投資戦略と心構え編
4.金利に逆らうな
投資を始める前に、私はかなりの勉強をしました。
その中でよく耳にするのが、「相場を読めない」「市場を予想するな」という言葉です。
これには一理あると思いますが、一方で「金利に逆らうな」ということは確実性が高いと感じます。
金利は株価に影響を与える要因の一つです。
簡単に言えば、金利が下がると株価が上昇しやすくなり、金利が上昇すると株価が下落しやすくなります。
例えば、コロナショック時には金利を急落させた結果、株価が急騰しました。
逆に、インフレが懸念されて金利を上げる必要があるときには、株価が下落しました。
これは2022年の例です。
このような大まかなトレンドを捉えることが重要です。
金利が下がる兆候が見えたら、それに合わせて投資を検討することが賢明です。
実際、アベノミクスなどの過去の経済政策でも、似たようなパターンが繰り返されてきました。
細かいニュアンスは難しいかもしれませんが、大局的なトレンドを意識しておくことは重要です。
金利の動向を理解し、それに合わせて投資戦略を調整することが、成功の鍵となるでしょう。
5.大波には絶対乗れ
大きな市場変動には必ず乗るべきだということです。
実際、投資は一直線に株価が上昇するわけではなく、波があるものです。
株価が上昇し続ける期間もあれば、ほとんど上がらない期間や急激な変動があることもあります。
この中で、大きな上昇波に乗らないと、投資からほとんど利益を得ることが難しくなります。
例えば、5年間のうちほとんど株価が上昇しない期間があったとして、その4年目に株式市場から撤退してしまった場合、その後の5年目の上昇を逃すことになりかねません。
これはアベノミクスからコロナ禍の相場まで言えることです。
大きな上昇波が来たときに手を出しにくい心理的な障壁もありますが、この際、もし大きな波が来る兆候があると感じたら、少し遅れてでも参加するべきだと感じます。
大きな波を逃すと、その波がしばらく再来しない可能性もあるからです。
常に全てを株式に投資する必要はありませんが、大きな市場変動の可能性を頭に置いておくことが重要だということです。
乗り遅れないように心構えを持つことが、投資の成功につながるでしょう。
特にコロナショックの経験から、この点を強調したいと思います。
6.絶望の中に光あり
絶望の中に希望がある、言い換えるならば、夜明け前は最も暗いということがあると思います。
株価が下落する時、実際には非常に絶望的に下がり続けることがあります。
この状況では、「絶望」という言葉が相応しいと言えるでしょう。
株価が大幅に売られる理由は、投資家の動向に起因します。
特に機関投資家は、損失を最小限に抑えたいと考え、急激な下落相場を早く脱したがります。
なぜなら、下落相場に留まり続けることで、彼らのファンドのパフォーマンスが急速に悪化するからです。
そのため、早く市場から離脱したいという考えが強まると、売り圧力が高まり、買い手が不足する状態が生まれます。
株価は買い手と売り手の相互作用に依存していますので、買い手不足の状態では、株価は継続的に下落します。
つまり、下落局面では非常に強烈な下落が起こります。
しかし、夜明け前が最も暗いというように、売り圧力がピークに達し、売り手がほぼいなくなる段階に達すると、逆に買い手しかいない状況になります。
これはつまり、株価が上昇する唯一の道となるわけです。
絶望的な局面ほど、その後に明るい希望がある可能性が高いと考えていただければと思います。
ただし、この際に購入する銘柄が実質的な価値を持っていることが前提です。
バブル的な上昇後の絶望的な下落は救いようがないこともあるため、よく内容も見る必要はあります。
7.全部売らなくて良い、全部買わなくて良い
相場ははっきりと予測できないことが多いのです。
先ほどの「絶望の中の希望」の話でも触れましたが、株価が下落したとき、底だと思って一気に買い込みたくなることがあります。
しかし、実際にはその時点が底かどうかはわかりませんし、まだ下落の可能性もあるのです。
同様に、売る際も、株価が上昇したからといって、すべてを売る必要はなく、一部を残しておくことも検討すべきです。
株価がまだ上昇する可能性があるなら、一部を保持しておくことは賢明な選択です。
人々は、0か100かという極端な考えに走りがちですが、中間の選択肢も存在することを忘れてはいけません。
つまり、株価が下がったから少しだけ買う、ただし余力は残しておく、といった段階的なアプローチが、投資の安定感を高めるのに役立つのです。
売却の場合も同様で、株価が上昇してからすべてを売る必要はありません。
一部を残しておけば、今後の上昇を期待できます。
私も投資家と接する中で、株価が大幅に下がった際、一気に多くの銘柄を買うかどうかについて迷うことがあります。
しかし、根本的に、市場の底がどこかは予測できないのです。
したがって、段階的なアプローチが健全な選択肢であると考えています。
8.他の投資家の考えを想像する
相場の話において、他の投資家の考えを想像することが重要です。
先ほど、株価が下がった際に売り手も買い手もいない状況について話しましたが、株価は基本的に売り手と買い手によって成り立っています。
自分が買いたいと思ったとき、反対側の売り手がどのような気持ちで売ろうとしているかを考える必要があります。
株価が下落している場合、売り手の気持ちはさまざまです。
たとえば、機関投資家は急激な下落に対応して損切りを考えるかもしれませんが、それは企業そのものが悪いわけではない場合もあります。
したがって、将棋のように相手の出方を伺いながら、相手の気持ちを考慮することは重要です。
投資の売買も相手が存在し、相手の気持ちを想像することで、自分の戦略をより確かなものにすることができます。
9.チャートも使いよう
チャートを使う方法について話しましょう。
私は最初から長期投資を考えていたため、長期投資においてはチャートはあまり重要ではないと感じています。
確かに、チャートだけを頼りに投資をするのは難しいことが多いと思います。
しかし、特に市場が極端な状況になったり、上昇や下降が急激な場合、チャートが重要な要素になることがあります。
たとえば、株価が急激に上昇して、その後にダブルトップやトリプルトップのパターンが形成された場合、2つ目の山が1つ目の山よりも低いとき、これは過熱感が収まりつつある兆候で、下落する可能性が高いことを示唆しています。
このような場合、一時的な利確を検討することが重要です。
また、購入のタイミングについても、市場が静かで株価がしばらく変動しない状況が続いている場合、これを「岩の心電図」とも言いますが、このような時に買うことが多いです。
なぜなら、静かな時期が過ぎると、通常は上昇する傾向があるからです。
要するに、チャートは、投資の判断材料の一部として検討するべきであり、特に極端な相場状況や過去のパターンが現れた際に役立つことがあるということです。
ただし、チャートに過度に依存することは避け、他の要因と合わせて総合的な判断を行うことが重要です。
10.物事には波がある
物事には波があるということを考えてみましょう。
これは、有名な投資家ハワード・マークス氏が「投資で一番大切な20の教え」の中で強調している概念です。
波とは、例えば景気の波や、半導体業界ではシリコンサイクルなど、周期的に上下する傾向があることを指します。
これらの波は、さまざまな分野に存在し、周期的に繰り返される特徴があります。
金利の動きも似たようなもので、上がったり下がったりを繰り返します。
こうした波の中で、特定の銘柄がどのように動くかを理解することは重要です。
具体的な未来の出来事を予測するのは難しいことですが、波の存在を認識し、ある程度の仮説を持つことは可能です。
このサイクル的な考え方を活用することで、投資判断をより着実に行う手助けになるでしょう。
(次ページ 「銘柄選定編」)
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