%、2年目もマイナス10%、3目がプラス50%ということも十分にあり得ます。これで年率7%です。

時間とリターンばらつき

運が良ければ、最初の1年で倍になることもありますし、悪ければ半分になることもあります。それでも、正しいやり方を続けていれば、10年経てば倍になる可能性が高いということです。

倍になるのがいつになるかはわかりませんが、例えばそれを達成した時点で独立する目標を立てても良いでしょう。金額の目標を設定することは、夢の背中を押す効果も期待できるのです。

投資で開業資金を貯めた有名人と言えば、日本電算の永守会長です。株式投資で1億円以上を貯め、そのお金で日本電産を設立しました。そして、何を隠そうその時の投資手法がバリュー投資なのです。

日本電産・永守社長は稀代のバリュー投資家!

2016.04.03

永守氏ほどのカリスマ経営者にはならなくとも、夢を叶えるためにも投資は有効です。皆さんも投資を始めようと思ったら目標を設定し、そこからパワーを得られるようにしましょう

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執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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