最近DeepSeekというものがリリースされたみたいだけど「DeepSeekってなに?」と疑問に思いますよね。
また、DeepSeekの登場によって「エヌビディアの時代が終焉を迎えるのでは?」と囁かれています。
そこで今回は、つばめ投資顧問がDeepSeekとはなにか?という疑問からなぜエヌビディアの時代が終わるかもしれないと言われているのかについて解説します。
また、DeepSeekの登場による半導体業界への影響についても紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
絶好調エヌビディアに死角はあるか?冷静な投資に必要な”裏側”を見る視点
目次
DeepSeekとは?
DeepSeekは2025年1月20日にリリースされたAIサービスですが、日本ではあまり聞きなれません。
そこで、まずはDeepSeekの概要について解説していきます。
ここで紹介する内容は、以下のとおりです。
- DeepSeekとは?
- DeepSeekの特徴
- DeepSeekの懸念点
それぞれ解説していきます。
DeepSeekとは?
DeepSeekとは、中国の会社が作った新しい人工知能です。
「ディープシーク」と呼びます。
イメージとしては、OpenAIのChatGPTと横並びとなるソフトウェアをイメージするとわかりやすいでしょう。
DeepSeekは、計算する時に「計算に必要な部分だけ」を稼働させる仕組み(MoE技術)を取り入れているので仕事が速くて低コストなのが特徴です。
DeepSeekの用途はChatGPTと同じですが、計算や論理など特定の分野に関してはChatGPTを上回るほどの数値的なスコアを残しています。
アメリカでは、DeepSeekのアプリがダウンロード数ナンバーワンになっていてかなり注目されています。
DeepSeekの特徴
DeepSeekの一番の特徴は、低コストで生み出されたことです。
DeepSeekが低コストで開発できた理由は、最新ではない低スペックの半導体を使ってできたためです。
中国は、アメリカから安全保障上の問題で半導体の輸出を一部禁止されています。
たとえば、微細で処理能力の高い最先端の半導体が規制の対象です。
そのためエヌビディアの最先端の半導体を使えなかったことから、工夫を重ね最小限のスペックでDeepSeekの開発を成功させました。
DeepSeekの最大の特徴として押さえておきたいのは、低価格で開発できたということです。
これが、今後のエヌビディアやAI市場に大きく関わります。
DeepSeekの懸念点
DeepSeekの懸念点として、中国企業なので中国の政府にとって都合の悪い情報を出さないなどユーザーファーストではないサービスの可能性があります。
また、情報を抜き取られる可能性も少なくありません。
他にも、OpenAIのChatGPTのシステムに接続して仕組みを盗用していたという噂もあるなど利用するには少し不安な点があります。
エヌビディアとはどんな会社?
DeepSeekの登場により、エヌビディアの時代が終わるのではと囁かれています。
ここでは、なぜDeepSeekの登場がエヌビディアにとって都合が悪いのかについて解説します。
ここで紹介する内容は以下のとおりです。
- エヌビディアは半導体を作っている企業
- エヌビディアの株価
- なぜエヌビディアの株価は下がるのか
それぞれ解説していきます。
エヌビディアは半導体を作っている企業
まず、エヌビディアについておさらいしておきましょう。
エヌビディアとは、半導体を作っている会社です。
2025年1月30日時点で、時価総額ランキング3位の大企業です。
エヌビディアはGPUといって、映像やグラフィックの処理で使う半導体を製造しています。
もともとエヌビディアは、ゲームや自動運転に必要な半導体を作っていました。
そこでGPUがAI開発にも応用できると考えられ、研究を重ねできたのがChatGPTです。
AIが便利なことが世界で知れ渡り流行りましたが、AIを開発するためにはエヌビディアのGPUが必ず必要となります。
ただ、エヌビディアが製造するGPUはつくるのに時間がかかります。
すぐに需要を満たせないので、需要と供給の関係でGPUの価格がどんどんあがっていきました。
