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私が今志向している投資手法は「非の打ち所がない優良銘柄が値下がりするのを待ち、相場全体の調整時に買う」方法です。
少しずつバフェットの方法に近づけているのではと思っていますが、ここに至るまでにも様々な紆余曲折がありました。
いいと思った企業を長く持てば良い?
最初はバフェットの発言どおり「とにかくいい企業を買って長く持てば良い」と考えました。そこで目を付けたのが日揮(1963)です。
世界トップのLNGプラント建設技術を持ち、業績を急拡大させていました。当時の重久会長の講演に感動したことも理由の一つです。
しかし、やがて資源価格の急落が訪れました。当初はあまり深く考えていませんでしたが、石油やLNGプラントの建設は資源価格の影響を大きく受けます。日揮の業績・株価もそれを免れませんでした。
株価はみるみる急落し、想定を大きく外す結果となってしまったのです。
この経験から学んだことは、ビジネスに大きな影響を与えるリスクを認識し、リスクに見合った株価水準で買わなければならないということです。日揮は自分の主観や数少ない経験から、たまたま目をつけたにすぎなかったのです。
リスクの小さい低PERを買えば儲かる?
それから、私は有価証券報告書の「事業等のリスク」を読み込むようになりました。ここを読めば、業績に影響を与える要因を大方理解することができます。
リスクの小さいビジネスを安い価格で買えれば、少なくとも下落リスクは抑えられ、運が良ければ上昇すると考えました。この頃は、低PER銘柄を漁るようになります。
うまくいった投資もありました。JXホールディングス(5020)やダイト(4577)はその代表的な例です。
一方で、これだけでは物足りないと感じてしまうこともありました。この手法は下落リスクこそ抑えられますが、上がってもそんなに大きくはありません。
また、低PERが解消されるのも、市場の流れを待たなければなりません。とにかく時間がかかる割に成果もさほどではないとなると、退屈です。もっと短い時間で、大きな上昇を目指したいと思うようになりました。
PCデポのリバウンドで成功。これこそ目指していた境地か?
そんな時にうまくいったのが、PCデポ(7618)への投資です。
高齢者への高額サービスが問題となり「炎上」した結果、株価は大きく値下がりしました。しかし、開示資料を見る限り業績は堅調で、ビジネス上のリスクも小さいと考えました。
炎上さえ収まれば株価は回復すると考え、買い推奨しました。そして、期待通り1年弱で50%超上がったのです。
この頃には有価証券報告書の読解力も上がり、かなりの自信がついていました。これを武器にすれば、危ない銘柄とそうでない銘柄を見分けられると考えたのです。
そうなると、狙うべきはPCデポのように「炎上」しながらも、開示資料から判断される事業内容に問題はなく、リバウンドが狙える銘柄は非常に美味しいと考えたのです。炎上し、株価が下がれば下がるほどうまみを増します。
この方法こそ、分析力を強みとする自分の境地ではないかと考えるようになりました。有名なバリュー投資家であるジョン・テンプルトンも以下のように言っています。
大多数の人々と違うことをしなければ、高いパフォーマンスをあげることはできない。
しかし、この考えが後々大きな落とし穴をもたらすことになるのです。
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