このことから、時価総額がかなり大きな会社であるにもかかわらずAI業界への期待もありエヌビディアの業績が青天井に上がっていきました。
ですが、DeepSeekの登場により、エヌビディアに陰りが見えはじめます。
エヌビディアの株価
エヌビディアの株価を見ていきましょう。
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DeepSeekの登場で、エヌビディアの時価総額が1日で約90兆円失われました。
2025年1月30日現在ですが、過去5日で14.6%下落しています。
ですが、PERで見ると4、50倍とそこまで高くなかったため株価としてはすでにDeepSeekの発表を織り込んでいたようです。
つばめ投資顧問の見解では、すでに今後に起こりえるエヌビディアへの影響を十分織り込んでいると考えています。
株価は一時的に下げていますが、弱い投資家の投げ売りで今のところ大きな下落に繋がるとは考えていません。
なぜエヌビディアの株価が下がるのか
DeepSeekの登場でなぜエヌビディアの株価が急落したのかというと、DeepSeekのように安い半導体でAIが開発できてしまうと判明したからです。
先ほども解説したように、AI開発にはエヌビディアのGPUが必要な状況だったため独占状態でした。
ところが、DeepSeekの登場で低スペックの半導体でも高性能なAIを開発できるとわかったので、今後エヌビディアの売上が下がると予想されたことから株価は下落したようです。
これまでエヌビディアは独占だったので、価格もつけ放題でかなり高額な金額設定でした。
ですが今後は、エヌビディアが値段を上げれば上げるほど安い半導体でAI開発に取り掛かる流れができるでしょう。
このことから、これまですごい勢いで売上や利益を伸ばしてきたエヌビディアの1強時代が終わることが危惧されています。
ですがつばめ投資顧問の見解としては、今後もエヌビディアの半導体が使われ続けるということは間違いないと考えています。
なぜなら、ハイスペックなAIを開発しようと思うとエヌビディアのGPUが必要になってくるからです。
そのため需要が途絶えてしまうことはなく、必要に応じて使われていくと思っています。
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DeepSeekの登場は半導体業界に好影響
DeepSeekの登場は、エヌビディアにとってネガティブなニュースとなりました。
エヌビディアは時価総額がかなり大きく、「半導体業界に大きな影響を与えるのでは?」
と不安になりますよね。
ですがつばめ投資顧問は、DeepSeekの登場は半導体業界にとって好影響だと考えています。
その理由について解説していきます。
AI市場の拡大を阻むであろうネックが解消される可能性がある
これまでAI市場の未来を考える際、市場拡大を阻む原因としてAIサービスの利用料が高いという大きなネックがありました。
値段が高いといくらAIが高性能だとしても、お金を払ってくれる人がでてきません。
そうなると、ビジネスとして成り立たなくなるという問題がありました。
実際ChatGPTは300ドル(45,000円、2025年1月現在)のプランがでていますが、利用する人は限られているでしょう。
OpenAIの創業者であるサム・アルトマンの発言ですが、300ドル(45,000円)のプランを使う人はChatGPT使用頻度がかなり多いそうです。
その背後では、かなりの電力コストがかかってしまい結局高いプランでも赤字だということを明かしていました。
とはいえ、これ以上サービス料が高くなると消費者のお金が続かないことが想像できると思います。
これが、AI市場が拡大する上での最大のネックでした。
ですがDeepSeekは、現在無料で高性能なサービスを提供できています。
このことを考えると、今後いいサービスが低コストで開発されると想定されるため将来のAI市場はさらに成長していくことが考えられます。
AIサービス普及の後押しになる
DeepSeekの登場は、AIサービスの普及の後押しになると考えています。
DeepSeekの開発方法を取り入れると、これまでと比べものにならないくらい安価でのAI開発が可能です。
DeepSeekは性能の低い半導体を使用していますが、必要に応じて省エネしながらAIを稼働させていくのでランニングコストもかなり抑えられます。
そのため、AIを稼働させる際にネックとなる電力量の問題も少なくて済みます。
すると、先ほど紹介した現在45,000円かかるレベルのサービスを安価で提供するような会社がでてくるでしょう。
そうなると、利用するユーザーが増えるのでさらにAIサービスが普及していくと考えられます。
またAIを開発する方にとっても開発方法の幅が広がったため、さらにいいAIを開発できることが期待できます。
半導体業界の勢力図は変わる可能性がある
DeepSeekの登場で、半導体業界の勢力図が変わる可能性があります。
エヌビディアで製造しているGPU以外の、半導体の需要が増える可能性が高いからです。
たとえば、アメリカの半導体会社であるAMDが開発したものでもAI開発できるかもしれませんし、新興企業がAI開発に適した安価な半導体を作るかもしれません。
このように、エヌビディアのGPUの需要が分散化され、勢力図の変化が予想されます。
この流れからも、AI市場の拡大が続けば時間とともにエヌビディアの力は弱まる可能性があることも頭の片隅に置いておかなければいけません。
日本の半導体業界への影響
DeepSeekの登場は半導体業界への影響としては、好影響の可能性があると先ほど解説しました。
しかしながら勢力図が変わる可能性もあり、それが日本の半導体企業に影響するのかも気になるでしょう。
そこで、日本の半導体業界にはどのような影響があるかについても見ていきます。
日本の半導体業界は変わらず強い
つばめ投資顧問の考えとしてDeepSeekの登場は、日本の半導体業界にとってマイナスの影響にはならないと考えています。
日本の半導体業界を支えている上場企業は、ソフトウェアや半導体の流行りが変っても影響を受けにくい企業が多いからです。
たとえば、東京エレクトロンは半導体製造装置をつくっている会社ですが、GPUに関連した企業だけに納入しているわけではありません。
どんな半導体が開発されようと、半導体の需要がある限り製造装置を供給できます。
また東京エレクトロンの顧客であるインテルが製造している半導体は、パソコンからスマホ、AIなど用途が様々です。
そのためGPUの需要が減少したとしても、日本の半導体関連企業へのネガティブな影響は弱いと考えています。
日本の半導体業界の株価はどうなる
株価としては、エヌビディアと深く関連のある企業の業績は落ち込むかもしれません。
特に将来を見越して割高で取引されていた企業の株価は、大きく下落する可能性もあるでしょう。
ですが、これは一時的なもので基本的に影響は少ないと考えています。
DeepSeekの登場によってこれから起きることは、今後拡大していく半導体業界の大きなうねりの1つでしかないとみています。
そのため、長期的にみると半導体業界の株価はまだまだ伸びていくでしょう。
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まとめ
今回は、DeepSeekとはなに?という疑問から、エヌビディアが受ける影響について解説しました。
DeepSeekはChatGPTなどと並ぶAIサービスで、低コストで開発されたにもかかわらず高性能なサービスです。
DeepSeekは、従来までと違い低性能な半導体を使い安いコストで開発されました。
そしてAI開発に必須だったエヌビディアが製造する高額な半導体を使わなくても、AI開発ができると判明したためエヌビディアにとってはネガティブなニュースとなりました。
また、エヌビディアは時価総額がかなり多いので株式市場にも大きな影響を与えるのではと懸念されています。
ですが、DeepSeekの登場は成長過程にある半導体業界の変化の一つだと考えています。
つばめ投資顧問の見解としては、DeepSeekの登場を織り込んでいて株式市場がそこまで苦しくなるとは考えていません。
今回のDeepSeekについて紹介しましたが、内容はあくまでも表面的な話です。
つばめ投資顧問は、さらに深い分析ができる投資家を育てています。
ご自身でも経営や市場環境などの観点から本質的な分析をして将来を見通してみたいと思う方は、ぜひつばめ投資顧問の有料会員へのご検討をしてみてください。
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